俺、富田ダイナは世間的に見ても恵まれた環境にいると思う
親は共働きであまり家にいないが、家族関係は良好で問題も何もない
そして親が家を空けている時は隣に住む美人なお姉さんが俺の面倒を昔から見ていてくれていた
そんな恵まれていると思う俺に一つだけ、大きな悩みがある
「ダイちゃ〜ん♪」
「…ティータ姉ちゃん」
「うふふ、今日もご両親いないんでしょう?お姉ちゃんお世話デリバリーサービスですよぉ♪」
お、お姉ちゃんお世話デリバリーサービス!?…まぁトドのつまりは親が仕事で一人の俺のために、隣に住むティータ姉ちゃんが来てくれたわけだ
ティータ姉ちゃんは、その薄いブロンドの長い髪と豊満な体付き…そして背中から生えている透けるような蝶みたいな羽から分かる通り、ティターニアという魔物だ
魔物は人間とはまた違った生き物で、ここ何十年の間に人間社会に溶け込むようになったのだとか
「いや、わざわざ来てくれなくても困ったら頼りに行くから…いちいち隣からうちに来るの迷惑にならない?」
「そんなこと今更ですよぉ、ダイちゃん?私はダイちゃんが赤ちゃんの頃から面倒を見てきてるのだから、そんなこと気にしなくていいのですよ♪」
「で、でも…」
「いいからいいから、弟はお姉ちゃんに甘えなさい!」
「わ、分かったよ…ありがとう姉ちゃん」
そう、何を隠そう俺の悩みは「お姉ちゃん離れ」が出来ていないことだ
俺自身いつまでも姉ちゃんに迷惑を掛けるわけにはいかないから何回もお姉ちゃん離れはしようかと思って行動するのだが…
「えへへぇ…そうですよ、お姉ちゃんですよぉ♪」
姉ちゃんのこの子供のような純粋な笑顔を見ていると、なんかもう甘えてしまうというか…
いやしかしだ、俺ももう高校生だ…いつまでもお姉ちゃんお姉ちゃんと甘えてるわけにはいかない
ティータ姉ちゃんの善意には申し訳ないけど、もうお姉ちゃんは卒業するんだ…!
「い、いや…その、ティータさん」
「あー!ダメですよダイちゃん、私のことはティータ姉ちゃんって呼ばないと!」
「いや、いつまでも甘えてたらティータさんに…」
「ふーん!」
あぁ、頬を膨らませてそっぽを向いて拗ねてしまった…頑なに姉ちゃんって呼ばせる気だ
「だから、その…ティータさん?」
「むーっ!」
「て、ティータ…姉ちゃん…」
「はぁい♪何ですかダイちゃん、お姉ちゃんに何でも言って下さいねっ♪」
そう、このように結局踏ん張りが利かずに俺は姉ちゃんと呼んでしまいお世話になってしまうのだ
「俺は、俺はいつになったらお姉ちゃん離れができると言うんだ…!」
「そんなことしなくていいんですよぉ、ダイちゃんは私に甘えてくれればいいんですから♪昔からそうだったじゃないですか♪」
昔から…確かに物心ついた頃から俺はティータ姉ちゃんのお世話になっていた
母さんも「ティータちゃんの方が母さんより長くダイナを抱いている」と言っていたし、今更離れることはできないのかもしれないが…
「ダイちゃん…最近よくお姉ちゃん離れと言っていますが何かあったんですか?私、ダイちゃんが離れて行っちゃったら寂しいですよぅ…」
「うっ…」
そんなしょんぼりされても…ただこの歳で隣に住むお姉さんにべったりなのは世間的にいかんと思っただけで…
「ダイちゃんは私の可愛い可愛い弟なんですよ?昔から私にべったり甘えてきてくれて…私だけの可愛い弟なのに、それなのに離れちゃうのは嫌ですよぅ…」
まずい、姉ちゃんの声に涙が混じってきた…姉ちゃんに迷惑を掛けたくないのに姉ちゃんを泣かすわけにはいかないぞ
「ご、ごめん…俺が悪かった、だからそんな顔しないで…姉ちゃん」
「じゃあもうお姉ちゃん離れとかしようとしたりしないですか?」
「わ、分かったよ…しないよ…」
「じゃあティータ姉ちゃん大好き、って言って下さい…」
「えぇっ!?」
なんでそんなことを…いや確かにティータ姉ちゃんのことは大好きだけどさぁ
「や、やっぱりお姉ちゃん離れしちゃうんですねぇ…」
「わぁい、俺ティータ姉ちゃん大好き」
「え、えへへぇ…そんなダイちゃん…まだ陽も高いのに大胆ですよぅ♪私もダイちゃんのこと大好きですよぉ♪」
あ、これアレだわ、ティータ姉ちゃんに嵌められたパターンだわ
「もう、嬉しいから抱きしめてあげちゃいますっ♪」
「わっ…」
ティータ姉ちゃんは妖精だという、妖精というと小さい小人みたいなものを思い浮かべるが…姉ちゃんは普通に大人みたいに大きく豊満な体付きだ
そしてティータ姉ちゃんの抱擁は、その豊満な身体を目一杯に使い俺を包み込み、極楽
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