その日の夕食時、何時もと違いゆっくりと落ち着いた様子で食べるコノに対してシルヴァが時折コノのほうに視線を向けるのにあなたは気が付く。
昼間の忠告が功を奏したのかとシルヴァが想っているとあなたは考えて少しばかり申し訳ない気になってしまう。
コノが大人しいのはこの後であなたと触れ合うことが出来るからと言うことを知っているからだ。
何か口にしようとしたがシルヴァの様子も何時もと違うのにあなたは気が付く。
「シルヴァ?」
名前を呼ぶとハッとした様子で返事をする。
「どうなさいましたか?」
「いや、様子が何時もと違うから気になったんだが、疲れているのか?」
その問いにシルヴァは首を横に振る。
「いいえ、そんなことは決して。その……」
言い淀むシルヴァはめずらしいとあなたは何かあったことだけはわかった。
シルヴァは胸の内の願いを飲み込み笑顔を浮かべる。
「もう大丈夫です。お騒がせ致しました」
その笑顔があなたの胸に楔を打つ。
いつもと変わらないが酷く寂しそうに見えたからだ。
だが、本人が口にしない以上追求するのも野暮だとあなたは頷いて答えた。
「わかった。でも、いつでも相談してくれて構わないんだぞ?」
「はい。必要なときはそうさせていただきます」
そうして夕飯の時間は過ぎて行った。
それから、月が闇夜を照らす頃、自室でシルヴァはあなたがコノに奉仕させていた時のことを思い出していた。
頭の中であなたの今晩しようと言った言葉が反響している。
今まさに二人は肌を重ねているのではないかと言う妄想が胸の内に渦巻いて
いく。
素直に慣れない自らの心が妬ましかった。
自分もあなたに愛されたい。
大切に想われるだけじゃなくてその手で頬だけじゃなく、胸もお腹もお尻も尻尾も疼くこの体すべてを触れて貪り求めて欲しい。
指の先からつま先に尻尾の先端まで満たされない疼きが思考を焼き尽くした。
シルヴァはベッドから抜け出して暗闇の廊下を歩き出した。
向かう先はあなたの部屋であった。
屋敷に小さく木霊する嬌声が耳に届く。
もとより抱いていたことが確信に変わり、足音一つ立てずに廊下を歩き階段を上っていく。
一つだけ、灯がうっすらと漏れる部屋の前にシルヴァはたどり着く。
中からはコノの喘ぎ声が扉越しに聞こえる。
鼻を静かに鳴らしてシルヴァは匂いを嗅ぐ、男と女、あなたとコノの濃い匂いが鼻腔をくすぐり、扉に耳を当ててシルヴァは音を聞く。
「ごしゅじんさまっ! ごしゅじんさまっ!」
舌足らずな声であなたを呼ぶコノの声。
「コノっ、口を開けて」
キスを催促するあなたの声。
「んっ、はむっ、はっ」
互いの舌が絡み合い貪るように唾液を混ざり合わせる音。
「ごしゅひんふゃまっ」
舌を絡めながら名前を呼ぶコノに愛おしさが溢れたのか肌を重ねる音が激しくなる。
その音にシルヴァは鼓動が早くなるのを感じて、切なさが胸を締め付けて自然と自慰を始めてしまう。
あなたがコノの腰を打ち付けるリズムに合わせてシルヴァが恥部に指を入れ抜きして呼吸を合わせる。
イケナイことをしていると自覚するほどに鼓動と興奮が激しくなっていく。
この姿を見られたららきっと失望される。
そう思えば思うほど快感が増していく。
見捨てられたくない恐怖が余計にシルヴァの疼きを増長させていく。
「コノっ! もうっ!」
あなたが射精感を高めるとシルヴァの指の動きも早まる。
「きて! なかにっ! ごしゅじんさまっ!」
ヒートアップする腰使いにシルヴァも熱が腹部に溜まっていく。
「コノっ!」
「いきゅっ!」
最後の叫びを感じてシルヴァはコノの中に射精するあなたに合わせて絶頂を迎える。
「うっ! はぁっ!」
コノとあなたは互いに体を震わせて共に達した快感に酔いしれる。
「ごしゅひんしゃまぁ……」
だらしなく舌を垂らして口付けを求めるコノにあなたが応じる。
舌を絡ませて身を震わせる快感と愛おしさを共有する。
そして、廊下で達したシルヴァはくらくらするほどの快感と同時に罪悪感が押し寄せてくる。
今すぐにでも逃げ出したいのに体が言うことを聞かない。
震える体で立ち上がりその場を離れようとした微かにあなたの精液の匂いを鼻先で感じくらっと酩酊感を覚え扉に寄りかかってしまう。
扉を閉め切らないコノの悪い癖がシルヴァにとって予期せぬ事態を引き起こしてしまった、
ゆっくりと扉が開き、あなたの前に体を震わせたシルヴァが扉に寄りかかっていました。
「っ! シルヴァ……?」
一瞬何が起こったのか理解できなかったシルヴァだったがあなたの顔
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