暴れたり食べたり寝たりしたけど、気づいたら色んな物が増えていた。
食べ物が増えたり、人が増えたり、物が増えたり、巣が増えたり、たっくさん増えた。
床を寝そべっていたら、ひんやりする物が乗っかってきた。
なんだろ、これ。
「申し訳ありません。踏んでしまいました」
見上げると半透明のメイドさん。
なぜかびしょぬれ。
濡れているのに水の匂いがしない。
「私、ぬれおなごなのですよ」
首を傾げてから、思い出す。
ジパングお土産の一人に、そーゆーのがいた。
「今は、清掃係のまとめ役をさせていただいています」
清掃係には色々いるけど、スライムたちは床や壁や天井の汚れを落としている。
スライムが歩くだけで掃除が出来るって評判だけど、汚れを食べているのかな。
それならベルゼブブを呼んだ方がいいって思ったけど、ベルゼブブは人の汚れは好きだけど建物の汚れは好きじゃないのかもしれない。
凄く汚れているところはバブルスライムが掃除しているって聞いたけど、どうなんだろう。
「ジパングの魔物は家事全般に精通していますので、大変役立っていますよ」
隊長さん、こんにちは。
「最初は何事かと思いましたが。結果的に密かな問題になっていた城内の清掃も解決しましたね」
「他にもジパングから来た妖怪の人たちも活躍されているようなのですよ。私も、精一杯頑張りますね」
他にジパングから来たのは、ジパングハーピーと、ジパングオーガ赤と青?
「カラステングにアカオニとアオオニ、ですね」
カラステングは速いし、アカオニとアオオニは、んー。
「酒の強さはさすがですが。あなたの相手を出来るほどの戦闘力はなさそうでしたね」
「酒だ! 酒だ酒だ酒だぁ!」
「やめなって。酒臭い息だけで酔っちまいそうだよ」
酒盛り酒盛り、お酒飲むー。
「お、竜の嬢ちゃんも飲むかい? 最近作られたって言うこの酒、うめえよなぁ!」
アカオニが飲んでるのは、お酒用リュウマカイモで造ったお酒。
お酒もいっぱい飲みたいから作ったら、簡単にお酒が作れるマカイモが出来た。
元々リュウマカイモはお酒を作りやすかったみたいだけど、これはもっと作りやすいみたい。
一晩つけたら、おっきな樽一杯のお酒が出来上がり。
「酒か? 宴会かぁ?」
「お? 酒じゃねえか。いいじゃねえか」
オーガとかミノタウルスとか、色んな魔物がやってきた。
ラミア達もやってきて、とぐろを巻いて座り始めた。
お酒好きが集まるとわいわいがやがや、屋上が騒がしくなった。
空が見えるドラゴンたちの遊び場兼暴れてもちょっとは大丈夫な場所兼、皆でわいわい騒ぐ場所。
倉庫から独身ドラゴンたちがおっきな樽を沢山持ってきて、ついでに狩ってきた魔界豚の焼肉と揚げたリュウマカイモを食べながらお酒を飲んでる。
他にも色々と持ち込んで飲んで食べて暴れての大騒ぎ。
「お? 竜の嬢ちゃん。そりゃなんだ?」
ふかしたリュウマカイモにホルスバターのっけ。
「すっげぇ美味そうな匂いがするぜ」
おいしい。
マカイモとホルスバターは合いやすいって聞いたからやってみたら、美味しかった。
他の魔物たちも色んな食べ方をしてるみたい。
「なんだこりゃああ! 火を吹くぞこいつ!」
あ、リュウマカイモに焼かれてる。
リュウマカイモはここでも作ってるから、減ってきたら魔力で増やす。
お酒用のリュウマカイモも簡単に作れるから、食べながら育てて、育ったら焼いたりして、出来上がったら食べたり飲んだりする。
「もっとおいしーお酒を造りなさいよ〜」
ラミアがとぐろを巻いて絡んできたので、小さい樽のお酒を一気飲みさせた。
「あんたさ。今度は酒盛りしてるわけ?」
半分くらいが潰れて、追加の人がちょっとずつ増えてきた頃、ディリアがやってきた。
「あの馬鹿でかいイモの亜種で酒を作ったんですって? 私にも飲ませなさいよ!」
私の樽が取られた。
「はい、おまたせ。即席だけど、カクテル作ったよ」
お酒用リュウマカイモで造ったお酒の濃度を上げて、魔界の果物のジュースを混ぜたみたい。
みんな沢山飲むから基本的に樽でカクテルを作ってるみたいだけど、美味しい。
「あ、その樽もおいしそうね。貰ったわ」
いつの間にかスライムたちも混ざって飲んでいた。
スライムがお酒を飲んだらどうなるのかと思ったら、すっごい楽しそうに飲んでるというか、すっぽり楽しそうに樽の中に収まってる。
「おいひ〜の〜。はふ〜」
青いスライムが赤くなってるけど、あのスライムのスライムゼリーってお酒の味がするのかな?
「食べれば分かるでしょ」
食べてみよー。
「たべるの〜? ど〜ぞ〜」
はむはむ。
「味が変わってるわね。新発見。沢山食べれないけれど、これだけあれば十分ね」
もっと食べたいけど我慢する、もっと食べたいけど。
「クィーンスライム
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