妄想幻想実現物語

 さて、今日も○学校へ行って登下校の子ども達の愛らしい姿を観察しに行くか。

 よし! 自称自宅警備員から、登下校時の子どもを陰からそっと気づかれないように見守る。自称子どもガーディアン部! 略してCGB!! に変身だ!!!


 ひどいネーミングセンス。


 男はどうしようもないロリコンだった。
 ニートで顔は平均以下の以下、細い体で今にも折れそう。コンビニのバイトをしたら、大学生のバイトの娘に『キモッw』とか言われてその日のうちに辞めた。

 確かにキモいのは否定しない。

 だれだって好き好んでこんな顔と体になった訳じゃない。
 生まれてこの方、この顔といくら飯を食っても、運動しても太らないという変な体質のせいで……。


 
 昔、告白した時を思い出す。
「僕と付き合ってください」

 同級生でよく話をしてて、てっきり仲良くなっているものだとばかり思っていた娘。こんな僕でも気軽に話しかけてくれた。
 勇気を出して屋上に呼び出して、一世一代の告白だった。

「は? なに言ってんの、自分の顔見てから言いなよ。それに何か勘違いしてない? あんたはただの同級生、わたしにとってそれだけだし。
 てかさ、もう二度と話掛けないで、ちょーキモいし、あー、最悪だわ」
 去っていく彼女。
 僕は、彼女に言われるままで何も言い返すことは出来なかった。

 ショックだった。
 すべて僕の一方的な勘違いだった。彼女は誰とでも気軽に話をしていたし、僕は、そんなたくさんの中のひとり、彼女にそう言われて初めて気がついた。
 
 それから、自信がなくなった。とくにいじめを受けていたわけではない。でも、女性に対して苦手意識が生まれたのは、この時のことも原因だと思う。
 当時、陸上で走り幅跳びをしていたが、それも辞めてしまった。退部届けを出しに行った時の教師の言葉。

「あっそ、ご苦労さん」

 僕の顔も見ないであっさりとしたものだった。確かに成績は悪かったし……。みんなの足を引っ張っていたかもしれない。

 下へと転がり始めると早いもので、気がつけばクラスでは孤立していった。
 一応、卒業はしたけど。


 よくある話、と言えばそうだ。
 最初は少しまともだったかもしれない男はやがて、2次元の世界へと逃げた。

 彼女達は裏切らない。

 
 だが、やはり現実の人間も好きなので、なぜかロリコン堕ち、まあ、世の中、アニメやゲームばかりやっていたとしても、この男のように堕ちるのはごくごく稀だ。

 そんなことでいちいちロリコンが生産されていたら、世の中大変だろう。
 誤解が無いように言っておく。


 これはレアなケースであると。




 男の中ではやがて、告白の失敗のこともあり。
 〇〇以上は大人=純粋じゃない
 〇〇以下は子ども=純粋で清い存在、という理解不能の方程式が組みあがっていた。
 それだけ告白時やバイトの件等のことがショックだったのである。いつまでも過去を引きずる、というか自分勝手で自己中心的な男。

 そして、ロリコン道へとつながるアホな方程式。


 そして、男は誓いを立てる。


 童貞は捨てるものじゃない、守るものだ!
 
 少女は好きだが、眺めるだけ、あの子達の幸せを願うのが真のロリコンである!!

 どんな誓いを立てようと、そんなのは世間一般では認められない。
 実際、少女に話しかけるなんてことはしないし、遠くからそっと見守るだけ、それだけで十分なのだ。

 
   
「あの」
 過去の苦い経験を思い出しつつも、真剣に少女達を見守っていた男は気がつかなかった。自分の背後にいる少女に。


「あの!!」
「あわわ、ごめんなさいごめんなさい!!」
 男は相手を確認もせずに謝った。
 やがて視線を合わせていく。

 え? 女の子?

「やっと気がつきましたね。何をやっているのですか? お兄ちゃん」
 
 金色のロングストレート、額には一本の角、緑色の瞳。胸は、カップ数などわからない。黒いセーラー服に白いリボン。とても可愛らしい少女。

 それよりも目立つのは少女の下半身だった。
 え、白い馬?

 額の角と合わせてみる。
 神話とかゲームとかで見る、ユニコーン、正にそれだった。

「わ!!」
「そんなにびっくりされると、傷つきます」
 およそ人間離れした美少女の顔がしゅんとなる。
「ご、ごめん、他人と、その、はなしするのが、ひさしぶりで」
 家族以外の人(?)と話をするなんて久しぶりだ。うまく声が出ない。
「落ち着いて、えっと深呼吸です」
「すーはーすーはー」
 少女に言われて男はゆっくり呼吸をする。

「落ち着きましたか?」
「は、はい」
 白い肌が黒いセーラー服にとても似合っている。それに下半身を覆う装飾。
 白い馬の足が見えるも
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