今日は11月11日。
ポッキー&プリッツの日である。
お菓子会社の陰謀を沸々と感じさせる日である。
そんな日のおやつはポッキーである。
色々種類があるが、我が家ではスタンダードなポッキーが人気である。
俺はビターが好きなんだがな・・・。
「お前達、おやつだぞ〜!!」
「「「「おやつだ〜!!」」」」
ドタドタドタドタ!!
という音と共に現れた我が四姉妹。
お願いだから静かにしてくれ・・・。
「ほら、今日はポッキーだよ」
そういって、ポッキーを一袋ずつ渡した。
これだと2つだけ買えばいいから、安くて助かる。
「ポリポリ・・・」
「竜胆は相変わらずリスみたいに食うね」
竜胆は以外と少しずつ食べる。
それはまるで小動物を連想してしまう。
「な、なによ。なんか文句あるの!?」
「いや、ただ可愛い食べ方だな〜って思っただけだよ」
「!! ふ、ふんだ。そんなこと言われても嬉しくないんだから!!」
口ではそういっているけど尻尾が凄い左右に揺れている。
体は正直ってわけか・・・。
「お兄様」
「ん?」
雫に呼ばれて、そちらを振り返ると、ポッキーの先を咥えた雫がいた。
振り向いた瞬間にその反対側の先が俺の口に当たった。
それを確認した雫は物凄い勢いでポッキーを食べ、俺の方に近づいてきた。
「!!」
咄嗟に雫の頭を掴んだら、その動きを止めることに成功した。
だが、雫は俺の肩を掴んで力ずくで近づこうとする。
これでは危ない!そう判断した俺は自分の頭を後ろに引くと雫の額目掛け、自分の額をぶつけた。
所謂、頭突きを食らわせたのだ。
「〜〜〜〜〜!」
いきなりの不意打ちによる驚きと頭突きによる痛みで雫は俺から離れた。
そして、その場でのた打ち回ってしまった。
「全く、お前は普通に食べる事ができないのか?」
何で、妹とポッキーゲームしないといけないんだよ・・・。
最近の雫の頭が堅くなってきた所為か、これすると頭が痛いんだよな・・・。
「兄ちゃん、兄ちゃん」
「ん?どうした?」
「見てみて、牙」
そういって、二本のポッキーの先を口の先からはみ出るように咥え、こちらに物凄い笑みを浮かべてこちらを見ている。
「あっはは。懐かしい事やってるね」
「えへへ、兄ちゃんもやったの?」
「ああ、子供の頃やったな」
他にも、タバコを吸うまねなんかもやったな。
食べ物で遊ぶのはいけないことだけど、これは許してやるか。
粗末にしている訳じゃないし。
「そっか〜。兄ちゃんと同じ事しちゃったんだ」
「おい、何で顔を紅くしてモジモジしているんだ?」
それをやったのは俺だけじゃないはずだが・・・。
まぁ、このことに関して問いただすのは止めておこう。
めんどくさそうだし。
「ペロペロ・・・」
「んで、土筆はチョコだけ舐めているのはクッキーが嫌いなのか?」
「フルフル・・・、チョコが美味しいの」
「そ、そうか。でも、一緒に食べた方が美味しくないか?」
土筆はポッキーを舐めてからクッキーの芯を食べるのが好きのようである。
なんでかって?この食べ方で既に5本食べているからだよ。
「・・・」
すると、土筆は舐め終わったクッキーの芯を眺め始めた。
一体どうしたんだろうか。
「兄ぃ、あげる」
土筆が舐め尽し、クッキーの芯だけになったモノをどうしろと?
「あ、ありがとう」
とりあえず、受け取るととても嬉しそうに笑ってくれた。
うん。喜んでくれたのならいいんだけど、正直処理に困る。
どうしようか考えていると、名案が閃いた。
「土筆、あ〜んして」
「え?あ、あ〜ん」
若干戸惑いながらも、俺に向って大きな口を開けてくれた。
そこに、先程貰ったクッキーの芯を小さく砕いてその中に放り込んだ。
そうすると、土筆は口を閉じモグモグと口を動かし始めた。
「どう?美味しい?」
「うん。兄ぃの味がする」
それはおかしい。
もしするとしたら、クッキーの味か土筆の唾液の味である。
俺の味がするわけが無い。
「「「!!!」」」
「おい、お前達。何でいきなりポッキーを舐めだした?」
土筆の行動を見ていた上3人が真似を始めた。
やりたい事、いや、やって欲しい事はわかるんだけどね。
その後、竜胆、雫、翡翠にも土筆と同じことをやってあげた。
ここで、やらないと姉妹喧嘩の素になってしまうからな。
なるべく、そういった原因は取り除いておかないとな。
今日も我が家は平和である。
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