ちいさい悪魔のお姉ちゃん

俺、仲内ユウトの家は普通とはちょっと違う4人家族である


父と母は…まぁ普通より背が小さいことを除いたらごく普通のどこにでもいる仲の良い夫婦だ


そして俺も、背が小さい両親から生まれたとは思えない180を超える身長であることを除けばごく普通の少年だろう


しかし、最後の一人…我が姉であるアマネは違う


「ん?どうしたのユウちゃん、ねーちゃんの顔に何かついてるかー?」


「え、あ…いや、あまねぇの身長について疑問が…」


アマネ 姉であまねぇと呼ぶ、この青い肌をした幼女…背中からはコウモリのような翼が生えていて目は黒く、とても人間には見えない


そう、彼女はデビルという種族の魔物であり人間ではないんだ。


当然血は繋がっていない、しかし両親の背が小さいためデビルであるあまねぇの方が、背の高い俺より血縁に見られやすいという奇妙な現象が起きているのだ


「なんだよー、ユウちゃんが大き過ぎるんだろー?ねーちゃんはフツーよりちょっと小さいだけだよ!」


「いや、うちの両親やあまねぇが小さいだけで…むしろ俺が普通よりちょっと大きいだけだと思うよ」


どうして血の繋がってない魔物であるあまねぇが俺の姉なのかというと、それは俺が赤ん坊の頃まで遡る


人間を堕落させるためにデビルを含んだ数種類の魔物達は、未婚者の男性をターゲットにインターネットのメールなどを介して魔界と呼ばれる場所から俺たちの世界にやってきているらしい


俺がまだ赤ん坊の頃に、何かの手違いであまねぇは既婚者である父親の元にメールで来てしまい途方に暮れたが…そこで赤ん坊である俺を見つけて、この子を堕落させてやろうと決意したらしい


突然のことに父親も驚いたらしいが、魔物自体はすでに人間社会に溶け込んでおり…父親曰く「俺と母さんみたいに背の小さい子だったし、大きくなったらユウトといい関係になれるかと思った」らしい


当時の父親は俺が背が高くなるとは微塵も思っていなかったらしく、あまねぇも俺の成長には驚いていた


「あまねぇは俺を堕落させる、とか言ってたらしいけど…俺らって普通の姉弟じゃない?俺全然堕落してないし…」


「うーん、確かに普通の姉弟みたいだけどなー…ユウちゃんは堕落させるのには成功してると思うぞ?」


「えっ、そうなの?」


「…だってユウちゃん、ねーちゃんの膝枕から離れようとしないし」


…確かに俺は冒頭からずっとあまねぇから膝枕をしてもらっている状態だ、離れる気は微塵もない


「それに、ねーちゃんが添い寝してやらないと心細くて寝れないだろ?」


「確かに…」


あぁなるほど、俺はねーちゃんがいないとできることは少ない…確かに堕落していると言えるな


「背はいくら大きくなったってねーちゃんはユウちゃんのねーちゃんなの、姉っていうのは弟に何かをしてやりたい生き物なんだぞ?だからずっとずぅーっと甘えてくれていいんだぞ!」


「でも甘えっぱなしなのはなぁ、たまにはあまねぇの役に立つことをしたいよ」


「その気持ちだけでねーちゃんはユウちゃんのねーちゃんで良かったって心から思えるんだ、だからそんなこと気にしないでどんどん甘えていいんだぞ♪」


頭をなでなでされた、ふむ…あまねぇはそういうがただ甘やかされてるだけではあまりにも忍びない


あまねぇができないで俺にできることで何か恩返しが出来ないだろうか


「あ、そうだ!あまねぇは背が小さくて高い所のモノとか取れないから、俺が代わりに取ってあげたりできるじゃん」


「…ねーちゃんを馬鹿にしてるのか?デビルだし飛べるから背とかあんまり関係ないぞ」


「そういやそうか」


うむ…できることがなくなってしまった、魔物だから俺より力強いし大抵は魔法とかでなんでもできちゃうんだよなぁ


「しまった、難しいことを考えたら眠くなってきた」


「そうか、じゃあこのまま膝枕しておいてやるから寝ちゃっていいぞ…よしよし、いい子にお昼寝しような〜♪」


「わぁい」


あまねぇに甘やかされるとすぐにコロッと夢の世界に入ってしまった





「ふふ、寝ちゃったかな?…いいこ、いいこ…♪」


私は膝の上で寝息を立てる愛しい弟の寝顔を眺めて、至福のひとときを過ごす


忘れはしない、初めてこの愛しい弟に出会った時のことは…


私は人間を堕落させるために、未婚の男性をターゲットに魔界から人間達の機械を通じてやってきた


しかし何の手違いか私は既婚者である、今の父(と言っていいのだろうか?)の元へと来ちゃったみたいで途方に暮れていた


何事か騒ぎを聞きつけた今の母が、私の愛しの…まだ赤ちゃんだったユウちゃんを抱えてやってきた


私は見た瞬間身体が歓喜の震えを起こした、一目惚れだっ
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