〜夜這い〜
その日、とあるテレビの番組で、特集として『夏の肝試し!心霊写真SP!!』というのをやっていた。
夏の時期の定番中の定番である。
俺はあまり好きではないが、妹達もこういった番組は好きで、放送されると必ずと言って良いほど見る。それこそ食い入るように。
見るのはいいんだけど、困った事が1つだけある。
この1文で分かった人は、相当この作品に毒さているな。
まぁ、予想はしやすいと思うけどね。
「兄゛ぢゃ〜ん゛」
「・・・・」
ほら来た。
自分の枕を持った翡翠と翡翠のパジャマの裾を掴んだ土筆が半泣きになりながら俺の部屋にやってきた。
「ひどりで寝゛れないがらいっじょに寝でもいい?」
「・・・私も・・・一緒に・・・」
ホラー系の番組なんかを見た夜は、いつもこうして俺の部屋にやってくるのだ。
1人で寝れないのなら見なければ良いのに・・・。
「ほら、おいで」
そういうと、布団を開けて2人を招き入れた。
翡翠と土筆は表情を一転させ、笑顔になると俺の布団の中に入ってきた。
嬉しそうに左右から抱きついてくる2人を『世話のかかる妹だな』と思いながら頭を撫でてあげた。
だが、これで終わりではない。
俺の妹は下に行くほど肝が据わっている。
つまり、上の妹の方が怖がりなのだ。
下の2人がこうして俺の元に来ているのだ、竜胆と雫がこないわけが無いのだ。
バタンッ!!
ダダダッ!!
ズルズル・・・!!
ガバッ!!
噂をすれば、という事だろうか。
何者かが俺の部屋に入り、布団を開け、その中に入ってきた。
翡翠と土筆が驚いて目を見開いているが、誰かは予想で来ている。
布団を開けて確認すると、竜胆と雫が無言で俺の体にしがみついていた。
「・・・2人ともいらっしゃい・・・」
「「・・・・・・」」
本当に怖いのか震えているのが分かる。
全く、怖いなら見なければ良いのに・・・。
そんな事を考えながら、竜胆と雫の頭を撫でてやると、落ち着いたのか2人の震えが少しおさまった。
竜胆と雫の乱入で少しむくれてしまった翡翠と土筆を抱きしめながら今日は寝ることにした。
全く、1人で寝れなくなるんだったらホラーなんて見なきゃ良いのに・・・。
いや、心霊写真でこんなに怖がっていたら、本当のホラーは見れないか。
そんな事を考えながら俺は、眠りについた。
その翌日、俺に朝這いをかけようとしていた妹達にお仕置きの鉄拳を食らわせたのは別のお話。
〜ストーカー?〜
『ピーンポーン』
来訪者を知らせるチャイムが鳴り、誰が来たのかを確認しにドアを開けると、頭に大きな丸い耳を生やした少女が立っていた。
てか、前に蓮が来た時も同じような状況じゃなかったっけ?
「よ!久しぶり〜!!」
「なんだ、誰かと思ったら華南か・・・」
こいつはラージマウスの『大畑 華南(オオハタ カナン)』と言って蓮同様俺の学生時代の友人である。
何気に情報通で調べ物をお願いすると遅くても次の日までには情報を持って来てくれる奴である。
『雫の誕生日』に兄妹で結婚した奴というのがこいつの事で、探偵をしているお兄さんと結婚してお兄さんの助手として日々楽しく働いている。
「なんだとは、随分なご挨拶ね。近くを通ったから挨拶にでもって思ったのに」
「お前がそういう行動するときは何かを探っている時だからな・・・」
「むぅ、失礼ね」
「事実だろう。現にそれで何度まきぞいを喰らったと思ってるんだ」
こいつの所為で先生方から指導を受けたときもあったからな。
「まぁ、とりあえずあがりな。妹達も夏休み入って暇そうにしていたし、相手してくれ」
「それじゃあ、お邪魔しま〜す!!」
そういうと、華南を家の中に招き入れた。
さて、これで逃げ場を無くしたし、土筆の事を何で知っているかきっちりと聞き出すかな。
「皆久しぶり〜!!」
「カナちゃんだ〜」
「華南さん。久しぶりです」
「華南さん。今日はどうされたんですか?」
「今日は、挨拶に来たんだよ。そこにいる君が『土筆』ちゃんだよね。初めまして蓮と同じ翔平の友達の華南だよ」
「は、初めまして・・・」
前に来た蓮のおかげで、少し慣れたようですんなりと自己紹介ができたようだ。
ちゃんと成長しているようで何よりだ。
「ほら、お茶。砂糖とミルクはいらなかったな」
「うん。ストレートでいいよ」
「そんで、聞きたい事があるんだが・・・」
「ん?土筆ちゃんのこと?」
問いただそうと思っていたが、案外すんなりと聞き出せそうだ。
それほど、重要じゃないってことか。
「勿論だ。何で知ってんだよ。そ
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