これはIkaijuが出現してから半年以上経過し全ての戦いで勝利しながらも、終わらない戦いに明け暮れる日々の1日にすぎない。
ピピピピッ!ピピピピッ!ピッ!
「んぁー」
自分でセットした目覚まし時計を恨めしく叩き、最愛の妻を起こさないようにベットから抜け出s
「マスター...何処に行かれるのですか?」
なかった...
「お、おはよう。レム...いつから起きてたんだ?」
「マスターが目覚める46分49秒前からマスターの寝顔を見ていました。」
「いやいやいや、どんだけ俺の寝顔見てんだよ!」
「マスターの顔はどれだけ見ても飽きません。」
「ちょっ...そこまでハッキリ言われると恥ずかしいです。」
「恥じることはありません。マスターは素敵な方です。
あぁ今日もカッコいいですマスター。私の、私だけのマスター。
マスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスターマスター大好きです。」
「おぉう。」
俺のパートナー、ゴーレムであるレムは自分で言うのもなんだが、かなり俺に依存している。
このやりとりも毎朝の恒例行事なので最近では慣れてしまったが、レムが俺の寝顔を見ている時間が日に日に延びてきていることが心配だ。
今日もまた俺の考えたしょうもないゲーム「妻にバレずに朝食作るゲーム」が失敗してしまい2人で部屋を出て朝食を作り素早く身支度を済ませてシミュレーションルームに向かった。
lt;ドリフトを始めます。位置についてください。
gt;
2人で実戦でドリフトした時のそれぞれの負担を軽減するためにこの練習用のドリフトをよく利用する。
俺たちが乗る機体は旧式であるため、ドリフトのハードも古く高い親密度を持っていても高いシンクロ率が望めない。
だからこそ、こうして他のパイロット以上に時間を割いているのだが...
「あぁ、マスターの記憶が、感覚が入ってくりゅうぅぅぅぅぅ!」
lt;シンクロ率118%を突破しました。
gt;
レムの性格からか最新のハードを使用すると、ものすごい数値を叩き出す。
あとレムがちょっとアヘる。
それでも作戦の成功率を上げることを目的に、あえて古い方のハードを使用しているが本来の力の80%ほどしか出すことができない。
それももったいないのでこうして訓練しているのだがなかなかうまくいかない。
ちなみに俺の脳内にもマスター大好きコールが流れ込んでくる。
これは結構キツい、決して嫌なわけではないが毎度毎度溺れそうになる、糖分で。
このことをオペレーターのマイクに相談すると
「惚気か、このヤロー!独身いじって楽しいか?おーん?」
とブチギレられるから口が裂けても言わないと固く誓った。
lt;ドリフトを終了します。お疲れ様でした。
gt;
そうこうしているうちに訓練が終了し糖分の過剰摂取から解放される。
「マスターお疲れ様です。いつものブラックコーヒーです。」
「あ、ありがとう。」
レムがいつもの調子に戻った様子を見るといつも落ち着かない。
彼女の頭の中では、あんなことやこんなことをされているんじゃないかと思ってしまう。
「ごめんなさい。マスター。」
「どうしたレム?急に謝ったりして。」
「私、ゴーレムなのにいつも感情を制御できなくて...」
どうやら考えごとをしていたせいで、彼女を不安にさせてしまったらしい。
彼女はこんなにも真剣に考えているのに俺は一体何をやっているんだ。
「それでいいんじゃないか?」
「そ、それはどういうことですかマスター?」
「いやぁさ、ゴーレムだ云々だ以前にさ、レムは1人の女の子なんだからさ、自分らしくいればいいんじゃないかって思ってさ。」
「マ、マスター。」
「レム!」
レムの表情に温かみが戻り、俺たちの周りに感動的なムードが広がる。
段々とレムの顔が俺の顔に近づいていき、唇と唇が触れ合ー
「おいお前らIkaiju反応があっー」
「Oh...レェム...」
「い、急ぎましょう!マスター!」
無残にも館内アナウンスの無機質な音声が出動要請を告げる。
未練タラタラに指令室に向かうと事の元凶であるIkaijuと全てを察してニヤニヤしている独身男の実態が明らかになった。
「ぶふっwこ、今回のIkaijuのカテゴリはっw3だw」
「マイクいつまでも笑ってないで状況を説明しなさい!」
ピリついた指令室に雷が落ちる。
レムはIkaijuに対して強く恨みを持っている。
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