「んん〜?」
ふと、息苦しさで目を覚ます。
胸の当たりに重くのしかかるような重みがある。
そしてなんだか暑い。
金縛りかなんかか?
ふと、胸元に目をやってみる。
するとそこには、俺に抱きついて眠っているジュラがいた。
「んにゅ〜……おにいちゃ〜ん……」
一瞬思考停止する。
こいつ、ベッドで寝てなかったっけ?
そんなふうに固まっているうちに、ジュラが目を覚ましたようだ。
「ふみゅ〜?あ、おにいちゃん、おはよ〜」
ニコっと笑いかけてくる無邪気さになんでも許してあげたくなるが、
なんでこんなふうになったのかは問いたださなければならない。
「ジュラ、お前、ベッドで寝てたはずだろ?
どうしてこんな硬い床の上でで俺と一緒に寝てるんだ?」
「おトイレに起きたらベッドまで戻りたくなかったの〜」
「だからって、勝手に人を枕にするな」
「ふぁ〜あ、旦那ぁ〜、どうしたんだい?」
フェブが目を擦りながらこちらに目を向ける。
俺に抱きついているジュラを確認すると、目が覚めてきたのか、ふるふると震え始めた。
別に寒い冬ではないし、寒いはずないんだが?
「どうした?風でも引いたか?」
「こ、こ、こ、こ……」
鶏にでもなったんだろうか?
「コ?」
「この変態がぁああああああああ!!!」
「グホォ!!?」
なぜ俺が殴られなければならないのか?
そんな理不尽さを感じながら、俺の意識は闇に落ちていった。
そんなこともあり朝飯が始まったのはもう日が高いところに登ってからだった。
チンブル・オレーズで今日も料理を頼む。
さすがに懐の中身がさみしくなったきた。
……もうそろそろ自炊も始めたほうがよさそうだ。
と思いつつ、今日はみんなで大きなチーズドリアを取り分けて食べた。
「あぁ、美味い!!」
なんでこの店の料理はこんなにも美味しいんだろう?
「褒めてくださってありがとうございます〜」
奥からほんわかした感じのお姉さんがやってきた。
頭の小さめな角、チョンっと乗った牛の耳、白と黒のまだらな毛、そして巨大な胸。
見た目からしてホルスタウルスのようだ。
「こんにちは〜、わたし〜、ここの料理人をやっている〜
ホルスタウルスの〜、ミルキーって言います〜。」
見た目以上におっとりしているなぁ。
こんなに料理が美味しいのは、彼女のおかげか。
「僕はギルです。そこのギルドで冒険者をしています」
彼女はニコーっと笑って、
「まぁ〜!じゃあ新しく〜依頼でもしようかしら〜」
といった。
こんな話の最中でもゴブリン四姉妹は食べることをやめない。
まぁ、こっちも気にしてはないが……。
「では、どんな依頼ですか?」
「ハーブ取りの依頼よ〜」
なんでもこの料理には彼女自身の母乳と、
それに合ったハーブやスパイスが使われているらしい。
それは一年のうち、この時期にしか取れないそうなのだ。
しかも、もう備蓄も少ないとのこと。
ドブさらいなどよりは楽しそうだ。
「じゃあ〜、これが依頼書です〜」
依頼書:採取依頼
依頼人:ミルキー
報酬:300マイス+チンブル・オレーズの食事券(40食分)
今年もあのハーブの季節がやってきたの〜
いっぱい採ってきてね〜
質によってはサービスするよ〜
「……ミルキーがお前を指名した……
ハーブが取れる場所は西の森だ……
ギザギザした葉が目印だから間違えないだろう……
あと、最近、魔物が活発だそうだから気を付けて行け……」
「忠告ありがとうございます、マスター
フェブ、マーチ、メイ、ジュラ、行くぞ」
「えぇ〜?アタイたちも行くの〜?」
「今日の夕飯抜きでいいならこなくてもいいぞ」
「!?分かった、行くから!!夕飯抜きはやめて!!」
こいつら飯のことしか頭にないのか?
そんなこんなで西の森。
さぁ、たくさんのハーブをもって帰るぞ!!
少し行くと、ハーブの群生地があった。
爽やかな香りが、草の青臭さに混じって流れてくる。
「旦那ぁ、いっぱいあるよ!!」
「だんな様、全部とってもいいんですか?」
フェブとマーチはもうハーブを取りたそうにウズウズしている。
こいつら最初は来たがらなかったのに……
「いや、少し残しておいてくれ
ハーブを取るのは今年だけではないからね」
……こういうモノは根こそぎ取ると、生えてこなくなるって聞いたことがあるからな。
「うん、わかったおにいちゃん!!!」
そう言いながら、ジュラはブチブチと、ほぼ根こそぎとっていった。
「もう、ジュラは……
お兄ちゃんの言ったことわかってる?
こうやって葉っぱを一枚一枚取るんだよ」
そう言いながらメイがジュラに教えている。
意外と姉らしいこともするんだな。
……そんなこんなしながら、カゴいっぱいになるまでハーブを取った。
気がついたら、日も傾き、西の空が橙色に染まってい
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