13話:第二次遺跡探検後編

「…前回出番が少なかったから…今回は私たちから…」
「誰に向かって言ってるのよ。」
「…気にしないで…」

…お兄様達とはぐれて大分経つ…
…お兄様なら大丈夫だと思うけど…少し心配…

「ロイド達は大丈夫かしら…心配だわ…」

…ユリアも心配なのは同じらしい…

「…大丈夫…お兄様達がついてるから…」
「だから心配なのよ…些細なことでもめそうだし…特にロイドとあんたのお兄さんがね。」

…心配の内容がちょっと違ったみたい…
…お兄様は優しいから…そんなことにならないと思うけど…

「…お兄様は優しいから大丈夫…多分…」
「…あんたは何でそこまであいつを信用できるの?」

…あいつ?…多分お兄様のことだろう…
…特に信用する理由なんて無い…強いて挙げるとするなら…

「…ありのままの私を…受け入れてくれたから…」
「ありのまま…ねぇ…」
「…大きいお兄様とお姉様は…最初は他所の子を扱う様に接してきたけど…お兄様は違った…」
「………」
「…始めてあった時も…おとなしくしていてくれたし…いつも我が儘を聞いてくれてるし…優しく撫でてくれるし…」
「なるほどね…最初の方は何か違うような気がしないでもないけど…」
「…ユリアは…仲間のことを信用してないの?…」
「してるわよ、してなかったら心配なんてしないわ。」
「………」
「信用しているからこそ怖い…もし誰かが魔物になってしまったら…"仲間"としての信頼関係は壊れてしまう…魔物になることを避けられないなら、三人一緒に魔物になりたい…そうすれば"仲間"としての信頼関係は保たれたままになるから…」

…ユリアは…魔物になることで…仲間を拒絶し、仲間に拒絶されることが怖いらしい…
…魔物の私には人間の気持はよく分からない…だけど…一つだけ言える事はある…

「…本当に信頼しているなら…魔物になっても受け入れてくれると思う…」
「………」
「…見た目や性質が変わってもユリアであることは変わらない…その程度のことで壊れるような関係だったらここまで来れてないと思う…」
「…そうよね…」
「…だから怖がらなくて大丈夫…たとえそうなったとしても…私が受け入れてあげるから…」
「…ありがとう。」

…そう言うと…ユリアは私の頭を優しく撫でてくれた…
…家族以外に撫でられたことはない…ましてや敵として一戦交えた相手に撫でられるなんて想像もしてなかった…
…だけど…不思議と嫌な感じはしない…むしろ嬉しい…
…でも…

「…離れて…」
「え?」
「…これ以上は…我慢…出来ない…」

…私の中の…サキュバスとしての本能が疼く…
…目の前の女性を同属にしたい…仲間にしたい…そんな衝動が私の理性を削り取っていく…

「…私も魔物だから…あまり長くは抑えられない…」
「クリス…」
「…少ししたら収まるから…先に行ってて…」
「…いいよ。」
「…え?…」
「クリスになら…されてもいいよ…」
「…でも…」
「受け入れて…くれるんでしょう?」

…そう言って…可愛らしい笑顔を私に向ける…
…こんな顔をされたら…私は…

「…ユリア…ごめんね…」

…謝りながら…ゆっくりとユリアを押し倒す…

「…本当に…ごめんね…」

…謝りながら…ユリアの服を脱がしていく…

「…もう…我慢できない…」

…私は…理性を手放し…ユリアに深く口付けた…





「ここが…最奥か…」
「怪しげな装置がいっぱいあるね。」

様々なトラップを潜り抜け、ようやく遺跡の最奥らしき場所に辿り着いた僕達二人。
あれだけ厳重な罠が仕掛けてあったんだ…それほど凄い物があるに違いない…

「この窪み…この槍と同じ形だ…」
「はめてみればいいんじゃないか?何か起こるかも知れんぞ?」
「そうしてみようか…」

背負っている槍を窪みにはめる、予想通りに窪みにピッタリとはまった。
もう一方にも窪みがあるが…これにはまりそうなものは…鞭ぐらいだろうか?
試しにはめてみるけど、先端部分だけ幅が余りまくっている…

「うーん…どうしようこれ…」
「この前の丸っこいのはどうした?あれならはまると思うんだが。」
「あれか…非常に言いにくいんだけどね…」

そういいながらポーチから袋を取り出す。

「フォトンは竜姉妹にじゃれ付かれて殉職いたしました。」
「…どんなじゃれ方をしたら粉末になるんだよ。」
「左右から挟まれてパーンと…」
「………」

僕が昼寝をしている間、フォトンが姉妹の相手をしていたらしい。
僕が起きた頃には、フォトンは粉になっていた。
後に竜姉妹は語った…彼は勇敢だったと…

「ちょっと傷ついた位だと再生出来るみたいなんだけど…流石にこれはどうしようも無いらしい…」
「…と、とりあえずその粉を入れてみたらどうだ?」

ロイドの提案通りに、窪みにフォトンだった粉
[3]次へ
ページ移動[1 2 3 4 5]
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33