にっ!:こいつ、私よか堕天使向きだよ

今回は私の同僚の天使が出現!?
こいつ……私より染まってやがる!!




えー、皆さんこんにちは。

ついこの間堕天したばっかりのダークエンジェルです。
で、現在私は結構危機的状況に置かれてたりします。

「お、お姉さま……?」
「……えと……人違い?っていうか天使違い?だと思いますですよ?はい」

私がまだ全うな天使だった頃の同僚(堕天してない)天使とがばったり会っちゃいました。

……ヤバくね?
一応まだほんのちょびっとだけなら神聖魔法使えるけど、それもそのうち使えなくなるだろう。
それくらい、私の今の属性は神聖とは真逆になっている。
そんな私が現役天使の神聖魔法喰らったら消滅どころの騒ぎじゃない気がする。

「間違いありません!ちょっと墨で黒くなってしまったような感じですけど、間違いなくお姉さまです!!」
「……ちっ」

と言うわけで、まぁ見た目も白から黒に変わってるんで、人違い、もとい天使違いだといってみたわけですが、
あっさり私を断定されてしまった。
つか、色変わるって大概印象変わると思うんだけど、何で分かるのさ?

「分かりますよ!私にはお姉さまセンサーが搭載されてますから!あとやっぱりお姉さまだったんですね!?」

心読まれた!?というか完璧ばれた!?
つーかお姉さまセンサーって何だ?私しか反応しないのか?

「お姉さま、嘘はいけませんよ嘘は」
「……で、何しにきたの?はっきり言っちゃうと、滅ぼされる気はさらさらないからね?せっかく旦那見つけて人生(天使生?)をエンジョイし始めたんだから」

最近、ちょくちょく旦那と遊びに行くパンデモニウムで教わった暗黒魔法をいつでも放てるように準備しておく。
……暗黒魔法って響き、ちょっと中二病っぽいよね?でも今の私はそういうつもりで言ったわけじゃなく、
ごくごく真剣に言ってるんで。
私は中二病じゃありません、あしからず。
で、向こうの反応はというと……

「はぇ?お姉さまを滅する?何でですか?」

……ハイ?

「いや、私一応ダークエンジェルっていう魔物なんですけどー」
「へー、そうなんですかー。で、ダークエンジェルってなんですか?」
「いや、だから魔物の一種で」

おい天界。
お前んところの教育どうなってんのさ。
教えなさすぎにもほどがあるだろ。せめて魔物の種類くらいはしっかり教育しろよ。
そうじゃないとほら!こんなアホの子天使が生まれちゃってるじゃないか。

---正直、ここまでとは思わなかった。反省も後悔もしまくってる---

……?なんか頭に懐かしい声が聞こえたような。
まさかね?だって今私ダークエンジェルだし?魔物だし?
だから主神の声なんて聞こえるはず無いよね!

「へー。でも、お姉さまなんですよね?」
「そりゃ、まぁ……一応?」
「何で私がお姉さまを滅さなきゃだめなんですか!?嫌ですよそんなの!!」
「アンタほんとに天使か!?」

何拒否っちゃってるのこの子!!

「だから、私魔物!あなた天使!おーけー!?」
「おーけーです!!」
「よし!で、天使であるあなたは魔物である私を滅ぼさなきゃならない!おーけー!?」
「のーおーけーです!!」
「何よどみなく、一寸の迷いも無くのーおーけー言ってやがる!嘘でもおーけー言え!!このアホの子天使!!」

あんた自分が何のために主神に生み出されたか知ってるんかい!?

「お姉さまと愛を育み、その愛の形を世に満ちさせるためです!!」
「アホかぁ!!何!?愛の形ってなに!?」
「具体的にはネチョってネチョって子作りしましょ?」
「お前はほんとに天使かぁ!!?」

私よりエロネチョ思考じゃないか!!というか女同士じゃ子どもはできません!!

「知ってますか?そのうち女同士でも子どもが作れるようになるみたいですよ?」
「それここの世界の話じゃない!」
「つまり男は不要!!」
「いやいるから!!私たち魔物には必要不可欠だから!!」
「ちなみに、男同士じゃどんなにがんばっても子どもは作れないそうです」
「そんなこと聞いてない!!」
「そのうち女性同士のみ、同性婚とか認められそうですねー」
「だからそれこの世界の話じゃないって!!」

……疲れた。
っていうか、元天使とはいえ、今は立派な魔物である私が何で天使に説教してるの?
なんかおかしくない?それ。

「そういえばお姉さま?」
「っ……何よ?」

急にこの子の雰囲気が変わった。
やっぱり何だかんだ言って私を滅しにきたのk……

「さっき旦那とエンジョイ云々言ってましたね?」
「……は?」

いや、まぁ、確かに。

『……で、何しにきたの?はっきり言っちゃうと、滅ぼされる気はさらさらないからね?せっかく旦那見つけて人生(天使生?)をエンジョイし始めたんだから』

って言ったけどさ。


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