セントラント潜入へ

俺の目的地である学術都市セントラントは中心部に教団専門の研究機関が密集しており、外周部に様々な学び舎が集まっている。中心部と外周部の治安は安定しているが、外周部の一部が無法地帯となっている。
無法地帯化の原因は、教団の裏の仕事を遂行するためのギルドなどがあり、非合法故に冒険者や傭兵は良心の欠片も無い者たちが集まっている。早い話が、油断できない所ってことだ。

まずは、現地に潜入している協力者と会う事になっている。指定された酒場で待っていると・・・

「おい。ねぇちゃん!! そんな所に居ないでこっちに来て楽しく飲もうぜ!!」

一人の男が、俺のすぐ後に入って来た女に声を掛けている。あんな声の掛け方では、よっぽど物好きのな女でないと相手にしてくれるとは思わないが・・・・

「・・・「おいおい! 無視とはつれないじゃないか!!」

多分、最初から女に無視をされることが前提だったんだろう。男は女の方へと近づきながら言った。

「そのフードを取って可愛いお顔を拝見させてくれよ!!」

そう言うと、男は女性のフードを取ろうとしたが、

『バチィン!!』「触るな下郎が!!!」

逆に出した手を思いっきり叩かれている。叩かれた勢いがかなり凄かったのだろう。その男はすぐには女に手を出さずに右手を押さえている。

っと同時に俺はその女の声に反応してしまって、「んんんんん!!!」妙な声を出してしまった。それを男に目をつけられてしまって、女の方に二の足を踏んだ分、俺の方に来てしまった。

「なにか!文句あるのか!!??」
男は兇悪な表情で俺に言った。正直、文句は無いのでお好きにどうぞって感じなのだが・・・しょうがない。

「すまない。どうやらその女性は俺の待ち人みたいだ。」
こういう時は何を言っても無駄だろうなっと思っていたが、やはりっと言った感じで男が反応した。

「ああぁ?? いきなり何を言ってやがる?? カッコつけてると後悔することになるぞ?? とりあえず、この折れた右手の落とし前はどう付けてくれるんだ??」

「やれやれ、か弱い女性に断られたくらいで折れる右手なんて持っているのか?」

「てめーーー!なんだと??!!」

分かりやすい挑発で逆上した男は、胸倉を掴もうしたが、出して来た右手を巻き込みながら肘の関節を取る。そのまま男に向かって言った。

「このまま行くと折れるぞ? それとも折た方がいいか??」
「ひぃぃ! わっわかった。だから離してくれ。」

「おい! お前らケンカなら外でやってくれ!!」ボウガンを構えたまま酒場のマスターがそう叫んだ。
しかたなく、男を解放して・・・・
「二人とも出て行け!!金はそこに置いてな!!」
案外、しっかりしたマスターのようだ。俺は苦笑ととも男を解放した。
「覚えとけよ!!」そう言い残して男は店から飛び出して言った。悪いなすぐに忘れる。
これでいいだろ?っとマスターを見るとまだ構えている・・・・了解。
俺は女の方に目を向けて出る合図をした。

店から出ると「軽率な行動は慎んだ方がいいぞ。誰かに目を着けられるかも分からないのだからな。」
そう女が切り出して来た。
「・・・・なにやってるんだアヴィ?」
「!!!! わ・わたしはアヴィな・なんて高尚な名前ではない!」
「・・・・しっぽ出てるぞ。」
「え?えっええ??うそ。どこどこ??ちゃんと見えないようにしたのに!!」
「もう一度、聞くアヴィ何やってるんだ。答えないと拘束して聞き出すぞ。」
「え?ええ?? 拘束・・・ちょっとイイかも♪。」
「・・・・・・・・・。」
「ちッ違うわよ!そう言う意味で取らないでよね!!貴方がうまく任務を遂行できるかどうか教育係の私としては心配だったのよ。」
「それで?後を着けて来た?」
「そうよ。だってラッツの臭いはすでに覚えてるから、後を着けるのも簡単だったし。」
さすがの俺でも狼の追跡までは分からなかった。
しかし、改めて見てみるとアヴィの形はどこから見ても人間そのものだった。いや、形と言うか雰囲気だが・・・・

話を聞くと、アヴィが魔術で自分自身を分けたと言っていた。よくは分からないが魔物としての魔力や力などを一時的に自分から切り離して人間と同じなようになっているらしい。見た目は、人化の法と言うやつらしいが、かなり便利なもののようだ。

「しかし、ラッツ。そこまで完全に変化しているのに良く分かったな。」
妙に嬉しそうに聞いてきたが、残念ながら声が全く変化していない。
「まぁな。」適当に返事をしているが
「やはり愛する人(魔物だけど)がどんなに変わろうとも解かるものなのね・・・・ブツブツ。わたしたちって結ばれる運命なんだわぁーーブツブツ。
っとひとり言を始めたので、しばらく無視しておこう。

っと、目の前を見ると一人の少女
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