白い恋人

「やっくん…やぁーっくん♪朝、ですよ…起きてください♪」


俺、多摩ヤスオはそんな優しい声に起こされて目を覚ました…


眠気まなこを擦り目を開くと目の前には透き通るような白い髪の女性が、その宝石のような紅い瞳を緩ませて、その白い肌の頬を仄かに朱に染め俺を見下ろしていた


俺はゆっくりと寝ていたベッドから身体を起き上がらせる、すると目の前の女性の全体像が見える…今時の制服に身を包み、そのプリーツのスカートから伸びるのはスラリとした足…ではなく、真っ白な蛇の身体


「おはようございます、やっくん♪」


「あぁ、おはよー…サヤさん」


そう、彼女…白咲サヤさんは白蛇という魔物だ


魔物、というのはずっと前に人間と共存を表明した種族で全てが女性、身体が人間とは違う部分がある…と言った点以外は人間とはあまり変わらない種族で、昔はともかくいま現代そう珍しいものではない


「朝ごはん出来てますから、早くお着替えしちゃいましょうね♪あんまりのんびりしてると、学校にも遅刻しちゃいますし…」


「またご飯作ってくれたのか、おねーさんいつも悪いねぇ」


そんな魔物のサヤさんがどうして朝から俺を起こしてきたかと言うと…それは俺とサヤさんが付き合っている恋人の関係だからである


「あらあらそんなことないですよぉ、だって私がやっくんのお世話をするのは当然ですし…やっくんのお嫁さんになるなら花嫁修業は早くから始めた方が良いですし…♪」


頬を染めそう言うサヤさん、ちなみにサヤさんの料理は凄腕だ


「あ
#12316;腹減ったなあ、着替えてご飯ご飯…」


俺自身好き嫌いないけど、サヤさんの料理は何を食べても美味しいんだよな


「ほらほらやっくん、ばんざ
#12316;いってして下さいね♪」


「わっ、急に近いって!」


一瞬目を離した隙にサヤさんが鼻先が当たるような位置まで近づいてきていた、ふわりと良い匂いがして、ごく自然と腕に柔らかいサヤさんの胸の感触がした


「あれ、サヤさんまた胸大きくなった?」


「まぁまぁ、やっくんったらえっちなんですから…♪」


「えっ、あ、いや純粋な興味で…下心は9割しか無かったんだよ」


「もぉ、だめですよ?今は…急がないと遅刻しちゃいますし、まぁやっくんがどうしてもって言うなら1日くらい休んだって…♪」


「おっとそうだったそうだった、はやく着替えないと…」


俺がパジャマのボタンに手をかけると素早くサヤさんの下半身がしゅるりと伸びてきてそれを遮った


「あらあら、やっくんはじっとしていて下さいね?今私が脱がせてあげますから♪」


「待て待て、ちょっと待って?」


「あら、着替えより先にお手洗いでしたか?でしたら私もご一緒に…♪」


「一緒に来てナニをするんですかねぇ?…とりあえず着替えくらい一人でやるから!外に出てて、どうぞ」


「あらあら恥ずかしがっちゃって、気にしなくて良いんですよ?お風呂だって一緒に入る仲じゃないですかぁ♪」


「それとこれとは話が別なんだよなぁ…すぐ行くからサヤさんはご飯食べる準備しててホラホラ」


「…はぁい、わかりました。じゃあ待ってますから、はやく来てくださいね?二度寝したらダメですからね、その時はまた起こしに来ますけど…あら、もしかしたらその方が私的には嬉しいのでは…?」


「もうバッチリ目ぇ覚めてますよ!大丈夫だって安心しろよ
#12316;!」


俺は半ば力ずくでサヤさんを部屋の外へ押し出す、まぁ相手のサヤさんは魔物だからちょっと本気出されたらすぐに押し返されちゃうんだけど


「ふう、さっさと着替えますかね…パパパッとやって、終わり!」


ちょっと遅れるとまたサヤさんが飛び込んできてしまいそうだし、俺はパジャマを脱ぎ捨てて多分サヤさんが用意してくれたであろう綺麗に折りたたまれた制服を着る


「サヤさんお待たせ」


「いえいえ、ちょうど食器が並び終わったところですよ♪」


下のリビングではちょうどサヤさんがお皿をテーブルに並び終わったところだったらしい


俺とサヤさんは大きなテーブルの席に二人きりで座る、昔はこのテーブルに家族みんなで集まったものだけど…うちの親は今ハネムーンとか言いながら海外に行っている


ハネムーンとか言っているが実際は海外での仕事で、俺とサヤさんがある程度大きくなったらほとんど家にいないで海外にいるようになったのだ


初めは寂しいとか思ったりしたが、基本四六時中サヤさんと一緒だからそんなことはなかったんだよなぁ


「はいあ
#12316;ん♪はやく食べないと、もうあまり時間ないですよぉ
#12316;」


「はいはい、って近い…近くない?」


ただでさえ隣で近いサヤさんが身体を乗り出
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