「……むう……」
気持ちの良い朝(魔物にとって)とは正反対に呻き声の様なものがあがる。
「…どうしたの?パルメちゃん?」
ノーラが怪訝に尋ねる。
ノーラだけではなくパルメの主だった友人、知り合いもちろん家族までのほとんどがその場に集合していて同じく不思議そうだった。
先程までの場の空気と比べると、水を差されたような気分に思える。
そう、先程は大変な状況だった。
なにせパルメが好きな人と一夜を寝床にしたのだ。処女は奪われたが愛し合うものと交わる事は何もかもが頭に入らない程だという。そこでパルメがどんな風に乱れ、どんな甘い言葉を交わしたのか皆興味津々だったのだ。
「……私は美人よね…?」
ようやく話したパルメの言葉は暗かった。
「え?うんうん、美人よ」
「じゃあどうしてよ!!」
爆発したように声を荒げる。
「な…なに、どうしたの?」
「……とりあえず先に言うと…昨日は何もなかった。……できなかったの」
「……え?」
「そんな〜!私とお母さんとお姉ちゃん、それにお父さんまで加えてつれていったじゃな〜い!」
「ああ、連れて行ったまでは良かった。だが!昨日の夜は!」
前夜の回想
ふふ……。
私は浮かれていた。もうすぐ風呂に入ったラクルが来る。
その後は……フフ。考えただけで体が火照る。
待ちに待った初の……まあ処女は奪われてしまったが…、愛しい人との交わりなのだ。それは気合も入るだろう。
ガチャ
「来たか!」
溜まらず抱きつく。
「うわお!」
ラクルは面食らったようだ。かまわずベッドまで引きずり、押し倒す。
ドサッ!
「うわっ」
「……ラクル…」
すでに私の目は潤んでいる事だろう。ああ、早くシたい。
「ちょ、ちょっと待て!その……するのか?」
「?ああ、当然だろう」
「いや、待て。やめよう、それは」
何?
「何故だ!…まさか、他の女に心を奪われて…!」
殺気が少し漏れる。
「違う違う!お前が一番だ!この先変わる事はねえ!」
「そうか、なら……」
「けど、そんなことじゃねえんだ…」
「な、……なんなんだ…」
「…悪い…」
グイ、と体が押し上げられる。
ハッとしたときにはすでにラクルは窓から飛び出していた。
「…なんなの、一体…」
前夜の回想終了
う〜〜〜〜ん
辺りは疑問の唸り声が充満していた。
「アタックが弱かったんじゃない?」
ノーラ。
「何言ってるの!魔力も充分に発散させたし、いつもより露出の高い服を来たのよ!それが…」
「第一の理由は話し方じゃないか?」
と、カサナ。
「話し方?」
他の皆はああ、確かに、といった風に頷いている。
「お前は気付いてないかもしれないが、会ってから間もない人と知り合いとではガラリと話し方が変わるんだ」
「…嘘」
「ホントだ」
「そうね。そうだったわ。私にも最初は堅物のような話し方だったけど気付かないうちに女の子になってたわね」
「そうだったの……」
「じゃあ、もっと女の子らしさを出しちゃえばいいじゃない。彼、身構えてるのかもよ」
そうだそうだ、とさっそく身につけるアクセサリーや言葉遣いについて論議しあいそだったが、
「俺はそれだけじゃないと思うな」
お父さんが口を開いた。
「……他に何かあるの?」
「う〜ん、ラクル君もパルメを愛しているんだろう?だとしたら言葉遣いも理解したうえでのはずだ。その後話す機会があったんだからね。だから…俺はそれよりも彼自身の体質に関係していると思っている」
「……体質…」
だが、私はもうラクルの事を理解している。
「彼は体を変えることによって毒などを排出できる。だから魔力にも当てられなかった。でも、感情はある。だとすれば魔力に当たらなかったのは自分の意志だ。好きな女の子から言い寄られて身を引く程の意思。これが分からない限り解決はできないんじゃないかな」
…言われてみれば…。
「でも、そんな事どうすれば…」
「確かに、ラクル君は自分から話しそうに無いよね」
ここまでか…と止まりかけたところ、
「あら、じゃあ盗み聞きすればいいじゃない」
デルエラ様…!
「強力な魔物が集まって何をしてるのか気になって来たら、面白い話をしてるじゃないの」
「そ……それはその、あ、盗み聞きとは、どういう意味ですか?」
「簡単よ。ここにいる人の魔力を使って遠くの場景を見るの。出力は私がするわ。フフ。おもしろそう」
「でも……それは…」
「大丈夫よ。バレないから。まあでもバレたとしても……彼は許してくれるんじゃないかしら?」
それは、そうかもしれないが…。
「はい!決まりね。それじゃあ皆集めて集めて〜」
そうしてデルエラ様はどこからか水晶を取り出し、なにやら紋様を描き始めた。
「それじゃあこれから魔力を流して探すわね………」
時が流れていく。
「…いたわ、映すわよ」
そういうと水晶に景色が浮かび
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