部屋に完成した料理をねぇちゃんと運ぶと、みんなが集まる
「では、10年余り離れていた弟の帰還を祝して歓迎会としよう!」
姉さまが音頭を取ることで、歓迎会が始まる
「たっくん、お酌してぇ〜」
「はいな」
「たー坊、ワシにも酒じゃ!」
「はいはい、いま取ってくるで」
あぁ、やっと帰ってきたんだな…と感じながらせっせと追加の料理を運んだり姉たちの飲み物を注いだり
(あれ、これって俺の歓迎会やなかった…?)
「タク捕まえたー!」
「どぉわ!?」
後ろから心地よい羽毛に包まれた、これはねぇねぇだな
「ね、ねぇねぇ…」
「んー、タクのいい匂いー」
「さっき料理してた時の匂いやで」
もう早々に酔っ払ってるよ…
「いやー弟に注いでもらう酒は最高だね!もう一杯!」
「はいはい」
「たくまちゃん、お料理取っておきましたよ。さっきから動いてばかりで大変でしょう?」
シロ姉が皿に料理を取り分けてくれていた、優しさが身に染みるなぁ
「ありがとうシロ姉…でもほら、ねぇねぇが…」
「うーん、すりすり…」
「もう姉さん、たくまちゃんが困ってますから離れてください!」
「やーだ、タクはお姉ちゃんの物なのだー」
「…姉さん、ほらこっちにお酒あるよ」
「わーいお酒ー!」
ねぇちゃんのフォローによりねぇねぇが離れてくれた
「…大丈夫だった?」
「ありがとうねぇちゃん」
「さ、たくまちゃんはこっちでゆっくりご飯食べましょう?」
「あぁ、少し休もうかな」
向こうは向こうで盛り上がってるからな
「はぁい、一息つけてねぇ」
「お、ありがとなねーさん」
ねーさんが飲み物が入ったコップを渡してくれた
「って、これお酒やんけ…しかもねーさんの飲みかけやろ」
「まぁまぁ、ぐいっとね?」
「…いや、俺はええよ」
「いいじゃないの、硬いわよぉ?たっくんが硬くしていいのは「ココ」だけよ?」
そっとねーさんの指先がズボンの股間付近を撫でる
「なっ!姉さん!」
「…大胆」
「ちょ、酔いすぎやでねーさん」
「だってぇ、たっくんが飲んでくれないからぁ…」
「しゃあないの…この一杯だけやで?」
ぐいっとコップの中身を飲む、ジュースで割ってあるので飲みやすかった
「たくまちゃんダメですよ、お酒は健康に悪いです!」
「いいじゃないのぉ、付き合いにお酒は大切よ?」
「たくまちゃんはまだ未成年です!」
「…たくま、大丈夫?」
「まぁの、研究所での付き合いで飲むこともあったから多少は大丈夫なんよ」
あ、でも皆飲酒は20歳過ぎてから!約束だぞ!
「ほら二人も飲んで飲んでぇ」
「はぁ…わかりましたよ」
「…お酒は苦手なの」
「弟のたっくんが飲めてあなたが飲めなかったら示しがつかないわよぉ?お姉ちゃんなのに弟の前で好き嫌いするのぉ?」
「…っ!の、飲む…!」
あぁ…ねぇちゃんが丸め込まれて飲まされてるし
「シロ姉はお酒大丈夫なんか?」
「ウワバミって言うくらいですからね、お酒は強いですよー」
確かにユウ姉さんに付き合って結構飲んでても、少し頬が紅いだけだ
「おぉ、ここも盛り上がっとるようじゃの!」
「酒瓶でそのまま一気してる姉さまには負けるで」
「ふふ、褒めるのが上手い奴じゃな!よしよし撫でてやろう!」
褒めてないけど頭を撫でられる、相当酔ってるなぁ…
「あー、私も撫でるぅ♪」
「ずるいです!私も撫でます!」
長い身体の二人に巻きつかれてしまった、この姉妹はよく似てるなぁ
「えぇい…暑い」
さっき飲んだ酒と巻きつきと姉からもみくちゃにされて相当暑いのだ
「…みんな楽しそうだね、私も混ぜてぇ♪」
「ねぇちゃんまで…てゆーか真っ赤やで」
「…えへぇ、たくまは真っ青だねぇ♪」
顔が真っ赤なシルクねぇちゃんが入ってきた、お酒が入ると感情が豊かになるらしい
「おー!楽しそうだな皆ー!」
そしてねぇねぇが飛び込んできた
「うわっ、めっちゃ酔ってる」
「いやー、調子に乗り過ぎたかな!?あれれ、タクなんでそんないっぱい居るの!?」
「末期やん…ちょっと飲みすぎやで、ほらほら離れた離れた」
「やーだ♪」
「…えへへ♪」
ダメだ…話を聞いてくれない
「あらあらぁ、どうします姉さん?」
「とりあえず重病者は寝かせるかの、ワシらは片付けをするからシロナは布団の準備じゃ」
「はい、とってきますね」
「俺はどうすんのやこれ」
「ふむ…このままワシらも寝るとしようか、明日は朝から道場を開けねばならぬから早
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