「んん〜、ふあぁ。今日もよく寝た」
大きく伸びをしてから手の甲の毛づくろいをする。
遠くの空と砂漠の境が白く、明るくなって来ている。
毛づくろいを済ませた手で目を擦り、また大あくびをする。
砂漠の夜は昼に比べてとても冷え込む。
吐く息は白く、肌が露出している部分はひやりと冷たい。
「マミーたちは今日も夜通しか。ホント、こっちの身にもなって欲しいもんだよ」
街のあちこちで動く気配がする。
マミーはアンデッド。死者の魔物。
「昼夜を問わずってのはいいけど。見張るほうの身にもなれっての」
魔力不足で女性に襲い掛かっているマミーを見つけると尻尾で屋根を叩く。
両手両足をそろえて跳躍の準備、そして屋根を蹴る。
夜明けの空。
始まりを告げる者がいる。
終わりを告げる物がいる。
守護者がいる。
「こぉらぁあああ! 私の安眠を返せぇえええ!」
砂漠猫が怒りを込めた声を上げながらマミーに飛び掛った。
「マミーって聞くとさ、あーうー言いながら歩いているってイメージ持っていない?」
全身に包帯を巻きつけた女性が腰に手を当て目を細める。
話の相手は旅の行商人。
もちろん若い男性だ。
「違うんですか?」
「違うわよ。そりゃ、私だってこうなる前はそう思っていたけどさ」
「では、彼女達はどうなんでしょう」
行商人が視線を向けた先には、ちょうどマミーが男性に襲い掛かっていた。
「あー、うー」
「ひぃいぃい! 許してくれ! 俺にはまだ、獣っ子萌えという壮大な夢が、あひぃぃぃ!」
「あー、うー」
男性を仰向けに押し倒して騎上位で腰を振っているマミー。
ぼぅとした顔に感情は浮かんでいない。
口から漏れる言葉も意味をなさず、音として響くだけ。
「……お腹が空いていたら頭が回らないでしょ? そういうもんよ」
「なるほど。そして私は何故押し倒されているんでしょう」
気づけば行商人は砂地に押し倒されてしまっている。
包帯が巻きつけられた掌でマミーが彼の頬を摩る。
「ふふ、どう? 気持ちいいでしょ。アラクネの糸を使った最高級の包帯だよ」
「はい。ところで、私は今日中にここを発たないと大変なのですよ」
「ここにずっと住めばいいじゃない。ほぉら、どう? どう?」
絹よりも滑らかな包帯が肌を滑る。
彼が来ている衣服の生地とは比べ物にならないほど柔らかく、巻きつけた包帯の厚みもあって女性の肌のようにさえ感じられる。
頬や鎖骨を撫でられながら服を脱がされる。
「いい匂いがするでしょ。アラクネの糸はあま〜い匂いがするんだよ。匂い、嗅いでみる?」
「いえ、遠慮します」
言いながらも行商人の目は蕩けてきている。
包帯の甘い匂いと路上で襲われているという背徳感が彼の思考を麻痺させていく。
しゅるしゅるとマミーが包帯を解いて、行商人の腕や首に包帯を絡める。
特に腕には熱心に包帯を巻きつけていく。
「どう? 私の体」
包帯を行商人に巻きつけるということは、マミーの包帯が減るという事。
ショートボブの髪も、円弧を描く頬の紋様も。
細い肩も、柔らかそうな二の腕も。
包帯を解けば解くほど肌は露出されていく。
柔らかそうな女性特有の体つき。
マミーがキスをする度に行商人は声を漏らす。
「声上げていいんだよ? 私もそのほうが興奮するし」
マミーの妖艶な笑みに行商人は唾を飲み込んだ。
マミーが誰かと絡んでいる光景はどこでも見かけることが出来る。
幼い少年のフェラをしているマミーも、自分と相手を包帯で巻きつけて座位で絡みつくマミーもいる。
頻繁に男性を襲っているマミーだが、男性の精以外のものも食べる。
魔界や他の魔物との交流が生まれてからはなおの事。
それでも男性に襲い掛かる、男性とえっちしたがるマミーは後を絶えない。
例えばこの少年とマミーの場合もその一つ。
羞恥心も程ほどに少年はマミーのフェラに感じ入っている。
「ふぁぁ、また出ちゃうよぉ!」
「んふ、ふぁひへひいよ(うん、出していいよ)」
硬くて小さいおちんちんを根元まで咥え込んで勢い良く吸い付く。
技術も何もない力任せのバキュームフェラだったんだけど、でもその子はちゃんと感じてくれて、すぐに温かい精液が口いっぱいに広がった。
管の中に残っている精液も吸い切ると、射精の脱力感に浸っている彼を抱き寄せる。
「買い物に行こうっか」
「うん」
手を差し出すと喜んで手を繋いでくる。
包帯のない掌で少年の柔らかさや温かさを感じ取る。
小さな彼のひたむきな思いまで伝わってくるようで、うれしくて、気恥ずかしくて、少しだけ力を込めて手を握り返す。
「こんにちは。今日もお熱いわね」
「今日も元気にやってたわね、こーのショタコン娘
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