13話:第二次遺跡探検中編

前回、床の崩壊に巻き込まれて散り散りになってしまった6人…
今回は、最悪な組み合わせになった3組の行動を別々に見てみましょう。





「はぁ…まったくついてないわね…よりによってあんたと一緒になるなんて…」
「…」
「…何でもいいから何か一言くらい喋りなさいよ…」
「…」
「…」
「…」
「…お願いします、一言でいいので喋ってください。」
「…喋るのは苦手…」
「…そう…」





(…これがバフォメット…始めてみたぞ…)
「ん?ワシの顔をじっと見てどうしたのじゃ?」
「あ、すまない…バフォメットなんて始めて見たものだからつい…」
「ふむ、それなら仕方がないの…ところで…」
「ん?なんだ?」
「お主の名はなんと言うのかの?」
「サラ、サラ=ワルキュリアだ。」
「サラか、ワシはアイリス=フランベルジュじゃ、短い間じゃがよろしくの。」
「先に言っておくが、お前を完全に信用したわけではないからな。」
「むぅ…そうか…」





「…皆無事だろうか…」
「大丈夫だと思うよ、皆強いし。」
「そうじゃない、些細な事でもめたりしないかという意味でだ。」
「それも大丈夫だと思う、もめる余裕があるような状況ではないと思うから。」
「うーむ…心配な部分が多すぎる…」
「…苦労してるんだね。」
「アルトは気楽そうでいいな、普段から心配するようなことが無さそうだしな。」
「とんでもない、変なのに絡まれて死に掛けたり、寝起きで搾り取られたり、他にも…」
「もういい…それ以上言うな…」
















「ん?なんだこのボタンは。」

通路を進んでいると、赤いボタンと青いボタンを見つけた。
黄色と黒の線に囲まれている以外は、変わっている所は無いが…

「なあ…このボタン押したいのだが…」
「やめておいたほうがいいと思うがの…押すとしても青いボタンにしたほうがいいと思うぞ。」
「分かった。」

そう言って、私は青いボタンを押そうとしたが…

「ハッ…ハッ…ハックシュン!!!」

突然、鼻がムズムズして大きなクシャミをしてしまった。
その直後、ゴンッという鈍い音と激しい痛みが頭から伝わってきた。
頭を擦りながらボタンのあった壁を見ると、赤いボタンが引っ込んでいた。

「今、鈍い音がしたが大丈夫かの?」
「アイリス、謝らなければならないことが一つある。」
「…なんじゃ?」
「すまん、クシャミをした時に赤いボタンに頭をぶつけてしまった。」
「…大体予測はしてたが当たってしまったか…」

直後、遠くの方で重い物が動くような音が聞こえてきた。

「気をつけろ…何か来るぞ…」
「分かっておる、可能な限り対処してみるかの。」

何時、どこから、何が来るか分からない…
私とアイリスは、何が起こっても対処出来るように身構えた。





「ん?…今、何か音がしなかったか?」
「僕も聞こえたよ、結構近くだったね。」

一回目の音から間を置かず、何かが重い物が落ちた様な大きな音が響き渡った。
二度目の音がしてから少し経った後、何かが転がる様な音が聞こえてきた。
その音は、時間が経つにつれ次第に大きく近くなって来る…

「…アルト…」
「…ロイド…」

互いに見つめ合い、僕達は恐る恐る後ろを振り返ってみる。

僕達の目に映った物は、凄まじい勢いで転がってくる大きな岩だった。

「走れぇぇぇ!!!」
「言われなくても分かってるよ!!!」

その瞬間、僕達と岩の命賭けの鬼ごっこが始まった…





「…何も起きないな。」
「なんじゃ…つまらん。」

何も起こらなかったので、今度は青いボタンを押した。
すると、近くの壁が動いて隠されていた通路が姿を現した。

「やはりこっちのボタンが正解か。」
「とりあえず、隠し通路の方から調べるかの。」

こっちの通路には、いったい何があるのだろうか?
隠されている位なのだから、相当重要な物があるのには違いないだろうがそれと同時に大きな危険を伴う可能性も高いだろう…
…その方がスリルがあっていいな…考えただけでも期待で胸が一杯になってくる…♪
そんな私の姿を幼女が白い目で見てきている…

だ が そ れ が 堪 ら な い

「さあ、行こうか…フフフ♪」
「うむ…(こやつ…なんでこの状況で嬉しそうな笑みを…?)」





「うー…疲れたぁ…休みたい…」
「…」

まったく!何時まで続くのよこの殺風景な通路!
なんかジメジメしてるし変な臭いするし…帰ったら絶対にお風呂に入るわ!

「はぁ…なんでいつもいつもこんな目に遭うの…?」
「…運命?…」
「何で聖職者がこんな呪われているかのような過酷な運命を背負わなきゃいけないのよ!」
「…」
「…あんたには関係無いわよね…怒鳴ったりしてごめんなさい。」
「…気にして無い…」

何で私
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