研究所ととらわれし者

「ああぁぁぁうぅぅぅっぅ〜〜〜。だべだばぁぁぁ。。」
「我慢しろ、もう少しで目的ポイントに到着する」
「ばながまがりぞう〜〜。」
「しっかりしろ。」
人間の俺でもかなりキツイ・・・・俺とアヴィは、セントラントに張り巡らされている下水道の中を進んでいた。セントラントの外周部から中心部への潜入するには、各ゲートに設けられている検問所を通らなければならない。しかし、違う世界から来た俺は怪しく見られるだろうし、ましてや人に変化しているアヴィでは、ばれる危険が有る為に通る事が出来ない。強引に突破してもイイのだが、今回は潜入後に探し物をした後に無事に出て行かなければならないからな・・・。

「だから残れって言っただろう。」
「だっでぇ〜、ヴァッズのごどがじんぱいなんだもん〜〜」



なぜ、こんな所を使って中心部へと進んでいるかと言うと、俺とミントとアヴィの三人で話し合ってた時に、一人の男がミントを訪ねてやって来た。

「あ!おにいちゃん、いらっしゃい♪」
「こんばんわ。マイハニーw」
「このおにいちゃんはわたし達の協力者で頼れる人なの♪」
そうミントは言っているが・・・(おにいちゃん)?
「いや、ミントちゃんにそう言って貰えると嬉しい限りですが、私はいち紳士に過ぎませんから」
・・・・(紳士??)どう言う意味だ?この世界特有の言い回しだろうか・・・
「なにやら、お困りのようですね。中心部に行くのであれば地下に下水道がありますよ。そこから中に入れますよ。」
「おぉ〜〜、さすがわたしのおにいちゃん♪」
「大丈夫なのか?」
警戒している俺がその『紳士?』に訪ねた。
「大丈夫ですよ。管理している私が言うのですから。」
そう男は言った。・・・・どうやらこの世界の特殊な感覚はあまり深く考えない方がいいようだ。



しかし、この臭い・・・ワー・ウルフ種であるアヴィにはかなりきついものがあると思うが・・・・
そろそろ目的ポイントの筈、俺は下水道の地図を確認しながらアヴィに声を掛けた。

「ここの上だ。」
「ばべりゅ??」
鼻声で何を言っているのか分からないくらいに酷い。
「ここで少し待っていろ。上の安全を確認してくる。」
「べりゅ。」
アヴィが頷くのを見て、俺は下水道の中から外の様子を確認するために梯子を昇って行った。

下水道の蓋を少し持ち上げてみると日が沈み掛けていた。周りを確認するとそこは人通りのすくない裏道の

目立たない場所で周りには人影が見当たらなかった。
ミントと紳士?の情報に寄れば、ここから北側にある建物が『鎮魂の腕輪』がある研究所になる。アヴィに合図を送り素早く裏路地へ出た。
周りを警戒しているとアヴィも中から出て来たが、
「危なかった〜〜あとちょっとでも下水道に居たら私はおかしくモガァ・・」
「シッ!」
俺はアヴィの口を押さえた。気持ちは分かるが安全だと分かるまでは不用意に言葉を出すのは危ない。
アヴィの耳元で小さな声で囁いた。
「まずは、安全が確認できる所で少し休もう。」


少し離れた場所に倉庫がある。中を確認すると埃が溜まっており長らく使われていない事を示していた。音を立てないように慎重に中に入ってみると、倉庫の中は以外に広く所々に木箱が置かれていた。

「ここなら安全だろう。」
そうアヴィに声を掛けながらアヴィを見ると
「ラッツ、不味い事になった。」
そう言いながらローブを脱ぐアヴィ
「なにを!・・・・あぁ、そのようだな。」

ローブを脱いだアヴィの方を見ると人への変化が解けており、アヴィの尻尾と犬耳、犬手がありありと見えた。

「アヴィ・・・。騙したな?」
「しッ失礼な!騙してない!!言わなかっただけだ。」
どうやら人への変化は、効果時間があるようだが・・・。
「なにも無ければ、人間の姿を保ってられたのだ。さっきラッツが私の口を押さえて、耳元で囁いたりするから・・・・ゴニョゴニュ。。」
「とにかく効果が切れた訳だな。」
「・・・そうなる。」
「今すぐもど「いやにゃかぁ!」
・・・・・俺が言い終わる前にアヴィが俺の言葉を遮った。しかも、思いっきり噛みながらだ。
「ふっふふ。」
俺は、その場の緊張感にも関わらず笑った。
「ワラウなぁ、痛かったんだぞ。」
「すまない。しかし、かなり危険な状況だぞ?」
「私だって馬鹿じゃない。この状況がかなり危険な事は分かっている。」
「そうか。ここで少し休もう。下水道の臭いでアヴィの自慢の鼻も使えなくなってるだろ?」
「・・・・確かにな。」

少しして、アヴィが口を開いた。
「なぁ、ラッツ。腕輪を手に入れたらどうするんだ?」
「・・・仲間を助ける方法を探しに行く。」
「でも、今の方が幸せかもしれないじゃないか。」
「そうかもな。」
「ならば、なぜ?」
「前にも言ったと思うが、無理やりは好き
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