その村は以下略!!
※ ※ ※
「ふふふ……かの有名な格闘家はこう言ったらしいじゃない? 『認識が360度変わった』と」
「それ、一周して元に戻ってますよね? いきなりどうしたんですか?」
急に変なことを呟きだしたヴァンパイアを見て、ナイトメアはついに気がふれたのかと心配そうに声をかける。
まぁ、今の今まで変態やら兵器やらに城を襲撃されているのだから、むしろ気がふれないほうがおかしいが。
「ぶっちゃけ何が言いたいかって言うと……もう怯えに怯えすぎていっそ開き直ったって事よ! どうせ何しなくても変態やらに襲撃されるんでしょ!? だったらいっそ開き直って美ショタ食い荒らしてくれるわちくしょー!!」
「あぁ、だから例のごとく男の子が部屋にいるんですね」
ナイトメアが顔を向けると、そこには近くの村の美ショタ達が。
もっとも、さらわれてきた本人達は日帰り吸血鬼の城見学ツアーに来たといわんばかりに怯えも何もあったものではない。
と言うかさっきまで配下のハーピーが意気揚々と城のガイドをしながらここに連れてきたため、やはり見学ツアー感覚なのだろう。
吸血鬼が目の前にいると言うのに誰も怯えてなどいない。
魔物は人を殺さないと知っているのもあるが、やはり一番は彼女が変態と言う名の淑女だと言う変な安心感故である、
貴族の威厳などありはしなかった。
「さて、そういうことだから、久々にゲスくいくわよ、げへへへへぇ」
「あぁ、遠くにいるお父様、お母様、この主の変態具合になれてしまった私はもう穢れているのでしょうか?」
『魔物なんて元からエロスまみれで穢れてるわよ♪』
『お前も母さんみたいにいっそ自分を解放してみたらどうだい?』
ナイトメアの耳に遠くの町に住んでる両親の声が聞こえた。
ナイトメアは涙を流した。
あぁ、自分の周りって変態ばっか。
それはともかく、開き直ったヴァンパイアが久しぶりなゲスい笑みを浮かべながらショタ達に襲い掛かろうとしたときだった。
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
そんな警報音と共に部屋の天井に設置された赤いランプが点滅しだした。
「むぅ、これはっ!? センサーに反応!?」
いちいち侵入者が来たときに部下の誰かに水晶球を持ってこさせるのが億劫だったため、最近は常に水晶球を持ち歩き、こうして侵入者が来た際は警報で知らせると言う手法をとるようになった。
と言うわけで早速懐から水晶球を取り出したヴァンパイアは、その水晶球を覗き込んだ。
※ ※ ※
最近の侵入者の間では、監視用魔法陣に向かってポーズを決めることがはやっているのか、そこには魔法陣に向かってポーズをとる男性と女性の姿があった。
「……ちっ! リア充かよ」
「うっわ、主様の背後から怨念が漂ってる」
独り身の怨念と言う奴である。
「ま、でも今回はそう簡単には行かないわ。最近近くを通りがかったリャナンシーに頼んで作ってもらった絵画トラップが侵入者を拒むわよ!」
簡単に言え絵をゲート代わりにしたワープトラップである。
他にも絵の中に書き手の心象風景を具現化し、一種のダンジョンとしているものもある。
「しかしあのリャナンシー、やけに血にこだわってたわね。いちいち『血の芸術』だのなんだの」
「それのせいで意外と意気投合してましたけどね」
ともかく、それらのトラップのおかげで今までのように簡単に城が蹂躙されると言うことは無いだろう。
その事実がヴァンパイアたちの心に平静をもたらしていた。
そんなヴァンパイアをよそに、リア充達はついに動き出す。
『シャー○ット!!』
『ジョ○サン!!』
『シャー○ット!!』
『ジョ○サン!!』
『シャー○ット!!』
『ジョ○サン!!』
『シャー○ット!!』
『ジョ○サン!!』
(以下エンドレス)
「…………」
「…………」
「こいつら、ここラブホと勘違いしてない?」
ギャラリーオブラブホテルである。
彼らは互いの名を呼び合いながら後ろ向きにを移動していく。
以前襲来した娘ほど、見た目のや音のインパクトはは薄く、変態度合いはそれほど高いわけではないが、ウザイ。
何はともあれウザイ。
そして互いに名を呼び合うと言う行為は独り身の精神をがしがしとやすりのごとく削っていく。
この瞬間、この城の魔物全員の心が一つになった。
リア充爆発しやがれ。
そうこうしているうちに、リア充共はある部屋で動きを止める。
「あ、あそこって女神像飾ってる部屋だ」
「なんでんなもん飾ってるんですか、主様」
「いいじゃない、インテリアインテリア」
教会の兵士が見たら憤死しそうな所業である。
よりにもよって神聖な女神像をインテリア扱いで飾ってしまうとは。
そして当の本人は悪気一切無し。
一番厄介なパターンだった。
そん
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