※この物語は、ある方の妄想を参考にさせていただき、書きました。
ある寒い夜、僕は会社から帰ってきて、大事にしている布団にバタンと倒れこむ。
実家から持ってきた布団、シーツ、枕。
親の話によるとかなりいい品だったらしく、実際、もう何年も使用を続けているし、洗って、干してを繰り返してるけど、全然傷まない。
男だけど、裁縫が出来るのでちょっとのほつれなら直せる。まあ、そんなことは滅多にないし、どんなに疲れていてもすごく癒される。
なんとも不思議な布団だった。
仮眠をして気が付けば、時刻はもう午後11時、お風呂もご飯も食べて、いつものように布団にくるまって寝ることにした。
「ふぁ……、まだこんな時期なのに今日は寒い」
僕は震えながら、布団全体を抱きしめるようにして寝る。
何時間くらい経っただろう。
どうも違和感がするので目が覚めてしまった。
???
抱きしめているはずなのに、布団に抱きしめられてる?
寝ぼけているのか、と思ったら体が動かない。まさか、金縛り!?
悪戦苦闘している間に、あきらかに体を何者かが触って、というか愛撫されている!
「あ、起きた?」
部屋は暗いのに僕の目の前には綺麗な女性の顔、というか白い?
「ちょ、あの、ええ!?」
「あのあの、驚かせちゃったらごめんなさい」
僕は混乱した。
感触はシーツ、でも、体を触られる感覚は人間みたいだし、というか話している間も、気持ちいい。
まるで女性に抱きしめられているみたい。
そんな経験はないんだけど……
「え、ごめん。全然ついていけないし、ちょ、あのできればやめて」
僕は逃れようと必死に体を動かしたけど、すべすべシーツが体に擦れる度に力が抜けてしまう。
「こうすれば暖かいかなーって」
尚もすりすりされる僕の体。というか服が脱がされている!?
「んー、だって直に肌でわたしを感じて欲しいから」
まるでこっちのことをわかっているかのように、女性(?)の形になったシーツが僕のあちこちを触って、あああ、ちょっとホントにこれ以上は!!
「がまんはだめだよ? うふふ」
すべすべでしかも胸まである。ぎゅっと抱きしめられて、とても良い香りがする……。苦しいはずなのにむしろそれすらも快感へと変わっていく。
干したての布団のおひさまの香り、それに暖かくて、というかもう快感で!!
「ごめん! で、でちゃうから!!」
「いいよ。ほら遠慮しないでわたしの胸に出してっ!!」
びゅる!
びゅるるるるるる!!!
その瞬間、キスされた。
目が暗闇に慣れてきたせいか、ちょっとピンク色に染まる綺麗な顔の女性が見えた。
射精が止まらない。夢かと思ったけど、どう考えても鮮明すぎる。更にシーツというか布が再び僕を包み込むように動き出した。
「いっぱいでたね。ふふ、どうどう、気持ちよかった?」
僕は射精が終わってぼんやりしてるだろう……。でも、彼女はにっこりしてて、……その、なんというか可愛い!!
思わずいつも通りに、ぎゅってしてしまった。
「え、ちょっと!」
すべすべのシーツが熱くなる不思議な感触。でも、僕は“彼女”を抱き締めてキスを続けた。やがて彼女からもぎゅってしてくれる。
あれ? 少し震えてる?
「怖くない? わたしのこと……」
「全然、最初は、その驚いたけど、……というか君はいったい」
服を着て布団の上で真っ白い女性と向かい合わせに座っている。綺麗な白い髪、というか全身が白い。
「えと、わたしもよくわからないけど、あなたのシーツよ? なんか気が付いたらこの姿になっていたの」
首を傾げるシーツさん、というか名前はなんなんだろう。
「名前はあるの?」
「ないけど、うーん」
というか胸が揺れる。いったいどうなっているんだろう。
裸ではないんだろうけど、乳首の形がハッキリわかるし、というかもうこの状況に慣れている僕がいる。
長年一緒だった布団、というかシーツ。
間違いなく彼女は僕の大事にしてきた物だ。抱き合ってぬくもりを感じているうちに、細かいことはどうでもよくなってしまった。
なにより、こんな綺麗な女性だし。妖怪でも、幽霊でも関係ない。
「細かいことはいっか! えっと、これからよろしく?」
「うん! こちらこそ、あのね。なんか君のせーし? ずっと君から何かを貰っていたんだけど、それが溜まって、やっと動けるようになったみたい」
やっぱりもののけの類なんだろうか。付喪神みたいな。
「あの、もっと貰っていい?」
え? という間もなく僕は再び彼女に包まれた。
すべすべで白くていい香りで、胸も柔らかくて
なにより……あったか
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