私…リザードマンのリマが恋に落ちたのは、高校に入って間も無い頃だった
私は小さい頃から剣の腕を磨いてきた、今では大人のリザードマンと並ぶほどの腕で同世代には私に並ぶ実力者はいなかった
だから高校に入って誰かと剣を交えるなんて無い、などと思っていた
入学当初、私は高校の部活動に剣道部があると知り少し見ていくことにした、高校の剣道とはどの程度のレベルなのかを知りたかったからだ
私は大人のリザードマンと並ぶ強さを誇っている、たとえ上級生とあれど一二年違うだけでは私に敵うはずないだろう…私はそう思っていた
私の思惑通り、レベルはかなり低いと判断してよかった。
教えている教師がまだ少しマシなレベルなだけで、私には到底敵わない腑抜けどもばかりであった
そうして私が見かねて帰ろうとした時、「彼」が現れた
スラッとした高い身長、少しだけ癖っ毛の髪…そして爽やかな笑顔
私はその時、今までに無いくらいに胸がドキドキした…まともに息ができなくて顔がどんどん熱くなっていくのを感じた
見つけた、私の理想の旦那様候補…
「わ、私と手合わせしていただけないかっ!」
私は思わずそう叫んでしまっていた、なんて節操の無い…はしたない子だと思われてないだろうか?
「ははは、見たことない女子だから新入生かな?ってことは見学か、手合わせって俺とでいいのかい?」
彼は私に優しく微笑みかけて、そして試合を了承してくれた
「はいっ、貴方でなければならないのです!」
私は気を今までで一番引き締めて、近くにいた他の生徒から借りた竹刀を握り構える
周りが「防具は?」と言われたが、私にそんなものは必要ない…彼もつけていないしな
そして…
「はい、一本」
私は一瞬で負けた
何も出来ずに、私は頭に優しくペシッと入れられて負けていた
私が気を抜いていたわけではない、どこから来ても対応できるように気を張り巡らせていた…この状態の私は大人のリザードマンと互角に張り合えるというのに
それに比べ彼はどうだ、思い切り竹刀の一本を決められたであろう彼は私を気遣ってかあまりにも優しい攻撃ではないか
私は確信した、彼こそ私の旦那様に相応しい…いや彼以外あり得ない!
「ぁ…ぅ…」
「あ、ごめんよ…痛かったかい?防具着けてないから、あまり強く叩いたつもりはなかったんだけど…」
優しくペシッと叩かれたところを、彼が優しく撫でた…彼の手はなんて大きいのだろう
「い、いえ…その、貴方のお名前は…?」
「そういえば自己紹介してなかったな、俺は二年生の茅根(かやね)シンノスケだ」
「わ、私は…リザードマンのリマ、です…茅根先輩…」
そして程なくして、学校生活に慣れた頃…私は先輩に告白をした
「先輩、私の…旦那様になってはもらえないだろうか!」
「え、無理だけど」
私は撃沈した、悩みすらされないでキッパリと断られてしまった
何で断られたのだろう、客観的に見て私は悪い見た目ではないと思ったのだが…先輩はフリーだと聞いたし、それに私はここ最近で一番先輩と仲良くやっている女子のはずだ
まさか、このリザードマンの特徴的な手脚と尻尾がダメだというのか?確かに人間の中には魔物が苦手な者もいると聞いたが…
いや、先輩は今までそんな素振りは全く見せていなかったしこの前は私の手を取り剣の振り方を練習したじゃないか!
「な、何故だ!き、客観的に見て私は悪くない見た目のはずだと思うが…」
「いや、見た目とかじゃなくて…年齢がね」
しまった、彼は大人の女性が好きだったのか…私は残念ながらどちらかと言うと幼いの見た目だ
い、いや私だって後数年もすれば母上様の様に大人の女性になるのではないだろうか
「ま、待ってくれ!あ、後…数年待ってはもらえないだろうか!そうすれば母上様の様に大人の女性に…」
「いや、もっとダメだろ…」
「え?お、大人の女性が好みなのではないのか…?」
となると…もしかして年下?いやそれだったら私は大丈夫なはずだが…
「と、年下がいいなら私がいるじゃないか!な、何が不満なんだ!」
「もっと低くないとなぁ…あ、丁度あのくらいかな」
先輩が指差したのは偶然通りがかった学校帰りのランドセルを背負った幼子だった
先輩は、幼い子供が好みの…所謂ロリコンと言われる性癖の持ち主だったのだ
先輩がロリコンだったのはショックだ、しかしそんなことで諦める私ではない
どんな性癖であれ私は先輩のことが好きになったのだ、私は絶対に先輩を振り向かせてみせる!
「せ、先輩!先輩が小学生を好むのは分かった、しかしそれは世間では犯罪だ!先輩はもっと同じような
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