サラさんのお仕置き…から翌日、僕は朝早くからサンドイッチを作った。
ちなみに、何時もよりも早く起きたのは……実は、お尻が痛かったからであったのは、ここだけの話……///
とにかく、サンドイッチを朝早くから作った。
昨日は香辛料で味を付けて焼いたお肉を、何でもないただのライ麦パンに挟んだ、実にシンプルで普通の味のサンドイッチだったのだが、今日のサンドイッチは少しお洒落に葉物を挟んでみた。
これはこれで、昨日よりも色合いが良くなり、見た目的に美味しそうである。
食は見た目から……正にそうである。
サンドイッチを作っている時、どこかやつれた義父が話しかけてきた。
きっと寝不足なのだろう。
「お? 今日もまた森にお出掛けか? 頼むからあまり無茶するなよ」
今日も何時もどおりに僕の体を心配してくれたのは言うまでもない。
しかし、どこか元気が無く苦笑いしていた。
そんな義父にいつも通りに“ありがとう”とお礼を言って家を出て、僕はベルララの居る塔へと向かった。
そして、いつもの荒れた小道を歩いて塔に向かう途中、木から毛虫が垂れ下がってきたり、知り合いのホーネットのメープさんに出会ったりした。
あと、メープさんと話していたら僕が通って来た小道を、何時もよりご機嫌なサラさんが狭そうに辿ってきた。
今はサラさんの、真ん丸く、座っているとちょっとお尻が痛くなるくらい固い甲冑に覆われた蜘蛛のお尻の上で、横切って行く木々を見ているのだが、あの時メープさんとサラさんが顔を合わせた時は大変だった。
――――――――――
「ウィル、今日もまた森の探索? ――あ…メープ……」
「サ、サラさんおはようございます」
「ゲッ…!? サラ!?」
「ちょ、ちょっ……何でメープが此所に居るのよ!?」
「五月蝿いわね! 私は働き蜂だから、此方まで獲物(男……でもウィルはしらない)を探しに来てるのよ! ベー!」
「嘘つきなさい! あんたどうせヴッチに会いに来たんでしょ!?」
「だ、だったら何よ!? 別にいいじゃない! ヴッチは貴女の物じゃないんだから!?」
「そ、そ、そ、それはどう言う意味よ!! ヴッチは私の将来の―――」
――――――――――
こんな感じで、ギャーギャー、ワイワイと言い合っていた。
それにしても、やはりこの二人は義父=ヴッチ・ガリバーが好きなようである。
勿論、僕も義父は大好きだ。
それに、目の前で騒ぐこの二人も、僕は大好きだ……
昨日のサラさんは怖かったけど……
いや好きなのはこの二人だけでなく、この森の皆が好きだ。
ワーラビットのチークに、ワーウルフのシンクさん、それに森の宅配屋さんを営むハーピーのウィンさん、たまに遊ぶラージマウスのチッチとクックも好きだ。
まだ、二回しか会っていないけど……もちろん、ベルララも。
そんな事を、サラさんの蜘蛛のお尻の上で揺られながら考えていた。
それにしても、あのメープさんとサラさんの騒ぎが治まるまで片隅で見ていて、
「な、なかなかやるわね、サラ」
「あ、あんたこそねメープ」
「「次こそ決着つけてやるわ(みせるわ)」」
と、二人が息を切らして、生傷だらけになって争いが治まるまで待っていたのだが……実際、この二人は何だかんだ仲が良い。
だからこそ最後には眉間にシワがよるぐらいの力を込めて握手をし、仲直りして“またね”と分かれたのだと思う。
そして、メープさんは森の中へと飛んで行き、残された僕とサラさんは、手を降りながらメープさんを見送ったりした(サラさんはツンと顎をとがらせ、ソッポを向きながら小さくちょいちょいと手をふっていたが)。
そしてサラさんと二人だけになった僕は、森の奥に用事があるというサラさんと共に道を歩きだしたのである。
ただ、進む途中でサラさんが“どうせなら私のお尻に乗りなさい”と、ひょいと襟元を摘ままれ、蜘蛛のお尻に乗せられ、滑り落ちないようにサラさんの細い腰に捕まっている状態となり、さっきまでの事を思い浮かべていた訳なのだ。
それにしても、サラさんのこの固い甲冑に覆われたまん丸い蜘蛛のお尻に座るのは、小さい時から何度もやっているので、実に楽しく楽なものだけど……
サラさんが自慢の八本脚で歩くたびに、小刻みに振動が起こり、朝早く起きたのもあってか、いい具合に僕の眠気を誘ってくる。
「……ふぁ〜〜ぁ」
だから、必然的にあくびが出てしまった。
「あら? 眠くなっちゃったウィル?」
「はぃ……ごめんなさい」
察したのか、サラさんは肩越しに問いかけて来て、僕はそれに答えた。
「フフ……もう少しだから、我慢しなさい」
サラさんは、何がおかしいのか笑っていた。
「ねぇウィル? 昨日帰りが遅かった理由教えて?」
「
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