序章  二丁目の曲がり角で

 人生は誰もが主人公だ。
 以前読んだ本には、そんな事が書いてあった。
 その本の中に出てくる主人公は、平凡な生活と日常のリフレインから抜け出して、最後はかわいい女の子と結ばれた。
 ボーイミーツガール。それは男性版シンデレラストーリーと言ってもいいかもしれない。
 僕らのようなパッとしない連中は、そんなありえないことを夢見て生きる。
 けれど現実はあまりにも残酷で、ふとした瞬間に幸せな妄想の世界をぶち壊しにしていく。
 その主人公は高嶺の花を自分のものにした。だけどそれは「シンデレラ」の様にルックスとか、人間に本来備わっているスペックが優秀だからあり得る話なのだ。
 鏡を見るたび、勉強をするたび、僕は自分が何の取り柄もない平凡な人間だと気づく。
 いつも僕の上には誰かがいた。僕の下にも人はいた。けれど、そういうやつは総じて誰よりも強い強みを持ってるやつらばかりだった。

 だから僕には主人公になる資格は無いと言ってもいい。
 僕には何の取り柄もない。だから、僕の人生は小説の輝かない。

 僕にできる事と言えば、その主人公とヒロインのセックスを妄想すること。そして妄想しながら自分の右手で手淫すること。それが関の山だった。






 でもまぁ、僕にはもうそんなことする余裕はないんだけどね。
 だってもうすぐ僕は死ぬから。理由はどうであれ、ね。




 僕はため息をついて、天井を見上げた。
 ベッドの天蓋の間から覗く、いつもとは違う荘厳な天井には、煌びやかな装飾が施され、それらが僕の心をおおいに揺さぶる。
 だからこそ、僕自身がどんな状況に置かれているのかが分かった。
 これは夢なのだ。死ぬ前に見る、とても良い夢。
「あー、こうやって死ぬのかー」
 何気なく僕が呟くと、僕のかぶっていた布団から、女が飛び出してきた。
「なにいってるんですか。今からアナタは私の婚約者として生きるんですよ」
 そう言った女の頭には、角の様な何かと、絹糸のように細く白い髪が生えている。……コスプレ?
 いや、でも、この髪の毛はどう見てもウィッグじゃないだろうし……。
 僕が彼女の髪に触れると、女は「ふぇぇ……」と鳴いた。


「あの……誰ですか…………?」
「啓蒙国家フェリエの首領フェリーナ・リル・フェリエの第一の息女、エルメリアです!! こう見えて魔王様と同じご先祖様の血を引いている遠い親戚なんですよ!!!」

 いや、魔王って何のことですか……。
 彼女の言っていることはよくわからなかった。だけど、名乗らせておいて「魔王ってなに」と聞くのも失礼だろう。
 僕は「そっか、ありがとう」と言ってもう一度仰向けに寝転んだ。
 その言葉に女は嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあさっきの続きするんで、気持ちよかったら出しちゃってください。二回目は必ず全部飲みますんで」
 エルメリア、と名乗った女は屈託のない笑顔を僕に向けた。 
 何言ってるんだコイツ。そう思っていると、女はまた布団の中身もぐり込んでいく。そして布団の中でもぞもぞ動く。しばらくすると、女は「はじめますね
#9829;」と言った。

 そしてその瞬間、僕の股間が何かによってねっとりと濡らされ、僕の愚息がむくむくと大きくなっていく。
 そしてそれが完全に大きくなると、僕の愚息に何かが吸い付いた。
 そしてそれは皮をむいた、一番刺激に弱い部分さえも集中的に責めていく。
「ちょっ……!? エルメリアさん!? 何してるんですか!?」
「んぅ〜〜〜
#9829;
#9829;
#9829; おいひぃ〜〜
#9829;
#9829;
#9829;」
 布団をめくると、そこには裸になったエルメリアが居た。そして彼女は先ほどまでは布団に隠れて見えなかった、白い尻尾と羽をパタパタさせながら、嬉々とした表情を浮かべている。
 そして口に僕のモノを含みながら、股に手をあてて、くちゅくちゅと掻き回す。
 彼女は上の口では音を立てながら激しく吸い付き、下の口ではとろとろととめどなく淫らなよだれを垂れ流していた。

「じゅぷっ
#9829;
#9829;はむっ
#9829;
#9829;
#9829;ちゅっ……じゅぷっ
#9829;
#9829;
#9829;じゅぷん
#9829;
#9829;
#9829;ぷはっ!」
「やめっ……ちょっと!!!」

 僕が腰をくねらせ、逃げようとすると責めの激しさは一層増した。最初は先端しか舐めていなかったのに、今では根元まで一気に口の中に咥えこんでいる。そして上下に口の中で舌を動かしながら、的確に気持ちのいいところだけを刺激してくる。
 じゅぷじゅぷとわざと音を立て、唇と唇の隙間から空気を通すことで、吸い付きの緩急をつける。そのおかげで僕の腰は熱くほとばしる、とろとろのゼリーに包まれるよう
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