「ちくしょー…うっ、ごほっ…えふっ…!」
「まぁ…ご主人様、なんておいたわしい…」
今日は平日の昼頃、いつもならば学校に行き勉学に励んでいる時間なのだが…
「風邪かよぉ…全くついてねぇ…けほっ!」
「ご主人様、どうかゆっくりと休んでください…最近は生活環境の変化があってお身体に負担がかかっていたのですね、まさかご主人様に風邪を引かせるなんて…メイド失格ですわ…」
「んなことねぇって…風邪なんか誰でも引くモンだろうが」
風邪を引いてしまった俺を朝からずっとブランシェさんは看病してくれている、ブランシェさんは自分を責めるがブランシェさんに落ち度はない
むしろブランシェさんが来てから俺は元気になった、ただ俺がブランシェさんが何でも世話してくれるのに今まで一人で気張っていたのが抜けてしまった結果だろう
「ともかく今日は絶対安静ですわ!今はまだ微熱と関節痛に鼻づまりだけですが咳が激しく出始めると長引きますから…」
「絶対安静って…大袈裟過ぎやしないか?」
「大袈裟ではありません、風邪は悪化すると高熱、気管支炎、肺炎などを引き起こし命に関わるほどの大病なのですよ!?」
ブランシェさんが髪を逆立てるような勢いで俺をベッドに押し込まれてしまう、確かに悪化し過ぎると危険だがブランシェさんが看病してくれているのにそんなことはないと思うんだけど…
「もし、ご主人様の生命に何かあったら…ブランシェは、ブランシェはっ…!」
「な、泣くなよぉ…わ、わかったわかったから!ちゃんと大人しくしてるって!」
ベッドの横で膝をつき涙するブランシェさんを見ているとどうにも従うしかない、これからはもっと体調管理に気をつけなくちゃならないな
俺は今まで病気とかになっても側で悲しむ人はいなかったけど、いまはブランシェさんがいる…ブランシェさんを悲しませるわけにはいかないよな
「分かればよろしいのですわ、何かありましたら全て私に任せてもらいますから」
「はいはい…ん、あっ!そういやさっきメールにコウキから学校が終わったら見舞いに来るって連絡が…」
俺がそれを思い出すと同時に家のチャイムがなった、なんてタイミングだ…
「まぁ…えっとご主人様、病気の身ですしお断りしたほうがよろしいですか…?」
「いやわざわざ見舞いに来てくれんだから、そこまで辛くないし大丈夫だぜ」
「はい、それではお出迎え致しますね」
ブランシェさんが部屋を出て玄関まで行ったようで下の階で音がする、そしてすぐに上に上がってくる音がして…
「うおおおーっ!無事かマイソウルフレンドぉぉおおお!」
「うるせええぇぇえ!病気なんだから騒がしくすんじゃねえぞ!」
勢いよく、そして騒がしくコウキが入ってくる、分かっていたことだが本当にうるさいやつだ
「お前が病欠って聞いていてもたってもいられなくて朝から見舞いに行こうかと思ったんだがな!先生に止められたんだ、寂しい思いをさせたなジュッキー…」
「ごほっ…いやブランシェさんいたし、お前が来るくらいなら一人のほうが静かでいいんだけど」
「まぁご主人様ったら、私照れてしまいますわ…♪」
「くっふふ、コウキ坊っちゃまったら見舞いの為にスケジュールを全部キャンセルしてしまってぇ」
後からブランシェさんとノワールさんが上がってきた、ブランシェさんは新しい濡れタオルを持ってきてくれたようだ
「さ、ご主人様…タオルを取り替えますわ」
「あ、ブランシェさん…その役目はバディである僕に任せていただけないでしょうか?親友の為に何かして差し上げたいのです」
「えふっ…!?おいバカやめろコウキ、なんでそこで出しゃ張る!ブランシェさん、ブランシェさんがいいの!」
ブランシェさんがタオルを受け取ろうとしたコウキを全力で阻止した、何が悲しくてコウキにタオルを変えられなくちゃならないんだ
「まぁご主人様…そんなに動いたら風邪が悪化してしまいますわ、安静にしていてくださいまし」
「はぁ…はぁ…くっ、分かったよ…けほっ、けほっ…」
「坊っちゃま、病人なのですからあまりいつもの調子で接してはダメですよぅ?大事なご友人なのでしたら、ちゃんと病気が治るまでは大人しくしていましょうねぇ?」
「はっ、そうだ…ジュッキーの風邪が悪化したら大変だからな!ここはメイドのブランシェさんに全てを任せたほうがいいだろう…」
コウキをノワールさんがうまく止めてくれた、とてもありがたい限りだ…流石はブランシェさんの同期だな
「ジュッキーが俺のために無理して風邪を悪化させたらいけないから俺らはもう帰るとしよう!あ、見舞いの品はブランシェさんに渡してあるからな?何か緊急の時は俺に連絡
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