「ふあぁぁ…いい天気だなぁ…」
大きな欠伸をし、日当たりの良い所に横になる。
今日は、天気も良いし風も心地良い。
このまま、目を閉じたら眠ってしまいそうなくらいに………
「堂々とサボってんじゃねえよ。」
「痛っ!?」
頭に拳骨を食らい、眠気が覚める。
本当に、隊長は手が早い…
「もう少し加減してくださいよ…」
「加減して欲しかったらサボるな。」
もっともな意見を言われ、反論が出来ない。
「まあ、こんなに良い天気の日は昼寝をしたくなるのは仕方が無いがな。」
「そうですよねぇ…」
「なんだか眠くなってきたな…」
そう言って、大きな欠伸をする隊長。
それにつられ、僕も大きく欠伸をする。
「さて…眠気覚ましに見回り行くか。」
「行ってらっしゃいませ。」
「お前も行くんだよ、早く支度しろ。」
「えー…僕よりも、副隊長を誘えばいいじゃないですか。」
「あー……それなんだがな…」
そう聞いた途端、目を逸らすように明後日の方角を見つめ頭を掻く隊長。
…うん、なんとなく想像できた。
「ちょっと、腰を痛めたみたいでな……今は安静にしている。」
「隊長……」
「そんな目で私を見るな…あいつが私の胸を揉んだりしたからつい…って何を言わせるんだ!」
最初は頬が染まる程度だったが、自分が何を言っているのかを理解した瞬間、隊長の顔が林檎の様になった。
副隊長が、隊長に手を出す気持ちが何となく分かった気がする。
「さて、面白いものも見れましたしそろそろ行きましょうか。」
「くっ…後で覚えてろよ…」
「はくしゅん!……うぅ…風邪でしょうか…?」
「ほら動かないの!安静にして休んでいなさい!」
「あ…すみません…」
「でも…少しくらいなら抵抗してもいいのよ?」
「意味が分かりません…」
「だって、その方が興奮するじゃない?」
「………生きて帰れるか不安です…」
街の平和を守るべく、並んで見回りをしている僕と隊長。
………それはいいんだけどさ……
「隊長、すごく邪魔なんですけどこれ。」
「お前用に用意してやった装備を邪魔だとか言うんじゃない!」
「凄く動き辛いんですよこれ…それに重いですし…」
「あんな格好で、見回りなんてさせれるか!」
今、僕は非常に暑苦しく重い鎧を着ている。
中は、いつものの服なのだが、そのままで行こうとしたら隊長に怒られてしまった。
その上……
「何で、鉄仮面なんですか?前が凄く見辛いので外したいんですが…」
「それは私の趣味だ、隊長権限で外すのは許可しない。」
得意げな表情で僕を見つめてくる隊長。
…魔物の考えは、未だによく分からない…
「ん?向こうが騒がしいな。」
「何かあったのでしょうか?」
「だろうな、行くぞ!」
「はい!」
人集りを掻き分けて行く隊長。
その後に続き、人集りの中へと入っていく。
「あれほど、子供に手を出すのはやめてくれと言ったというのに貴方と言う人は!」
「あら?手を出したのではなくてちょっと遊んであげただけよ?」
「子供には刺激の強すぎる遊びではないですか!トラウマになったらどうするつもりなのだ!」
……まさか、この二人が原因だったとは……
「オリファーさん…ルイスさん…何やってるんですか…」
「こら!司令官殿とお呼びしろ!」
「む?アルトか、畏まった呼ばれ方には慣れてないのでそのままでも構わんよ。」
「あら?アルトじゃない、最近お店に来てくれないから寂しかったのよ?」
会話が噛み合わない…何時ものの事だけど。
とりあえず、何でこんなことになったか聞かないとね。
「お二人共、何でケンカをしていたんですか?」
「それなのだよ、ルイス殿が幼い少年を誑かし、路地裏に連れ込んで襲っていたのだ。」
「何度も言っているけど、私はあの子に楽しくて気持ちいい遊びを教えてあげていただけよ?」
なるほど、大体分かった。
兎も角、二人を落ち着かせようか。
「隊長、オリファーさんを止めて下さい。」
「え?止めなくても大丈夫だと思うが…」
「市民に迷惑を掛けたんですから、ちょっと位お灸を据えても罰は当たりませんよ。」
「しかし……」
「お灸という名目で、一発位叩いて見たりしてもいいんですよ?こんな機会滅多に無いですし。」
「………その話乗った!」
すこし考えていたようだけど、滅多に無い機会という事で意外とあっさりと乗ってくれた。
「司令官殿、お許し下さい!」
「ん?いったいなんそげぶっ!?」
綺麗に顔面に当たったなぁ…凄く痛そうだ…
さて、こっちも始めようか…もう勝負はついているけど。
「ルイスさん、お覚悟を…」
「あら?私とやるの?」
「痛くは無いので安心してください。」
「うふふ…調度いいわ、お姉さんと遊びましょう?」
ルイスさんが艶かしく微笑んだ瞬間、
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