今日は色々と実験の日。
魔力がどれだけ自由なのかを調べる実験。
でも魔法も使いたいなぁって言ったら。
後で魔法も実験もするって言ってた。
魔法を使えるようになったらもっと便利になると思うけど。
ドラゴンは魔法は得意じゃないから、難しいって言われた。
でも魔女になったら上手くいくかもって言われたんだけど。
ドラゴンがどうやって魔女になるんだろう。
「まずは魔灯花じゃ。やってみぃ」
魔力を貯めてー、えいっ。
地面に手を置いて魔力を込めると、あたり一面お花畑。
「目の当たりにするのは初めてじゃが、壮観じゃのぉ」
バフォメットや魔女たちがしゃがんで花を見ている。
「ドラゴンが咲かせた花じゃからかのぉ。緑がかっておるわ」
「私たちが咲かせれば、もっと別の花になるんでしょうか」
「やってみればわかるじゃろうが。魔王様の魔力に打ち勝つほど、自分の色が強くなければ上手くはいかんのじゃろうのぉ」
隊長さんも咲かせてみる?
「ご教授いただけるのでしたら試しますが。私は元来、剣しか知らぬ無作法者ですので、恐らくは咲かないでしょう」
隊長さんは魔力が高いみたいだから多分大丈夫。
「では、お教えいただけますか?」
魔力を貯めて。
「魔力を貯めて」
えいっ。
「えい! ……」
隊長さんのお花が咲かない。
隊長さんはお花のイメージが無いのかな。
「花、ですか」
そう、花。
ちっちゃな花が沢山咲くようにって、イメージする。
あとは魔物の魔力に全部お任せ。
「なんと言う力技。ですが、貴方だけの特権ではないですか?」
首をかしげる。
隊長さんが魔力で攻撃するのも、その一つだと思うけど。
「あれは技です。魔力の扱い方次第では、貴方も出来るようになります」
じゃあ特訓するから、一緒に頑張ろう。
「はい。わかりました」
魔力を貯めて。
「魔力を貯めて」
えいっ。
「えい……」
魔力が出ない。
「花が咲きません」
「なにをやっとるのか、二人とも」
バフォメットがやってきた。
「ナニナニ。魔力放出と魔灯花開花の練習じゃと?」
全然でない。
「そりゃお前さんは上手くいくはずも無いじゃろう」
首をかしげる。
「ただでさえ全力を出した事が無いというのに。全力で攻撃しようとすれば、被害の方が先に頭に浮かぶじゃろう?」
うなずく。
「隊長も隊長じゃ。自分には剣しか無いと思い込んでいるがゆえに、剣以外のことは出来ないと頭から否定しておる。それでは出来る物も出来んわ」
「そういうものでしょうか」
「ワシがやってみせるぞ」
バフォメットが空中から大きな鎌を取り出して、振る。
青白い何かが出てきた。
切れ味が良さそう。
「次は、こうじゃな」
バフォメットが大鎌の石突で地面を叩く。
叩いた場所をちゅうしんに、ぽつぽつと小さな花が咲き始めた。
私と隊長さんはじーっと見てるだけ。
「ほれ。この通りじゃ」
すごいすごい。
「卓越した魔力の冴え、見事です」
「そうじゃろう、そうじゃろう」
その後、バフォメットから色々話を聞きながら試したけど。
難しくってよくわかんなかった。
魔女たちはお花を咲かせるために頑張ってたけど、出来ない子もいたみたい。
他の魔物は試そうともしていないけど。
「難しいですね。普段使わない魔力の扱い方を習得するというのも」
だから勉強して特訓する。
「強くなるために、力の使い方を学ぶ。それは良い事だと思うのですが。少々意外でしたのが、戦闘に関係の無い魔力の扱いが得意だったと言う事ですね」
首をかしげる。
「花のこともそうですが。魔法薬の精製もするとは驚きました」
出来る事を色々増やしたら便利。
力技でどうにもならない時は薬を使ったらいい。
「普段からは想像も付かない思慮深さですね」
隊長さんも色々使えるようになりたいのかな。
「私は、剣に生きる者です。死してなお、魔物となってなお、それは変わりません」
旦那さんは?
「います。私がこの城にお仕えする日より、共に移ってまいりました」
一緒にいる所を見たことが無いけど、仲はいい?
「ええ。惚気になってしまいますがゆえ、話題に上げる事を出来るだけ控えていますが」
そうなんだ。
「はい」
どうやって一緒になったの?
「私がお仕えしていましたサキュバスの方と共に人間の城を襲撃した時、見つけました。彼は城の使用人で、魔物の襲撃に怯えていました」
でも、一緒になったんだ?
「はい。当時は剣だけに生きるために、私生活の雑用を押し付けるつもりでいました」
「劇的な変化はありませんでした。彼は献身的に私の世話をしてくれました。私は仕事の成果に対し労う事はありましたが、特別な感情は愚か、友好的な態度を持つつもりもありませんでした」
隊長さんは椅子に腰掛けると、少しだけ表情が優しくなった。
本人は気づい
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