○名前:ミルフ=バートン
○特徴:バルトワン特別部隊隊長。実はけっこう腕の立つ32歳独身。
amp;nbsp;しかし不幸の星に生まれたが如く、初任務に失敗したり、部下と色々あったり。
amp;nbsp;そしてこれからも苦労を重ねるであろう悲しい定めを負っている。
amp;nbsp;弄られキャラ。
暗い暗い森の中。がさごそがさごそ音がする。
夜の闇がお日様を隠して。見下ろすのは冷たい色の星と月。
星が瞬くのは悲しいから。今日命を落とす彼を彼女を思って瞬く。
月が輝くのは楽しいから。今日命を落とす彼を彼女を思って輝く。
さぁ気をつけよう。さぁ気をつけよう。
今日は三日月。怖い怖い三日月の晩。
楽しくて仕方が無い月が、堪えきれずに笑っている。
「あー、懐かしいな、その歌。」
「やっぱり知っているのか。」
「あったりまえだ。俺らが子供んときに流行ってた歌だろう?」
「いやもっと前からあったんじゃねぇのか?」
森を行軍するのは兵士達。
先頭の兵士が煌々と燃える松明を持ち、後を10人ほどがついて行く。
ロウで固めた硬革の装備と槍や剣で武装した姿は異様である。
獣のようで獣ではない。異様な姿。
一見すると鉄の鎧を買う金が無い貧乏兵士に見えるが、硬革は鉄よりも軽い。
この軽さという要素は長距離の行軍においてその真価を発揮する。
とある貴族の話だ。
彼は見栄えの良さから全身を板金鎧で固めた兵士を率いて意気揚々と戦場に向かった。
だが、彼の部隊は戦場に辿り着く前に全滅してしまったという。
そんなことが実際にあったかどうかは定かではないが、傭兵達の間では誰もが知る有名な逸話だ。
閑話休題。
兵士達は別に傭兵でも貴族でも無い。
どこにでも居るような若者達ばかりだ。
それもそのはず。彼らは領主の応募で集まった力有り余る若者なのだ。
僅か1月ばかりの訓練を積んだだけの素人集団。実戦経験は、ついこの間1つ増えたばかり。
その唯一の実戦経験は、一方的な敗北でしかなかった。
しかも半数は今もなお立ち上がる事も出来ない重傷を負っている。
倒れた仲間を気遣うでもなく、残った彼らは鼻歌交じりに任務に取り掛かっている。
気楽で暢気で深く物事を考えていない、どこにでもいる若者なのだ。
「俺の親父がよく言ってたぞ。「いいか、小僧ども。言う事を聞かんと、夜の森の放り出すぞ」ってな。」
「あーあー、俺も聞いた。夜の森にはこわーいお化けが出るんだってな。」
どっと笑い声が沸く。
彼らの話題は仲間の一人が歌った歌の事だ。
大人も子供も良く知っている、夜の森のお化けの歌。
迷い込んだら最後、誰も生きては帰れない。
歌の締めくくりはそんな風で、子供を脅すには都合のいい後味の悪さを残す。
「狼なんか怖くねぇ!」
「狐も猫もへっちゃらだ!」
「おれたちゃ誰だ!」
「俺たちだ!」
楽しく盛り上がった彼らは、同じ様に子供時代に楽しんだ唄を歌う。
やんちゃな男の子なら一度はした事があるだろう。
勇者ごっこだ。
「魔物なんてこわくねぇ!」
「魔王だってへっちゃらだ!」
「おれたちゃ誰だ!」
「俺たちだ!」
子供らしい単純な歌を歌いながら行軍して、魔物に見立てた木や置物をやっつけるのだ。
だから彼らは気づいていない。
夜は深く、闇は暗い。
何者かが潜んでいてもわからないほど、深くて暗い森の中。
楽しげな行進を観察する何者かが居る事にも、彼らは気づいていない。
夜の森は魔物の森。
今宵彼らは、夜の恐ろしさを知る事になった。
「どうしたんだネイル。全員集めて。」
気づけば昼、気づけば夜。何事もスローペースなおおなめくじのネイル。
俺たちに宿を提供してくれている彼女は、基本的に何もしない。
泊まりたければ泊まればいい。えっちしたければすればいい。
万事が万事そんな調子だ。
その彼女が急に全員を集めるように指示した。
家の外に根付いているアルラウネのルーネも会話に参加させるらしく、ルーネを中心に俺たちは集まっている。
「んー。団体さんが来るってー。」
「団体さんいらっしゃーい? いっぱいえっちー?」
「馬鹿ルーネは放っておいて。どうせ俺らの追っ手だろ。」
「そう考えて間違いはねぇだろうよ。」
予想していた事だ。いずれは追いつかれる。
俺もガイツも動揺していない。むしろやっと見つけたのか、というぐらいだ。
動揺しているのはマリンだ。
捕まった時の事でも思い出したのか、顔が青ざめている。
「追っ手が、来たのですか。」
「心配しなくて良い、マリンさん。今度もかるーくおっぱらってやる。」
ガイツが震えるマリンの肩を抱き寄せる。
いつものえろボケおっさんの顔じゃ
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