ぬめり気のある室内

○種族:おおなめくじ
○特徴:人間ほどの大きさにまで成長した巨大なナメクジ。
    その姿はおぞましく、通った跡には異臭を放つ粘液が残る。
    また軟体である為に打撃は通じず、特に無手の場合は逃げる方が得策である。










「おーい、おっさんー、マリンー。」
「あ、ああ、んんっ。」
「……。」
 川で洗濯物を頼んだら、濡れ場に突入ですか。
 いつもの事なので放置されている洗濯物を手に取ると、汚れを落とすべく水中で布を擦り合わせていく。


「ごめんなさい! その、久しぶりに沢山水があったから、つい。」
「気にしてないって。どうせいつもの事だし。」
 焼いた川魚で昼食を摂るのもオツなもんだ。
 マリンさんの歌は魚にも効果があるみたいで、歌に誘われて魚達(オス)が勝手に集まってくる。
 もっとも、魚を捕まえた後でガイツのおっさんに襲われたとか。
「いやーあっはっは。魚は美味いなー。」
 豪快に笑いながらも誤魔化しきれていないおっさんはさておいて。
 じと〜っていうか、じぃーっと期待の眼差しを向けてくるコリンをどうしよう。
「えっち、したいー。」
 いつもの様に隣に座っているコリンだが、いつもと違うのは甘え方がもう半端ないってこと。
 顔はもう赤く染まってるし、手はもう下の方に伸びてるし。
「俺達の事は気にするな。」
「え、ええ。その、私たちも、えぇと、しちゃってるし、ね?」
「むしろあんたら二人が散々やりまくってるせいでコリンの限界が来てるんじゃないか。」
 と言えたらいいんだけど、さすがにマリンさん相手には言い辛いよな。
「う、ご、ごめんなさい。その、わかってるつもりなんだけど。」
「くぉら小僧! マリンさんに悪いとは思わんのか!」
「あれ声に出てた? ……けどさ。一番悪いのはおっさんだろ?」
「ぐっ! そ、そそれは、あ、えーっとだ。」
「したいよ、ねー、したいよー。」
 頭痛が限界を超えたらぶっ倒れるんじゃないかって思う。
 だってさ、ほら。あの青い空を見つめて、明日もいい天気になったら良いな、あははって現実逃避しないとやってられないんだ。


 海沿いの村の一件から、俺たち4人は一緒に行動している。
 木よりも熊を切るのが大好きな樵のおっさん、ガイツ。
 茶色の探検者帽子の下には角が生えている、ゴブリンのコリン。
 今はロングスカートの下は人間の足に変化させている、マーメイドのマリンさん。
 そう。俺たち4人の内2人は人間じゃない。
 魔物なんだ。
 教会が人類の天敵だと標榜してやまない連中と俺は一緒に旅をしている。
 そして今現在はお尋ね者だ。

 あの村でマリンさんの危機を救ったのは良いけど後が大変だった。
 全員にとどめを刺そうとしたらマリンさんに泣いて止められた。アレが痛かった。
 兵士達はそのままにして村を出て来たは良いけど、顔は見られちゃったし。
 多分今頃は高価な紙とか使って似せ絵用意してあちこち触れ回られているんだろうなー。
 ちくしょう、金持ちめ。紙の無駄遣いするくらいなら金をくれよ!
 いやそうじゃないって。
 大事なのは人目を忍ぶように森を突き進んでいた事だ。
 マリンさんは魔術の心得があるらしく、魔術を唱えて魚の部分を人間の姿に変えている。
 お陰でレパトリーが多くて大変勉強にいや違うからソレは今はいい。
 人の姿になれるといっても、魚系の魔物だから水不足は困るってことで急遽川沿いルートに切り替えた。
 水不足になるのはあれだけやりまくって上から下から大洪水に出してりゃー当然だろう。
 でもぐったりしたままのマリンさんを放っておくわけにも行かないので川沿いを進む事にしたけど、飯の心配が無くなったのは不幸中の幸い。
 暫くは川沿いでほとぼりが冷めるのを待ってもいいくらいだ。

 ずっとお預け食らっている俺の相棒はもう限界みたいだけど。

「ねー、したいよー、したいよー。」
「言いながら押し倒すなよ、いや、その、泣くなよ。」
 最初にコリンとしてからは「外ではえっちしない」という約束をしていた。
 破ったら怒るぞ、とも。
 一度コリンが約束を破った時は怒った。
 その時以来、コリンはどんなにしたくなっても我慢するようになった。
 代わりに宿に着いたら疲れて寝るまでし続けるっていう約束なんだけど。
 今回は約束を破りたくないけど、我慢の限界みたい。
 無理も無い。だって、俺でもあの二人が所かまわずやりまくっているのを見たらヤリたくなる。
「なー、小僧。いいじゃないか。別に俺達の事は気にしないで。」
「ええ。その、見られるのが嫌なら、席を外すから。」
「一回でも例外を作ったら、これからも恒例になりそうなんで嫌なんですよ。」
「なー小僧。何でまたそこまで野外プレイが嫌なんだ。」
 言われてみれ
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