別に、自分がいい人だとは思わない。
ただ、気づいてしまうんだ、人が困っていると。
なんとなく困っている人がいると気になってしまい
「何か手伝えますか?」と話しかけてしまう。
お節介といわれることは少ない。大体ありがとうといってもらえる。
嫌な気持ちにはならないが時々自分ばかりと思うときもある。
そして魔物も同じように助けてしまうのは魔物も嫌いじゃないからだろう。
別に俺はいい奴ではない。
人間は好きだ。
あまり人里には降りれないが降りたときは人間のために悪人は懲らしめる。
自分のやっていることが自己満足なのはわかっているが……
やめるつもりは無い。
なぜなら私は、人間が好きだから。というのは嘘ではないんだけど、
正確には昔助けてくれた人間への恩返し……なんだよね。
昔のことだから顔も覚えてないけど……なんせ10年前の話だし
3年前まで山にこもって人里に下りれなかったし……
「おばあちゃん、いつも言ってるだろ重たいもの運ぶときは誰か呼べって」
もう何十回目かの文句を言いながらいつもどおり俺はおばあちゃんから荷物の半ば無理やり持つ。
「おぉ……すまないねぇいつもいつも」
口ではこういってるが実のとこ最近は俺が来るのを待っている節がある。内心このばばぁがと思わなくも無いが口には出さない。
「まったく、息子さんとかいないのかよ…」
「息子かい?息子ならとある国で女王様の旦那になってるって何度も言ってるじゃないかい」
このばばぁが……嘘もそろそろ止めろと思うし反魔物領に女王はいないのだ。
おばあちゃんの頭がおかしいと思うしかない。
ここは端っこの反魔物領、別名魔物の口。
この村からちょっと行ったらすぐに親魔物領の魔界である。
なので教団の騎士様が村中にいる。だから魔物に侵略されない。
まぁ人がいなくなるのは頻繁だけど。
そして俺はしがない何でも屋である。
そりゃあ昔は勇者様とか言われてたがおめおめと逃げてきた軟弱者だ。
いまでは、人より剣がうまいのと人が困っていると黒いもやがかかるので分かるというくらいだ。
「ありがとう、本当にいつもいつもすまないね」
「そう思うなら次からは俺じゃない奴に頼んでくれ……」
このおばあさんはある意味俺の常連である。支払いは現物だが……
「そうだね……ふふっ次手伝ってもらったときにいい物をあげるよ」
「おいおい、次も手伝うの決定かよ……」
「その時になったらあんたがきっと必要なものさね」
そういうとばばぁは笑いながら「次も頼むよー」といって手を振ってきた。
俺は一つため息を付くと村はずれの家から村の自分の家に向けて歩き出した。
帰り道、妙に村が騒がしかった。なんでも村の中で人が魔物に襲われたらしい。
3年ほど前から時々そうゆうことがあったがついにボロを出したらしい。
まぁ襲われた奴が横暴していた騎士や村人を脅していた勇者だったんで被害者は悪人ばかりなのだが……
騎士様にとってはいい点数稼ぎなのだろう、村で暇していた騎士が躍起になって探している。
まぁ俺には関係ないので家に帰らせてもらおう。
俺の家は村の端っこにある。
あのおばあちゃんの家とは真逆なのだが村が狭いのでそこまで遠くは無い。
鍵を開け家に入ると……家の中がめちゃくちゃだった。
明かりをつけようとしたら、何者かに押し倒された。
「静かにしろ、大声を出すな……」
口を押さえられているので声が出せない顔を縦に振って意思表示をする。
「ぷはぁ……そんなに警戒しなくてもいい、教団に差し出したりしないから」
口が自由になったのでとりあいず相手の警戒を緩めようとする。嘘は言ってない表立ってはしてないが魔物だって助けているし。
そう言って相手を見ると倒れていた。よく見ると全身傷だらけで息をするのがやっとという感じだ。
ハーピー種の亜種なのだろうか羽は黒いのでブラックハーピーぽいがそれにしては着ている服の露出が少ない……っと観察してる場合じゃない手当てを……服は…ちょっとはだけさせるか…
ドンドン…ドンドン…
戸が叩かれる音で目が覚めた。
元々の疲れプラス手当て疲れでそのまま寝てしまっていたようだ。
眠い目をこすりながら戸を開けると、
「変な物音や影を見なかったか」と騎士様に聞かれた。
「すいません仕事疲れで寝ていたもので……」と頭を下げると、
いやこんなに夜分にすまなかった……と言って騎士様は去っていった。
部屋に戻るとベッドの上で彼女が「いいのか?」と問いかけてきた。
「別に俺は教団の人間でもないしな。」と答え、俺はソファで寝るからと言って部屋を出る。
明け方こっそりと外に出ればすぐに村から出れるからどうにかなるだろうと思い俺は再度眠りに落ちた。
トントン……
包丁がリズム良く音を立てている……
自分以外の誰かの存在に気づき飛び起きるが、
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