また、レスカティエにやってきた。
今度はこーりゅーするのが目的なので、お泊りもある。
交流って何だろう。
ディリアに聞いたら、「喧嘩しないこと」だって。
ドラゴンから喧嘩を取ったら何が残るのかな。
ということで、いっぱい食べに来た。
「加減しないと、外出禁止にしますよ」
困った困った。
サーシャ。
こーりゅーしにきた。
「はい。ようこそお越しくださいました♪」
サーシャは王様のところにいた。
具体的には王様の上にいた。
「こんにちは。元気にしてた?」
こんにちは。
お腹空いた。
「あはは。みんなが困らない程度にようにしてくれたら、いくらでも食べていっていいよ」
うん。
ここのお菓子は美味しい。
お酒もおいしい。
「この国が魔界になってからは、美味しいものも増えたからね」
コックさんも来てる。
いっぱい勉強するって言ってた。
「まぁ。ドラゴンの国で食べられている料理も、きっとこの国に広まるでしょうね♪」
マカイモ万歳。
「何で、交わりながら仲良く会話してるんだ、こいつら」
「両方の王様が、そういう性格なのよ。サーシャは元からお人よしみたい」
「ディリア様はもう少し言葉を選んでもよろしいのではないですか?」
「悪いけど。この異様な熱の中で、言葉を選べるほど余裕はないわ」
「そうだよなぁ」
「お気持ちはわかりますが。お二方は平時と変わらぬように見えますよ?」
「ひとり身に『これ』は辛いって言ってんの」
「一応、これも謁見ですので。もう暫しご辛抱を」
なんだかディリアたちが大変そう?
「みたいだね。それじゃ、話を切り上げようか」
わかった。
サーシャも、また。
「はい♪」
お城の外はちょっと涼しい。
「いや、城の中が異様に熱かっただけだろ」
「むしろ濃密な魔力のせいで発情していただけでしょ」
「吸魔の首飾りが無ければ、平静を保つことも出来ませんよ」
お腹空いた。
「はいはい。また、あのお店に行きましょうか」
れっつごぉ。
「ひ、ひぃぃ! また、ああああのお客様方が来ましたぁ!」
「控えのメンバーに通達!」
「今回は事前情報が回ってるから、まだ余裕はある方ね〜」
「みんながんばろ〜」
なんだか店員さんが元気。
「警戒されてるわねぇ」
「俺ら、なんかしたっけ」
「もう店のブラックリストに載っているのでしょうか」
ぶらっくりすと?
「店に入れたら困る人のリストですよ」
困ってるのかな、お店の人。
「食べる量が多いからよ。程々に食べましょう」
「はらいっぱいくいたいんだけどなぁ」
がまんがまん。
ケーキとワイン。
パイに、ケーキに、ケーキに、クッキー。
「あと、これとこれとこれも」
「ワインの種類も豊富なのがうれしいわね。これとこれとこれをボトルで。大丈夫よ、みんなで分けるから纏めて注文してるだけだから」
「わっかりましたぁ!」
店員さん、大忙し。
「本当に程々にしてくださいね」
「つっても、たいちょーさんも何だかんだで一通り味見してるよな」
「……美味しいですから」
程々に食べた。
「次は何を食うんだ?」
「魔界豚専門店も幾つかあるみたいね。まだ行っていないお店にしましょうか」
「レスカティエは元々が宗教国家でしたが、魔界になってからは様々な娯楽が集まるようになっています」
そうなんだ。
「ですが、皆様の国の様に食事メインというわけではありませんから、数もそれほどありませんよ」
でも広い。
「歴史もある国ですから。中央部と周辺部にわかれていまして、周辺部には元々ろくに店がなかったこともあり、様々な娯楽施設が並ぶようになったそうです」
えっち専門のお店がいっぱい。
「ドラゴンにはちょっと、ねぇ」
「食いもん屋が少ねぇ」
「……あなた方ドラゴンの価値観には合わないようですね」
「ちょっと。私はこの二人ほど食い意地は張ってないわよ?」
でもお酒好き。
「いいじゃない。ここのお酒、上品でおいしいのよ」
そして、食べる量もあんまり変わんない。
「……いいじゃない。ここの料理、美味しいんだから」
「そーいや、ここの魔力って本当に濃いよなあ」
トロトロしてる。
「空が暗く、月が赤い。このような魔界を暗黒魔界と呼びます。暗黒魔界では、人間が歩けば魔物やインキュバスに変わるほど魔力が濃いのが特徴です。と言っても、魔界と言えば暗黒魔界がほとんどですが」
隊長さんは物知り。
「常識でしょ、こんなの」
「そうだったのか!?」
そーだったのかー。
「この二人はさておいて。本当に濃いわね」
色んな魔物の匂いが混ざってる。
あっちこっちでえっちしてるから、なんか色々出てる。
「どろどろねぇ。色々と」
「けっとばしていいか? あいつら」
「駄目です」
ん〜。
む〜。
「どうしたの? そんなに唸って」
すー、はー。
すうぅ、はぁぁ。
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録