5.魔物とお姫様

-レスカティエ教国・大図書館-



広いなんてもんじゃなかった
天井が見えないのだ
辺りを見渡せば一面本、本、本、本
世界中の本がこの図書館にはありそうだ

本の海とはまさにこのことを言うのか…


セイバー「凄いな…建物の大きさはそこまで大きくなかったが中はこんなに広いのか」
ウィルマリナ「魔法を使って空間を広げているって話なんですが、詳しい仕組みは私もわからないです」

俺は納得して頷いた

ウィルマリナ「読みたい本や本の種類を司書さんに言えば持ってきてもらえますよ。ただ、本には機密レベルっていうのがあるので国に許可を貰わないと行けない本もあります。幸い私はかなり高めの権限を頂いてるのでほとんど読めるはずです」
これだけ本があるんだ。禁書と呼ばれるものや国の深いところまで記してある本があってもおかしくないな

セイバー「俺が読みたい本は魔物についての本だ。出来れば写真付きが良い」
彼女にそう伝えると彼女は少し考えてから、持ってきます。と一言告げて司書の元に行ってしまった





数分後





ウィリマリナ「この本ならセイバーさんの要望にも答えられると思います。実は写真付きというのは一般人には貸し出されていないんです、あまり魔物の姿を一般の方々に見せるのは良くないというのが教団の方針なので。その申請で少し手間取りました」
なんで魔物の姿を見せてはいけないんだ?しっかり姿形を覚えていたほうが出会った時に対処しやすいと思うんだがな

…まあいいか。お偉いさんの方針ならウィルマリナもそこまで深く知らなそうだしな

セイバー「ありがとう、手間取らせて悪かったな。俺はここで本を読むけどウィルマリナはこれからどうする?」
ウィルマリナ「私も本を読んでセイバーさんを待ってますよ。本の返却にも私がいないといけませんし、他に読みたい本があった場合も私が申請したほうが滞りがないと思うので」
セイバー「なにからなにまで悪いな…じゃあまたなにか違う本が読みたくなったら言うよ。俺はあそこらへんで座って読んでる」
あそこ、と借りた本を読むためのスペースであるであろうテーブルのある方を俺は指をさした

ウィルマリナ「私も読みたい本があったので早速借りてきます。お隣いいですか?」
俺は頷くと彼女は、では借りてきます。と言って司書のいるカウンターに向かっていった


魔物…話には聞いている。魔王の世代交代により人間を捕食するのではなく生殖の相手、伴侶にするらしい
そのため、ほとんどの魔物が見目麗しい女性の姿をしている…そんな基本的な知識はウィルマリナから教わった



俺は柄にもなくワクワクしつつ本を読みふけった―――




・・・





ガルザンド・魔王城・王の間

此処は魔界の中心
魔界で最も栄え、最も豊かで、最も淫靡な街

空は昼夜関係なく薄暗く、城下町では裏路地の近くを通れば常に嬌声が聞こえた

淫らで、美しく、最も背徳的な街


それが王都ガルザンド、魔王の根城のある街である



「…この前の光の原因はわかったのか」
一人の男が静かに語る
無骨な黒い甲冑を全身に纏っており、顔色を伺うことはできないが、屈強な体格とその甲冑の隙間から覗く鋭い眼光は只者ではないということが一目でわかる


リリス「ええ、やはり英雄降誕の儀を行なっていたそうよ。」
彼に語りかける妖艶な女性

彼女こそ現魔王…魔王女と言うべきか
魔界の頂点に君臨する魔物の長、リリスである


カプリ「う〜む…どんな者が召喚されたのか…気になるのじゃ」
やけに老人めいた口調で話す少女
彼女はカプリ・マ・ヘル

魔界の三大将軍の一人であるバフォメットだ



ドラク「………どんな者であろうと早急に叩き潰すべきです。希望という種は早く潰せば潰すほど絶望が芽吹きやすい」
凛とした背筋から、また凛とした声で話す武人めいた彼女
彼女はドラク・ガ・ヨルムンガルド
魔王すら凌ぐ力量を持つと言われている魔界切っての武人―――ドラゴンである

彼女もまた、将軍の一人だ



ガルム「ドラクは物騒だなあ…別に放っておいても問題ないと思うんだけどなあ」
飄々とした口調で話す彼女はガルム・ジ・フェンリル
黒い毛並みの美しいワーウルフだ


彼女も勿論将軍…魔界最強の一角だ


ドラク「ガルム…お前は呑気すぎる。足元をすくわれても知らんぞ」
ガルム「そんなこと言って、どうせドラクは強いかもしれない人間と戦いたいだけでしょ?」

ぐっ…と言葉に詰まるドラク
図星のようだ

カプリ「はやく捕まえて調べてみたいのじゃ…♪」



三人の将軍がそれぞれ意見を述べるのを、玉座に座る男は黙ってみていた


少し呆れた様子でリリスが男の横から前に進み出る
リリス「もう、三人とも静かにしなさい。私達の魔王が困ってるわ
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