「んふふ〜♪」
「弥生様嬉しそうですね。」
「ホルスタウロスのミルクがあっという間に売り切れたうえに、ミルク目当てで集まった客がついでに他の商品も買っていけばああもなるだろう。」
「あかん、嬉しすぎて笑いが止まらん…こんなに売れたの初めてやわぁ…」
ホルスタウロスのミルクは人気が高いと言う話は本当だったであるな。
その証拠が今の弥生である、満面の笑みを通り越してちょっと気持ち悪いくらいに笑っている…
ちなみに、弥生一人では大変そうだったので琴音と二人で手伝ったである、他の仲魔は宿にいるぞ。
「こんだけ金があればまた輝はんがむちゃしても何とかなりそうやな。」
「む…ぅ…」
「輝様ももう少しお酒を控えた方がいいと思うのですが…」
「それはそうなのだが…酒が飲めない生活なんて考えられないである…」
「誰も飲むなゆうてへんよ、もうちっと飲む量減らせばええだけやで?」
「出来る限り減らせるように努力するである…」
何時までも弥生に頼りっきりもなんだしな…
我輩とて男だ、仲魔を養える位の甲斐性を見せなければ…
…というのは建前で、本音としてはこれ以上弥生に弱みを握られたくないと言うのが…
「それじゃあやることやったし宿に帰ってゆっくり休もか、ミルクでも飲んでな。」
「そうするか…そう言えば、このミルクには豊胸効果があるという噂を…」
「輝様弥生様早く宿に戻ってミルクを飲みましょう!さぁ早く!」
「ちょちょちょ!?いきなりどうしたん!?」
「わ、分かったから引っ張らないでくれ!服が股間に食い込んで痛いである!」
と言うか、琴音はまだ胸の事を気にしていたのか…
…胸が小さいからこそ、抱きしめた時に密着出来て安心すると言うのに…
「んっ…んっ…んっ……ぷはぁ…ご馳走様でした。」
「おそまつさまでした〜♪」
「胸の事なんて気にしなくてもいいと思うけどねぇ…」
「大きいと肩が凝って仕方がないのじゃが…」
「少なくともうちは小さい方がよかったと思うわ。」
「持ってる人には持ってない人の気持ちは分からないですよ!と言うより、いらないと言うなら私にください!」
「渡せる物なら渡したい所じゃが…」
「こればかりはどうにもならんな。」
「オ・ノーレ!!!!!」
琴音が何時になく荒ぶっているな…凄く珍しいものが見れた気がするである…
っと、そんな事より何か実入りの良い依頼はないだろうか…
ふむ…畑仕事の手伝いがなかなか良さそうだな…おぉ、こっちの依頼は金以外の報酬もあるのか。
どっちも魅力的な以来だが…どうしたものか。
「あの…」
少し迷って畑仕事の依頼を受けようとした時、後ろから誰かに声をかけられた。
振り返って見ると、大人しそうな雰囲気の女性が紙を持って立っていた。
「もしかして…鉄輝さんですか?」
「そうであるが…何か用か?」
「その…貴方にぜひ受けていただきたい依頼があるのですが…」
我輩に受けて欲しい依頼?どんな依頼だろうか…
それにしても…彼女は何故我輩の名を知っていたのだろうか?名が知れ渡るような事は何もしてないと思うであるが…
まぁいい、わざわざもって来てくれた依頼を無視するのは紳士としていただけん、これを受けようか。
「どんな依頼だ?」
「森に現れた凶暴な魔物を撃退して欲しいのですが…受けていただけるでしょうか?」
「ふむ…わかった、引き受けよう。」
「ありがとうございます!前金をお渡ししますので、準備が終わったら北門の前に来てください。」
そう言って我輩に金の入った袋を渡すと、店を出て行ってしまった。
ふむ…前金だけでもなかなかの金額だな、これなら十分な準備をしてもお釣りが来そうだ。
「少し出かけてくるである。」
「気をつけて行ってらっしゃい、他の魔物に手を出しちゃダメよ?」
…釘を刺されてしまったし真面目にやるとするか…
買える物で必要な物は揃えたし、最後に刀の整備してもらうか…待ってる間に他にも必要な物を作っておくか。
「んっ?どうした坊主?お前さんみたいのがこんな所に来ても面白いもんなんて無いぞ。」
「武器の整備を頼みたくてな。」
「おっとお客さんだったか…すまねぇな、とても武器を振り回すような奴に見えなくてな。」
「偶に言われるから気にしてない…これだが、頼めるか?」
「ふむ……剣…っぽいけどなんか違うな…」
「刀である。」
「ほぉ…こいつが刀か…ちと時間が掛かるがいいかい?」
「頼む。」
「よっしゃ!いっちょやるか!」
さて…待ってる間にやることやっとくか。
鉄一族に代々受け継がれる流派を会得していると言えども、それだけでは限界があるである。
ましてや相手は魔物、人間の常識は通用しない相手だ。
道具の使用をケチって負けましたなんて話もよく聞く、先人の犠牲を無駄にしないためにも万
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