「む……」
次の町へ向け歩を進めていると、周囲の空気に違和感を感じた。
別に、匂いがおかしいと言う訳ではないのであるが…魔物達から発せられる気に似た何かを感じるである…
「…特に害は無さそうであるが…大事を取って飲んでおくであるか…」
ポケットから、掌に収まる程度の瓶を取り出す。
蓋を取ると、独特の嫌な臭いが漂ってきた…
我輩は、目を瞑って瓶の中身を一気に飲み干す。
何とも形容しがたい苦味と、鼻に突き刺さる様な臭いが我輩の胃を蝕んでいく…
「うえぇ…これじゃあ、効果の割に合わないであるな…調合方法と材料を変えないといけないである…」
自分で飲んだ感想は…最悪の一言に尽きるである…
効果はしっかりとしてるので、味さえ変えられれば市販出来るようになると思うのである。
効果?魔力とやらの侵食を和らげる物である。
「さて……先へ進むであるか…む?」
歩き出そうとした時、遠くの方に馬車の様な物が見えたが何やら様子がおかしいである。
「あれは…魔物に襲われてるである!」
馬車へ向かって走り出すが、ある考えが頭に浮かび足を止める。
(見つからない様に近づけば、魔物化の過程の観察が出来るかもしれないである…)
しかし…その為にあの馬車の乗員達を犠牲にしていいものであろうか…
…とりあえず、近づくだけ近づいてみるであるか…
「これは……」
我輩が馬車の近くへ来たときには、既に手におえる状況ではなかった。
種族や大小様々な魔物達が、男女問わず襲い掛かり交わっていた。
…うむ、これで観察しても文句を言われそうに無いであるな。
「…この辺でいいであるかな…」
手頃な木の上に登り、魔物達の観察を始める。
馬車の周辺には、魔物が2匹と少年が1人と女性が1人いるであるな。
他の乗員はさらわれてしまった様であるな…仕方が無い、残ってる魔物の観察をするである。
「ほらほらぁ♪我慢せずに出しちゃえ〜♪」
「も、もうだめぇぇぇぇ!!」
「あはは♪一杯出しちゃったね…もっと頂戴?」
「ひっ!?い、嫌…もうやめてよ!」
小さな少年が、小さな魔物に跨られ、精を搾り取られているのである…
我輩と同じくらいの背丈であるか…ここで襲われなければ、彼にも別の未来もあったのであろうか…
視線を別の方へ移すと、今度は女性が魔物に襲われているのが見えた。
「やらぁ…そんなとこ…」
「うふふ…我慢しなくていいのよ?気持ちよくなることは悪いことじゃないの。」
「…ほんとう?」
「そうよ…だからほら…もっと自分に素直になって?」
「…私を…もっとエッチな子にしてください…」
「よく出来ました、それじゃあ…ご褒美をあげるわ…♪」
「ありがとうございます…あっ♪」
なるほど…基礎から教え込みつつ、心から魔物へと変えていくのであるか…
想像以上の収穫である…相応に犠牲も多かったであるが…
心を痛めつつ観察を続けていると、先程の女性に変化が訪れた。
「な…なにこれぇ…お尻がむずむずして…んんっ♪」
魔物に襲われていた女性の腰の辺りから、小さな羽根と尻尾が生えてきた。
それと同時に、体に薄い体毛が生え、頭からは小さいが角まで生えてきている。
彼女を魔物にした魔物と比べると、各部の大きさが小さく、いかにも生まれたてと言うような感じがする。
一方、少年の方にも変化が訪れていた。
「やだ…怖い…僕が僕じゃなくなるみたい…そんなのやだよ…」
「大丈夫だよ…君が魔物になっても、私がずっと一緒にいてあげるから♪」
「怖い…放さないで…ぎゅってしてて………あぁっ!」
インキュバス化…だったであるか…我輩は、聞いた事はあっても見たことは無いのである。
腰の辺りから翼と尻尾が生え、顔は女性の様な美しさに男の様な凛々しさを持ったものに変わっていく。
…ん?…何かがおかしいである…
「えっ!?こ、この子…」
「あら…アルプになっちゃったわね。」
アルプ…聞いたことが無いのである…
新種か何かであろうか…男でも女性型の魔物になるのであるか…
「僕…どうなっちゃったの?……あっ!僕のおちんちんが無い!」
自分の体の変化に、彼が一番驚いているようだ…
…まんざらでもない様に見えるのは気のせいであろうか…
「僕が女の子に…女の子になれるなんて…♪」
「君が女の子になっちゃったらエッチが出来なくなっちゃうよ………でも…これはこれでいいかも…♪」
「あっ♪びくっってなっちゃった…癖になりそう…♪」
ふむ…よくわからないが、突然変異かなにかで別の魔物になってしまったようである…
我輩もそこまで詳しくは無いので、もう少し観察をしないと謎は解けそうにないのである…
「男の人を食べちゃうってどんな感じなんだろう…早く試してみたい…♪」
「私…お腹が空いて来ちゃいまし
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