俺はトレジャーハンター!!
いつもあっちこっちに行ってはお宝を探す。そんで気に入ったのはコレクション、あと、金になりそうなもんは売っぱらって生活をしてる。
俺の行動範囲は反魔物領、親魔物領。
そんなのかんけーねえ!
宝があるという情報を酒場なんかで聞けばすぐに行く。
まあ、噂が出ている段階で、すでに盗掘されて空っぽというのはよくあるけどな。ま、それも含めて冒険は楽しい。魔物と遭遇したこともあるが、遠くジパングで極めた技や、食い逃げなんかで鍛えた逃げ足で、余裕だぜぇ!!!
ま、早い話がお尋ね者の冒険者っていうのが、俺だ!!
男は孤児だった。最初は反魔物領のある教会で育ったが、堅苦しい生活に嫌気が出て脱走。しばらくは町で食い逃げやひったくりを繰り返していたが、やがて、国外逃亡をはかった。
生きる為には何かを盗むしかない。教会に居た時は勝手に飯は出てきたが、そのかわり奉仕活動とかありがたい主神教の教えだとか、とにかく男の性格には合わなかった。
最初はまじめに働こうとした。しかし、孤児だったことや、子どもという理由でどこも雇ってくれる場所は無い。
何度も教会に戻ろうと考えたが、すでに盗みをしていたので、それもできない。
「戻ったらつかまる」国外逃亡をしたのも結局そんな理由だった。
そんな男だったが、悪運だけは強かった。
国を出てすぐ盗賊にあっさり捕まったが、たまたま通り掛かった冒険者に保護されて、それなりの生きてゆく術は教えてもらった。
だが、ある日突然その冒険者は姿を消した。
青年は必死になって旅を続けた。行きついた先はジパング。もちろん密航だ。そこでも男の悪運がうまく働いた。とある道場へ入門、必死になって修行をした。
だが、ある程度になって脱走。しかも、道場の金は盗んで金品を売り払うという、正に“恩を仇で返す”所業。
色んな意味でたくましく成長した男はいつの間にか『お尋ね者の冒険者もどき野郎』『トレジャーハンターという名の盗人以下の奴』『恩知らずな最低男』様々な名が付いていた。
かつての教会時代の孤児の少年の面影はない。当然何度も捕まっては脱獄の繰り返し。そんなことを繰り返していればたくましくもなる。
かつての盗人はそれなりの冒険者として自由に、楽しく、ただ盗みはするが、魔物や人は傷つけない。という信念でその日も
ワイルドだろぉ?
という謎の自信で道なき道を突き進んだ。実際、身長は2メートル近い、筋肉ムキムキ、町を歩けば顔も傷だらけなので子どもも泣きだす。そんなどうしようもない男。それが彼だった。
さて、今日はかなり奥にきちまった。
てか迷ったなこりゃ。よくあることなので食料も十分、魔物にだけ警戒してりゃ問題ない。あと野生の動物だが、魔物ほど怖くない。ジパングで教えて貰った火薬って奴で追っ払える。
さて、まわりに罠も仕掛けたし寝るか!
ガサゴソ、ニヒッエモノハッケン!
よく寝た。
さて、一度高い所に上って現在地を確認しねーとなぁ、さすがに食料も無限じゃねえ、怪しい木の実を食って腹を壊したことがあるし。ち、もうちょい修行って奴をまじめにやってりゃよかったぜ!
地図を広げて見てみる。まあ、手描きなんであちこちテキトーだけどな。
どれどれ
「どれどれー」
「ん?」
「こんにちは、おにーちゃん」
「ななななな、おま、いつの間に」
俺の目の前には、女の子、っていうか魔物だ。全然気配がなかったぞ。
「ねえねえ。おにーちゃんもまいご?」
「ま、まあな」
魔物っていっても俺は知ってる。奴らは人を傷つけない、冒険者ならみんな知ってる。
しかも、子どもだ。つかこいつ俺の顔見ても泣かねえ、魔物だしそんなもんか。
それにしてもすげー格好だな。はじめて見る魔物だ。
紫色の変な髪型で、瞳がキラキラしてやがる。手足が獣みてーでデッカイ、んでそれも紫色。あと変な尻尾、というか格好がすげー、裸かと思ったら肌にピッタリとくっついた、まあ、見たことの無い形の服だ。魔物って常識では考えられない格好してるのばっかだからそんなもんか。
「おにーちゃんのえっち、じろじろ見すぎ、にひひ」
「わりぃ、わりぃ」
どーも、色々見ちまうんだよなー、お宝の鑑定的なもんで、町ですげー美女を見かけてじっと見てたら危なく捕まりそうだったこともある。まあ、逃げたがな!!
あのねーちゃんの顔も胸も尻も良かったな。すげーでかかった!!
「ねえねえ、なに、にやにやしてるの?」
「なんでもねーよ、お子さまには早い話だ」
「ぶー、なにそれ!」
ぽかぽかと俺を叩いてくるガキ。まあ、痛くないし、コイツも本気じゃねえだろ。
さてと、遊んでないで地図の続きをみ
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