今日はクリスマス。
このクソ忙しい師走の後半にくるイベントである。
子供やカップル、夫婦が色々な意味で盛り上がる日。
そして、伴侶がいない人には特に何も変わらない日か、大いに嫉妬する日。
さて、そんなクリスマスなのだが、我が家は大忙しだった。
「兄ちゃん!!クリームこれでいい?」
「まだ柔らかいな。もうちょっと気合入れて混ぜてね」
「はーい」
そういうと、生クリームを再びハンドミキサーでかき混ぜる翡翠。
「兄貴!フルーツのカット終わったぞ!!」
「お疲れさん。それじゃあ、次はこのポテト潰してポテトサラダ作っておいて」
「分かった!!」
飾り用のフルーツをカットした竜胆に、次はポテトサラダを作るように指示を与える。
ジャガイモは茹でたてだから凄く熱いが、毎年やっているし、言わなくても分かるだろう。
「お兄様。こちらも終わりました」
「兄ぃ、わっかできたよ」
「なら、それ飾り付けしちゃって」
「「は〜い」」
と、部屋のデコレーションを担当していた雫と土筆が元気よく返事をすると、部屋中に色紙で作ったチェーンを部屋中に飾り始めた。
台所は狭いから竜胆と翡翠が入ると一杯いっぱいになってしまう。
なので、雫と土筆の下半身が龍体の2人には部屋の飾り付けをお願いしていた。
最初は俺と作業が出来ないという事で不機嫌そうではあったが、やっているうちに楽しそうに飾りを作っていた。
そんな妹達が働いている中、俺は何をやっているかと言うと、クリスマスパーティーのご馳走を作っていた。
今夜は親父達と一緒にクリスマスパーティーをやる。
そのため、今から仕込みを済ませておかないと間に合わないのだ。
一応、母さん達も料理を作ってくるそうなんだが、出来るだけ多めに作っておこう。
成長期の妹達はともかく、親父や母さん達は凄い食べるからな。
丼に盛ったご飯も軽々食べても、あの細いスタイルを維持しているのは本当に凄いよな。
普段は会わないからよく分からないけど、普段から運動でもしているのか、それとも、魔物だから太りにくいのか・・・。
セックスだけで、なんて事ははいだろうしな・・・。
「兄ちゃん!出来たよ!!」
「兄貴、こっちも出来たぞ!!」
「お兄様、飾りつけ終わりました」
「兄ぃ、終わった〜」
どうやら、考え事をしているうちに妹達の作業が終わったようだ。
「それじゃあ、皆は、スポンジは出来ているからケーキ作っちゃって」
「「「「は〜い」」」」
家では、クリスマスケーキは手作りしている。
理由は簡単、普通に買うと高いからだ。
それに手作りだと、妹達にもイベントの準備に参加させられる事が出来るからだ。
1人ケーキ1個では流石に食べきれないので、1つのケーキの1/4をそれぞれがデコレーションする方式をとっている。
これなら、ケーキ1個で足りるし、一目で皆の作品を見る事が出来る。
ケーキには、既に翡翠が作ってくれて生クリームで4つの区画に分けている。
作業のやり方やイチゴなどのトッピングなどの取り合いなどはあるが、仲良く作業をしてくれる。
さ〜て、俺は他の料理を完成させちゃいますか。
それから数時間が経過。
あの後、親父が母さん達を引き連れてやってきた。
母さん達が持ってきた料理をテーブルに並べ、俺が作った料理を並べてパーティースタート。
皆、今の近況を話したり、他愛もない会話を楽しんだり、母さんから相手を手篭めにする方法や男の人を骨抜きにする方法を学んでいたり、暴走した親父に鉄拳を叩き込んだりと、とても楽しいパーティーだった。
その後、久しぶりに娘と一緒に寝たいという理由で、母さん達はそれぞれの部屋で娘と一緒に寝てしまった。
親父には、客間に布団を敷いたから、そこで寝てもらっている。
さて、そろそろ妹達にクリスマスプレゼントを渡してくるか。
妹が欲しいものは前々からクリスマスツリーに付けさせていたので欲しいものは分かっている。
ただ、「兄ちゃん!!」「兄ぃ」「お兄様との子供」「兄貴との既成事実」と、見事に予想通りだったので、それとなく欲しいものを聞き出して買っておいた。
もう少し、4人とも健やかに成長して、兄離れしくれる事を強く願うよ。
それが、俺にとってのクリスマスプレゼントだな。
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