「あー美味しかった!やっぱりメリルさんの料理は最高だよ!」
「毎日食べてるが、確かに美味しいと思う」
お腹いっぱい、といった様子で街を歩く三人
あの後ファランクス家で昼食を摂り、三人はまた猟師ギルドに向かっていた
リンが、私も行きたい!!と目を輝かせていたが、メリルに捕まり、渋々といった様子で家に残った
「今度お料理教えてもらおうかな…」
と小声で呟くマリー、
「…ま、頑張れ」
とレイが聞こえないように呟いた
まだ幼なさの残る二人の行く末を、レイは静かに案じた
ーーーーーーーーーーーーーー
「おう、換金終わったぜ?銀貨二枚だ」
猟師ギルドにつくと、すぐにレイたちに気づいたトムが、声をかけてくれた
「ありがとう、トムさん」
「そりゃこっちの台詞だぜ。レイの持ってくる獲物はいつも上等だからな」
そういってニカッと笑うトムさん
トム・マークスは猟師ギルドで受付を務めている気さくな禿頭のおじさんだ
ベテランの猟師だったが、足を悪くして引退したらしい
「七歳の子供が銀貨二枚相当の獲物を狩ってくるなんて聞いたこともねえぜ。しかも一度や二度じゃないときてる。レイならもう猟師で食っていけるぜ?」
「はは、ありがたいけどずっと猟師だけを続ける気はないんだ」
「そりゃ残念だぜ。じゃ、またこいよレイ!」
そういってトムは次の換金の準備に戻っていった
レイが後ろで待っていた二人の元に駆け寄る
「レイ、終わったの?」
「うん、銀貨二枚になった」
銀貨二枚という金額に二人は少し驚く
「一日にそんなに稼いでたらそこらへんの大人より凄いじゃない…」
「毎日は狩れないよ。狩猟制限があるからな」
あ、そっかと二人は納得する
ちなみにこの世界の硬貨の価値は円換算にすると、
石銭=十円
鉄銭=百円
銅貨=千円
銀貨=一万円
銀板=十万円
金貨=百万円
金板=一千万円
白金貨=一億円
この程度の価値となる
金板からは名のある商人や貴族、白金貨ともなると政商や王族しかまずお目にかかれない
「さて、じゃあ早速行くか?」
「うん!」
レイの言葉にマリーは待ってましたと言わんばかりに返事をする
「ん〜…やっぱりちょっと不安だよね、もし魔物が出たら…」
アルが不安げに呟く
「魔物…ね。奥には何度も行ってるけど、まだ見たことないな」
「私も魔物は見たこと無いけど…でも平気よ!出たとしても私とレイがいるじゃない!」
「うう…そうだけど……」
実は、二人が今日狩りについてきたのは、レイの狩りを見学するだけが目的ではない
勿論見学も目的の一つであったが、もう一つ、三人には目的があった
「絶対、虜の果実を食べてやるんだから!」
ふんす、と意気込むマリーを横目に、男二人で小声で囁き合う
「気合入ってるな、マリー」
「マリー、ほんっとも甘いモノに目がないんだ…」
「ん〜…悪いな、こんなことになって…」
・・・・・
こんなことになったのは数日前、レイが冒険者から聞いた話を二人に話してしまったのが原因だ
曰く、反魔物領以外ではポピュラーな魔界の果実で、その果実はとろけるように甘く、驚くほどの美容効果もある…とか
この話をした時点で、マリーの目が爛々と輝いていることに、レイは気づくべきだった
レイは続けてこう話した
「その冒険者が言うには、恵みの森の奥にも自生してるらしい。実際見たんだってさ」
・・・・・
そんなことがあり、三人で恵みの森の奥に行こうということになったんだ
アルは強く反対したが、マリーを止めることはできなかった
レイはというと、二人を連れて行くのは不安だったが、好奇心に負けて了解を出してしまった
レイは何度も奥に探索しにいってるし、アルはともかくマリーはかなり魔力を持っており、魔法だって使える
「せ、せめて大人と一緒に…」
「大人に話したらお父様にバレちゃうじゃない。お父様が許してくれるはずないわよ…」
マリーとアルの話からわかるように、このことは三人しか知らない
今回、恵みの森にいったのは、狩りを見学するだけという約束だったのだ
レイの腕前はガリルの話からマリーの両親も知っていたし、少し悩んでいたが了承してくれたのだった
「ま、俺は何度も奥には行ってるし、ある程度地理も把握できてる。どんなことがあってもまかせとけ」
「頼りにしてるわ」
手をひらひらさせて答えるレイの後ろで目を輝かせる少女を横目に、少年は深い溜息をつくのだった
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