昨日未明、事件が起きました。被害者は白花サバトの魔女、トリアロア様です。白花サバト本部内にある自室にしまっておいたお菓子の盗難被害が発生しました。トリアロア様はトリアロア様のお兄様と一緒に食べるつもりでお菓子を置いていたそうです。しかし昨日、サバト会議が終わった後に部屋へ戻ると、既にお菓子は無くなっていたのだそうです。
トリアロア様は「お兄様との約束が守れなかった。我は、それが悲しい」と涙ながらに語っておられました。しかし犯人を追及するでもなく、トリアロア様は今日一日をデートに使うことで埋め合わせをされると仰っていました。トリアロア様は本当に威厳と可愛らしさと愛情深さのある魔女だと私は尊敬の念が絶えません。
さて、トリアロア様が不問にしたお菓子問題ですが。実は白花サバト内で同様の事件が発生している事はご存じでしょうか。件数はこの1か月で6件と、決して少なくない頻度です。私たち取材班は、さらなる事件を未然に防ぐためにも、またトリアロア様にふざけたことをしやがった糞やろう(この部分は掲載前に修正します)を捕まえるためにも、調査を行いました。
その結果、ある共通点が見つかりました。
「えっとぉ。あま〜い、ふわふわ。ふわふわ、なくなっちゃったぁ」
「なんでしたかしら。ファミリアに作らせた、あの白いお菓子。甘くて柔らかいお菓子が、なくなってしまったのですわ」
「まー! まー!」
「モクもね。あのね。にーちゃとね、ためようとしたの。でもね、でもね。あまくてしろいおかし、なかったの。ちゃんとね、おかしいれにね、いれたんだよ。でもね、でもね。さまと、おわってからね、おかしいれをね、みたんだ。みたんだけどね、あのね。あまくてしろいかし、なかったの」
その共通点とは、すなわち同じお菓子。甘くて白く柔らかいお菓子。最近になって白花サバト内で流行った、あのお菓子です。
そう、マシュマロです。この1か月で無くなったお菓子は、全てマシュマロでした。マシュマロ。それは唇のように柔らかく、唇のように甘いお菓子。
ポッキーゲームの要領でマシュマロゲームをお兄様と遊んだ時は、とても胸が躍りました。甘いマシュマロを舐めようとすると、あら不思議。お兄様の口の中にマシュマロが入ってしまいました。困ったものです、マシュマロ。マシュマロを追って舌を伸ばすと、お兄様の舌に当たってしまいました。あら、これは遊びの延長でしょうか。私はお兄様とマシュマロを取り合い遊びました。何度遊んでも、私が勝ちました。勝った私には、当然ご褒美が必要ですよね、お兄様。ふふふ。今日は、ちょっとお兄様とお馬さんごっこをしたい気分です♪ お兄様の上に乗って、乗馬の練習をしましょう♪ 馬に乗る時はバランスを取りながら、上下の運動に耐えないといけないんですよ♪ お兄様、お馬さんごっこ、しましょう♪
というマシュマロゲームをお兄様と遊ぶのに必要な、あのマシュマロです。お兄様はお菓子作りが得意なので、マシュマロもお兄様の手作りなんですよ♪ あま〜い匂いがしたら、マシュマロゲームをした時のことを思い出して、つい、またおねだりしちゃう♪ あの、マシュマロです。
先に宣言しますが、私は犯人ではありません。私にとってマシュマロとは、お兄様の手作りマシュマロが至高なのです。ですから、盗むという選択肢はありません。では、犯人は誰なのか。
マシュマロが好きで、しかしご自身のお兄様やファミリアに作ってもらっていない、誰かです。さぁ、誰でしょうか。私は、犯人を知っています。ですが、一日、待ちましょう。自首し、反省と償いをするのであれば、私も調査結果を記事にすることはやめます。
では。今日のコラムはこれにて。
犯人の方。
1日の猶予を、有意義にお使いください。
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