自分の信念…って…?

二週間後
ザッ
「……」
「帰ってきたな」
「ええ」
長かった。地獄だった……。
山へ入っては修行。小川でも修行!平原でも修行!!
修行修行修行修行修行……
「おい、大丈夫か?」
「ハッ!」
思わずトリップしていた。
「自身を持て、お前はかなり強くなったぞ」
それは分かる。筋肉もそんなについていないようだが師匠の特別な訓練で筋肉の質を高めた。どうやら筋肉モリモリのおじさん程の筋肉レベルらしい。まあ今では激流に流れる丸太も受け止めれるのでそうなのだろうが。
だが……
「僕、技を一個も習ってませんよおおお!」
そう、技を習っていない。
あの不良リーダーが使ったような技が欲しい!
「……セスト」
師匠がいつになく真剣な顔で僕を見る。
「……技がなんで必要か、分かるか?」
「……なぜ必要か…」
「そうだ」
「……」
「答えは、基本が充分に出来ていないからだ」
「え?」
技とは、基本を学んでこそのものではないのだろうか。
「技は、先人が基本を極めに極めて作った物だ。つまり、本当の技っつーのは先人が歩んだ基本の道を歩いてこそ効果がある、っていうことなんだ。つまり楽に強くはなれないてこと。断言してやる。基本がちょっとで技が豊富な奴を基本を叩き込まれた奴には歯が立たない。お前にはこれまで拳で戦う術において、防御と攻撃の基本しか教えてこなかった。だが密度は違う。お前はもう何万回もパンチやキックを練習した。それでも極めている、ってわけではないがそれで充分なはずだ」
そうだったのか……。
「とりあえず、俺を信じろ。それと、……何よりも自分を信じろ」
「……信じますよ。師匠も、僕も!」
信じるとも。この人は凄い。たぶん御伽噺ででてくる勇者よりも強いかもしれない。
「よし。あいつの親父のことは俺に任せろ。それより、お前は倒す事だけに集中!いいな」
「はい!師匠!」
「よし!それと、なんでお前が武術を習ったか、見させてもらうぜ」
?最後の言葉が気になったが、とりあえず師匠を追う。

久しぶりの町では久しぶりの光景が続けられていた。
子供を不良が棒で殴りつけていた。
「ああ、セスト坊ちゃま!」
町民の一人のおばさんが駆け寄る。
「こ……こんな事を申し上げるのは駄目だと分かっています。でもどうか、どうかうちの息子を助けてください!」
「どうしたんですか?」
人から僕に話しかけてきたのは初めてだ。
「坊ちゃまがいない間、あいつらはどんどん過激になって……うちの子の友達は骨が折れました!今度は!私の!」
思わず声が大きくなったようだ。
「あ、あの子供!」
どうやら町の人達も僕に気付いたようだ。
「セスト様!一体どこにいっていたんですか!あんたがいなけりゃあ俺たちが…」
「馬鹿野郎!何言ってやがんだ!」
「お前ン所のガキもやられただろう!」
「それとこれとは……」
「どちらへいらしていたんですか?おかげであたしらは…」
「誰のおかげで飯が届けられると思ってんだ!」
「ボンボンめ!」
「おい!お前ら、いいかげんにしろ!」
あちらこちらで言い争う。
「……」
立つ瀬が無かった。……僕は…こんな状況でこの人達を…。
「嫌か?こんな馬鹿共のために戦ってやるのは?まあ中にはまともな奴もいるが」
師匠が心を読んだかのように問いかける。
「……」
「…どうする?」
「……決まっているじゃないですか…戦いますよ、あいつらと」
「……」
「だって、僕はそのためにここまで来たんですから!」
「……その通りだ」
「それに、町の人が、……可哀想だ…。だってあいつらがいるからこんなに変になってしまったんだ」
「…良くわかってるじゃねえか。その通りだ。いろんな所を旅してりゃあ腐った奴らが多い所を結構目にする。だがそこは人が腐ってんじゃねえ。元凶が腐ってんのさ」
「はい」
「よ〜し、そんじゃあ……」
師匠が息を吸い込む。

「やかましいいいいいいいいい!!!」
gt;

ビリビリと声が響く。
町の喧騒が止んだ。
人々が道を空ける。
その先には、リーダーがいた。
「……ボンボン…」
リーダーが立ち上がる。
「行って来い」
コクリと頷く。
歩を進める。
……対峙した。
「後悔しねえなあ、お坊ちゃま〜」
「……」
無言で構える。
「……死ぬなよお」
相手が、肘を固め肺を狙ってきた。
だが、狙う前にすでに僕が相手の頭を拳で打った。
バアン!
「……………」
相手は……くず折れた。
「…あれ?」
「ハッハッハッハッハ!言ったろ?所詮基本を極めきれてねえ技なんてそんなもんだ。まず遅い!ほんで当たっても本来の効果じゃない!」
「あ…アハハ」
こんなに強くなっているとは、……いや、
バッと構える。
まだ仲間がいる。
「な、なんだよこいつ」
「おい、おきろリーダー!」
どうやら浮き足立っているらしい。
「う、お
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