街から離れた場所にひっそりと建っている館。庭園は綺麗に整えられており、館内には輝かしい贈呈品が並んでいた。
しかし、ある一室から何かを叩く音が響いてくる。
「旦那様、お止め下さい。 もうこれ以上ですとこの方は死んでしまいます」
その部屋には棒を振るう男性とうずくまる男性、その男性を庇う女性がそこにいた。 棒を持つ男性はこの館の主であり、肩が上下に動いている。
「エリーナ。なぜ止める? こいつは、父君の敵でありわが国の敵だぞ」
「解っております。しかし、私はこの方に恋をしてしまったのです」
エリーナと呼ばれる女性の重大な告白に男性は動きを止め、ゆっくりと彼女の方を見直す。 その顔は、信じられないと言う様な表情で持ってる棒もカタカタと震えていた。
「恋だと? ・・・貴様は、我々を裏切ろうというのか?」
「そんな事はございません。 私は、旦那様に解ってもらおうと思い彼を・・」
「もうよいわぁ」
エリーナは声を震えだしながら話すも男性の一喝で黙り込んでしまった。
「エリーナ、君の父君にはずいぶんとお世話になった。 しかし、こいつが来てからというもの、全てが私の思い通りにならなくなったよ。
どうしたものか、もう少しで私がこの街を手に入れられたのに・・・」
ゆっくりと語り始める男性は、机の方に近づき中から拳銃を取り出してエリーナに銃口を向ける。
「残念だよエリーナ。 君も私の物になれたのに・・」
鈍い爆発音と共に何かが倒れる音が廊下に響いた。
・
「おい、聞いたか?また殺しがあったみたいだぜ」
「あぁ、なんでも殺したのは外れの館の主で男女2人を殺して自殺したらしいな」
街にある大きな酒場で気持ちよく酒を飲んでいると、胸糞悪い話しが聞こえてきた。 場所を考えて話して欲しいものだ。 しかし、異常な事には変わりは無い為、仕方なく俺は彼等に近づいて行く。
「情報聞くのに酒代が無くなるなんて、飲みすぎなんだよおっさん等」
酒場を出てから、奢って聞き出した情報をもとに足を進める。 その間にもずっと愚痴がこぼれているのは言うまでも無い。
「さってと、ここが噂の現場か。 確かに、何か居そうだな」
目の前には、綺麗に清掃された門。 その奥にはこれまた綺麗な館がある。しかし、何故だか暗い雰囲気をかもしている。
「それじゃ、仕事開始。とっとと始めて、また酒飲むぞっと」
そういうと俺は門を思い切り蹴り上げた。
「おっじゃましま〜す」
館の扉を開くと、シンプルな家具が並んだ大広間がひっそりと俺を向い入れる。 物音は無くそれが逆に恐さを引き立たせる。
「最近まで使われてたからやっぱり綺麗だな。 これだったら見つけるのは簡単だな」
そういって背中の荷物から一枚の紙を取り出す。 そこには緑の装飾が施されている何らかのリングの絵が描かれていた。
「今回のターゲットは『悲欲の腕輪』 たしか、悲しみ・不運を呼び起こすとされ所持した者に災いが降りかかるんだっけ? 誰がこんなの欲しがるんだか」
紙をズボンに仕舞い込むと、目に付いた扉を片っ端から開けていく。
一つ、また一つと数ある扉を開けるも何も変化が見当たらない。
途中、キッチンがあったので食える物を貰って行ったこと以外は静かである。
「うわぁ、今回もハズレか? 情報的にここだと思ったんだけどな。
2階まで調べたし、残りは問題の3階ですか。 そこで何も無かったらへこむわぁ」
重い足取りで階段を登り、長い廊下を歩く。
3階は、今までとは違い窓だけが廊下を占めて奥の方に一つだけ古めかしい扉があった。
「ここに無かったらそれまで、あったら良しっと」
そういって取っ手を掴み、思い切り開けた。
・
「良いよラル。 もっと
#9829; もっと奥まで突いて
#9829;」
「エリーナ、もう出るよ。 たっぷりと濃いのを出すから」
「・・・・・・・・」
扉を開くと、そこには一組の男女が激しく交わりまくっていた。
俺は、呆気に取られて口が開きっぱなしになっているに違いない。
「ラル、好き
#9829; だいしゅき
#9829; もう、絶対離さないんだから」
「俺だって、君を話すものか、出すぞ、うおぉぉぉ」
激しかった交わりが終り、何回戦かが始まる頃に彼等はやっと俺のことに気付きだした。 最初は、怪しく思われていたが敵ではないという事で和解してくれた。 死人がゾンビとなって生き返るのは未だに信じられないが・・・
「それで、その探し物がこの腕輪なんだけど。 どっかで見たこと無い?」
「んー、どっかで見たような、
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