後編

リリィ様との新生活からしばらく経った、もう新しい環境にもだいぶ慣れてのんびりと日々を過ごしている


しかし、俺とリリィ様の仲はあれから時が止まったかの様に進んでいなかった


あんなことが無かった、というわけではなく…毎日のように一緒に寝たり、風呂に入ったりとかはしていた


俺がムラムラとしたりした時もリリィ様は自慰を手伝ってくれたり、手や口などでしてくれたりとしてくれるのだが、それ以上先の…所謂「本番」については一切することが無かった


俺がそういう気分になった時は、大体リリィ様が処理してくれて、俺が疲れて終わる…というパターンが多いのだが、俺自身も「リリィ様とエッチしたい!!!」という気乗りはしなくて、前戯までで終わってしまっているのだ


リリィ様の事が好きなのは間違い無くて、リリィ様の身体にも興奮するのになぜだろう…リリィ様からもそういった誘いは一切ない、リリィ様はそういった行為には興味がないのだろうか?


…うーん、こういったことで悩んでも困るな…相談できる相手もいないし…


あれ?ちょっと待てよ、いるじゃないか!身近で男女経験アリの相手が…もう縁は切ったつもりだったが仕方ないから復縁してやるか


「…えーっと、電話番号これだったかな」


俺は携帯から相談するために電話を掛けた、コール音が2回ほど鳴り相手に繋がった


「もしもし?久しぶりじゃないか、コウジが電話かけてくるなんて…パパ嬉しいよ」


「あ、親父?オレオレ、ちょっと事故起こしちゃってさあ」


「お前せっかくの感動シーンだぞ、引き裂かれた親子の再開なんだから不安になる出だしやめろよな」


「引き裂いたの親父じゃん…息子のかわいい冗談だろ、笑って流せや」


繋がった相手は親父、そう!親父ならば俺を作ったという子育て経験もあり、そういった情事の相談も出来るまさに適任だ


「んで、なんだ?シャッチョになったパパに何かようか?お前がわざわざ連絡寄越すなんて」


「あぁ、うん…ちょっと相談があってさ…」


俺は親父にこれまでの経緯とリリィ様について話した、意外にも親父は一切茶化すことなくまじめに聞いてくれる


「…あぁ、お前に関してはそりゃあある意味正しい反応かもなぁ」


「なんだよ親父も経験あるの?そういうの」


「いやだって、お前…「母親」は抱けないだろ」


親父の言葉に、俺は頭を強く殴られる様な衝撃を受けた


「無理もないよなあ、あれだけ幼い見た目とはいえあんな面倒見良くて包容力のある女性…母親がいなかったお前が重ねるのは」


たしかに、リリィ様に甘えることは多くなった…毎晩一緒に寝たり、風呂に入ったり…色々と面倒を貰ってるし、リリィ様だって「ママになってあげますわ♪」なんて言っているが…


俺はそこまで、リリィ様を「母親」として見ていたのだろうか?身体の繋がりを禁忌だと思うほどに…


「リリィ様に関しては…分からん、結構謎が多いからなぁ…あの魔王様の娘なんだしエッチことが嫌いなわけないはずなんだがなぁ」


「分からないとか無能かよ」


「よく知った可愛い息子と、あまり知らない他人じゃ分かることに差があるのは仕方ない…仕方なくない?」


「何言ってんだいつも家に居なかったくせに」


「でもパッパの考察はあながち間違いじゃなくない?図星なんだろ?素直になれよ…」


「ず、図星じゃないですー、俺はリリィ様はちゃんと女の子として見てますー」


「ロリコンかよ、通報したわ」


「それ親父も立場危うくなるだろ」


「それはいかんな…まぁ、あまり深く考えすぎるなよコウジ、こういうのは案外簡単な理由だったりするぞ?例えば…リリィ様は経験ないから、意外とビビってたりしてな!いやぁ母さんとの初めても大変だったなぁ…」


「親の情事なんて聞きたくないよ、切るわ」


結局親父との会話では有益な情報は得られず…そのまま俺は電話を切るとリリィ様に会いに行こうと、部屋を出た





私、リリィは今幸せの絶頂を迎えています、長年の夢だった理想のパートナーをようやく迎えることができたからです


彼、渋川コウジ…こーちゃんは私に相応しい男の子、強がった子供みたいで、甘えんぼでとても愛らしい子で、私はスポンサーとして投資している会社の借金を肩代わりすることを条件に"買いました"


「金で男を買うなんて」とか「年の差が100を越えている」とか社会で問題になりそうなことですが、私リリムには関係のないことです


なんといっても私は魔王の娘ですから、むしろ少しくらい非人道的な方が似合っているというものでしょう?


私のほかのお姉さま方や妹たちはどんどんパートナーを見つけて、幸せになっていく中…私はずっと一人でした


でもそれは
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