幼女ビーチへようこそ

 夏だ!!!


 夏と言えば女性の肌の露出が増える!!

 運が良ければ胸チラとかもあるかもしれない。

 そんな邪な思いを抱いた俺は珍しくもなくなった魔物娘が多く利用するというビーチへと遊びに行った。
 あ、めんどいので細かい説明は省くけど、この国は突如あらわれたリリム様によって正式に魔物娘達の世界と国交が成立。町で見かける魔物娘も多くなってきました。
 やったね!!

 童貞をこじらせて、婚期を逃していた俺にも、もしかしたらチャンスじゃね? と思っていたけど、そんなうまい話はない訳で、………はい、未だに独身です。出会いなんて無いよ!!
 会社にも魔物娘は居るけどみんな結婚してる。
 というか、やっと休日取れたからこうして100キロも離れたビーチに来たけど、これじゃ、家でゴロゴロネトゲーやってれば良かった。
 まあ、そんなのだから出会いがないというか、自分からフラグをへし折ってるのかもしれない。

 あと、女性と手を繋いだことすらありません。あー、ちっちゃい頃ならあったかもしれないけど、それはノーカンだと思う。


 てか

 絶望した!!!

 てっきり、ただでさえ露出が多い魔物娘のおねーさん達の、あんな姿やこんな姿が見られると思っていたのに。

 いや、肌色というか青肌というか鱗とか、まあ、魔物なので肌の色はいいんすよ。

 何が違うかって?















幼女しかいない




 というか駐車場にスクールバスがある段階で俺は気が付くべきだった。しかも、ご丁寧に『サバトご一行様〜夏のキャンプ合宿〜』って書いてあるじゃん。

 帰ろう。場所を間違えた。


「あのー、おにーさん一人?」
「ん?」
 ちっこい少女が話しかけてきた。
 濃い青色のツインテール、薄い紫色っぽい水着? 瞳も紫、服装もピンクと紫の組み合わせ。
 あちこちにハートのマークが入った装飾。なんか日曜の朝にやっているアニメから飛び出したような幼女がもじもじしながら俺の前に現れた。
 バッフォンで検索すると『ファミリア』という名前が一致した。ふむふむ、サバトの子か。なるほど。

「俺もう帰るんでじゃあね」
 ぎゅ!
「遊んで
#9829;」
 ファミリアが俺の手をつかんでた。
「え、あっちでみんなと遊べばいいんじゃね?」
 ビーチでは幼女とその旦那だろう、みんなが楽しくスイカ割りとかビーチボールとか、まあ、遊んでいるのが見える。

「わたしともだちいない」
「そっか、それは残念だったね。じゃ、俺はこれ ぐえっ」
 と思ったら抱き着いてくる。どうしても俺をここに引き留めたいらしい。
「わたし、エリルっていうの、おにーさん、遊んで遊んで遊んで、遊んで遊んで遊んで遊んで遊んで遊んで遊んで遊んで遊んで遊んで」
「えーと、俺、大事なお仕事があるからごめんね」
「さて、問題です。エリルは何回遊んでっていったでしょうか?」
「13回」
「ぶぶー、最後にもっかい言ったから14回が正解」
「そうか、良かったな」
「あそんでーーーー
#9829;」


「HA☆NA☆SE☆」
「I☆YA☆DA☆」



 というか、デパートでニン〇ンドースイッチを買ってもらえなくてダダをこねてる子どもみたいだ。いや、子どもだけど。

「どうしても離さないつもりか」
「うん
#9829;」
 く、こうしている間にも俺の貴重な休日が無くなっていく。というか移動時間が長かったからもうそろそろお昼ごh


ぐーーーーー


「おなかすいた
#9829;」
「俺も」
 もう、メンドクサイのでエリルと名のった少女と一緒にサバトのガキたちが旦那(ロリコン共)ときゃっきゃうふふしてる方へと足を向ける。
「にしし、遊んでくれるんだ。やったね
#9829;」
「違う、腹が減ったから、海の家くらいあるだろう」
 隣をみるとすでに俺の腕に抱き着くようにエリルがいるし。
 ああ、ここがサバト組の占領してるビーチで良かった。こんな姿を会社の同僚なんかに見られた日には
「あれ? 課長じゃないっすか!!」

「いたーーーーーー、てかおまっ、サバト、え!?」


「あれ、俺の嫁はこの子ですよ」
「はじめまして、妻のアリスです
#9829;」
「これはご丁寧にどうも、課長っす」
 ぺこぺこと頭を下げる俺、てか同じ課の奴が居るとは、しかもあれって確かアリスという魔物娘。名前のまんまじゃん!

「おや、課長の隣にいる子は」
「この人がさっきナンパしたの
#9829;」
 ちょ、なんだこれ、みんなにやにやしてる。
 まてまてまて。

「違う違う。俺がナンパしたんじゃなくて、このエリルちゃんに声を掛けられて、まあ飯でも食おうかと」
「課長」
「なんだね」

「それを世間一般ではナンパっていうんですよ。おめでとうございます
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