デートから帰ってきたあと、皆と夕食を済ませて部屋へ戻ってきた
「まさか皆からあんなに質問攻め食らうとはなぁ」
姉たちから半ば避難するように部屋へ戻ったのだ、まぁ家事は済ませたしこのまま就寝してもいいだろう
「今日は疲れたし…もう寝るか」
寝ようと思って布団を敷いたところで、ドアがノックされた
「げっ、まさか部屋にまで押しかけてきたんじゃ…」
質問攻めする姉たちを思い出し恐る恐るドアを開ける
「だ、誰やー…?」
「はぁい、お姉ちゃんですよ♪」
なんとシロ姉だった
「あれ、シロ姉?どうしたんや、わざわざ部屋に来るなんて」
「えぇ、たくまちゃんがそろそろ眠る時間かなと思いまして」
「え、まぁ確かに疲れたから今から寝るとこやったけど…」
なんで寝る時間と知って部屋に来たんだろうか
「ふふ、昨日はダメでしたけど…今日から一緒に寝ましょうね♪」
自分の枕を出して笑顔でそう言うシロ姉…え、ちょっと待って
つまりあれか、シロ姉と同じ布団で二人きりで寝るということか?
「え、えっと…し、シロ姉?俺らはもう子供やないんやし寝るのは一人で…」
「たくまちゃん、私と一緒に寝るのは嫌ですか…?」
嫌、なわけがないんだけども…皆と一緒に仲良く寝るのとはわけが違う、姉弟とはいえ女性と二人きりで床に着くというのは…
「い、嫌なわけじゃ…ないで?ただ年頃の男女が…」
「何言ってるんですか、姉と弟ならこれくらい当たり前ですよ?」
あ、当たり前…なのか?
どうしてかシロ姉の言葉には無条件に丸め込まれてしまう
「さぁ、今日はお姉ちゃんが抱きしめてあげますよ♪」
布団をめくり、ポンポンとこちらに催促してくる
(な、何もしなきゃ良いわけやからな…今日くらいは大丈夫やろ、明日から…明日からは一人で寝ればええんやで)
そう自分に言い聞かせて布団に入るとシロ姉の胴体が俺の身体に巻きついてくる、決してキツくなく包み込むようなラミア種特有の抱擁だ
あぁ、昔もこうやって寝ていたなぁ
「シロ姉の身体、暖かい…」
「たくまちゃん…可愛すぎますよ、もう♪」
どうにもシロ姉の前では甘えてしまう、このままではダメ人間になってしまいそうだ
「たくまちゃんは立派になりましたけど、それでもたくまちゃんは私の可愛い弟ですから…もっと甘えてくださいね」
「シロ姉…」
頭を撫でられながら、シロ姉の甘い声を聞き身体を包まれると俺の意識はすぐに深い闇へと飲まれてしまった
朝起きても、シロ姉はそこにいた
美しい寝顔で安らかに寝ている
「朝か…家事やらんとな」
布団から出ようとして気付く、シロ姉に抱きしめられてるので出れないのだ
「ん…しまったな、シロ姉はまだ寝てるし…」
こんなに安らかに寝ているので、無理に起こすのもかわいそうだ
「ん…しょっと、どうにか…抜け出せへんかな…!」
もぞもぞ動いて絡みつく胴体から抜け出そうと試みた
「ん…たくまちゃん…?」
「あ、すまへん…起こしてもうた?」
「ふぁ…朝、ですか…?」
可愛い欠伸をしてキョロキョロするシロ姉にドキッとする、いやときめいてる場合じゃないよ
「家事しなきゃいけないんや、身体解いたら寝ててええから…」
「はいぃ…」
スルリと身体が自由になる
「ありがとう、起こして悪いなぁ…おやすみシロ姉」
「ふぁい…」
寝起きのシロ姉を尻目に俺はキッチンの方へ行く
「…おはようたくま」
「おはようねぇちゃん」
シルクねぇちゃんが既に起きて準備をしていた、まだ大分早い時間だ
「…早起きできていい子なの」
「いやぁ、まぁこれくらいはね」
並んで料理をする、簡単な朝ごはんとはいえ人数が多いから大変だ
「皆起こしてきた方がええんか?」
「…朝ごはんの匂いを嗅いだら皆集まるよ」
流石魔物、嗅覚が優れているようだ
「おはようたー坊、シルク!朝からご苦労!」
玄関の方からシャクヤ姉さまが来た、姉様は確か朝走り込みを日課にしていたはずだ
「朝ごはんもうちょいでできるから少し待ちや」
「あらぁ、今日の朝は和食ねぇ?嬉しいわぁ」
「わぁー、お魚だー!」
そして起床してきたユウ姉さんとエルねぇねぇも来た
「まぁ、私が最後ですか?のんびりし過ぎました…」
最後にシロ姉が来た、全員集合だ
「おはようシロ姉」
「はい、おはようございますたくまちゃん!ちゃんと朝から家事をしてたくまちゃんは頑張り屋さんですね」
「いや、それ程でもないで…」
「…皆、ごはん出来たから運ぶの」
全員集合したところで朝ごはんが
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録