《 あなたの恋と愛の調子は、いかがですか? 〜 メロウのモモさんの場合 》
いやあぁぁぁぁんっ!!
そのラミアさんも、アカオニさんも、ワーラビットさんも、みんなみんな今は旦那さんと幸せに暮らしてるのよね!?
あぁんもぅ、いやあぁぁぁぁんっ!
超ステキじゃないっ! 感動と喜びと羨ましさでヨダレが出そうだわっ!!
っていうか、ちょっと濡れちゃったもの! 海水以外的な意味で! うんっ!!
いやぁ〜、本当に良いお話を聞かせてもらっちゃったわぁ〜。ありがとね♪
しかも、そのお話をまとめて一冊の本にするんでしょ? ますますステキねっ!
……え? それだけじゃないの?
魔物と結婚した人間の男性達に、五十個の質問を投げかけた?
そして、それに対する回答を集めて整理した上で、さっきのお話も挟みながら一冊の本に編み上げる……!?
ちょっ、あぁぁぁぁぁんもぅ、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!
何よそれ! 何なのよそれ!
超読みたいわ! すぐ読みたいわ! いついついつ? いつ発売? ねぇねぇねぇ!!
防水加工版とか作らないの? っていうか作ってよ! ね? 良いでしょ?
え、そういう予定は未定? イヤイヤイヤ、そこは頑張ってよ! 頑張ろうよ!
だって、海にはマーメイドとか、シー・スライムとか、スキュラとか、私達とか、シー・ビショップとか、その他にもまだまだ人間のみんなが知らないような魔物がいっぱいいるのよ?
そんなみんなのステキな愛と恋のために、そこはグッと気合を入れて頑張ろうよ!
って言うか、ステキなお話とニュースを聞かせてくれたお礼に、私の血をあげるわ!
いつもは可愛い小瓶サイズなんだけど、あなたには特別にワインボトルサイズでプレゼントしちゃう!
これをゴッキュゴッキュ飲んだら、たぶん三世代先の魔王登場まで生きられる勢いよ!!
血の匂いが気になるなら、デミグラスソースとかカレーとか、味付けのハッキリしたものに混ぜちゃえば良いの!
そしたらもう、スイスイいけるから! うん!
……ん? え? 要らないの?
いやいやいや、遠慮なんて無用よ? だってこれは、私からの気持ちみたいなものだし。
自慢じゃないけど、これだけの量をお金で買おうとしたら、ちょっとした宮殿の建設費くらいにはなるわよ?
いいえ、今日は無理を申して取材にご協力いただくのですから、頂戴する訳にはいきません……ですって?
うぅ〜ん、なるほど! ますます気に入ったわ!
いいのいいの! 遠慮せず持って行っちゃって! うんうん!
……んふふ〜、でね、どうしても申し訳ないなぁと思うのならぁ〜♪
さっき言ってたその本の防水加工版を、私のためだけに一冊か二冊作ってくれたら嬉しいんだけどなぁ〜。
受け取り方法とかは、後でゆっくり詰めて行くとして……ね? ダメ?
あなたの会社の本の事、海の仲間達にもタップリ宣伝しておくから! ね? お願い!
ふぅ、さてと……それじゃあ、何のお話をしましょうか?
堅苦しい事を言っても頭が痛くなるだけだし、やっぱりここはアレ系がいいかな?
たぶん知ってると思うけど、私達メロウは恋愛のお話が大好きなのね。
そうそう。人間の女の子達が言う所の『コイバナ』ってやつ。
可愛らしい初恋話から、肉と汁が交じり合うグッチョングッチョンのエロトークまで、ド〜ンと幅広く何でも来いって感じなのよ。
あと……これはあんまり大きな声じゃ言えないんだけど、人様の『最中の様子』を見るのも、まぁ、嫌いじゃないのよねぇ〜♪
ほらほら、人間のみんなも、飲み物や焼き菓子を片手に観劇したりするでしょ?
で、熱い戦いのシーンには手に汗を握るし、恋人達の抱擁のシーンには胸がキュンとしちゃうでしょ?
私達メロウにとってアレは、まさにそんな感じなのよ。
……ふぇ? ちょっと違うような気がするって?
いやいや、何も違わないわよ。強いて言うなら、手に汗を握る代わりに、大切な所がジュンと来ちゃうって事くらいかな?
そうして火照った体を一人で慰め終わった後の倦怠感も、人間のみんなには理解してもらえると思うしね。
いや、ほら、人間の男の子って、放出した後は賢者みたいな不思議な精神状態になるんでしょ?
それ、私にもよぉ〜くわかるんだなぁ。
ちなみにこの情報は、去年ナンパした漁師の人から聞いたの。
あの人は、なかなか良い男だったわ……でも残念ながら、既婚者だったのよねぇ〜。
良い男は辛抱堪らなくなるくらい大好きだけど、その人の家族に迷惑をかける気はないからね。
全てのメロウがそうって訳でもないけど、私の場合、その辺の筋は通すのですよ。うんうん。
おっと、ゴメンゴメン。話がズレちゃったわね。
え〜っ
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