「チッチッチッと、小鳥の鳴き声が気持ちいい朝。
モーニングコーヒーを入れ、朝の日差しを浴びながら今日の訪れを全身で感じていた。
ふむ・・・。
わざわざ、反魔物国家にまで、買いに行っただけはあって中々美味しいコーヒーだ。
『むぅ・・・んん・・・』
と、私のベッドの方からくぐもった声が聞こえる。
そちらの方に目を向けてみると、手足を縛られ、口には猿轡、目には目隠し、耳栓、口にギャグボールといった拘束具のオンパレードで、自由を奪われた女性がそこに存在していた。
そんな彼女の股には、どす黒い色をしたバイブが暴れまわっている。
暴れまわるバイブも抜けないように固定している。
そんな状態で、一晩中放置していたせいか、彼女の周りには愛液で出来た水溜りが出来てしまっている。
全く、私の優雅な時間を邪魔しただけでなく、部屋を汚すとは・・・。
これは、お仕置きが必要だな・・・。
そう思った私は、彼女の股間で暴れているバイブに向って足を振り上g・・・」
「ふんッ!!」
スパーン!!
「キャフッ!!」
「朝っぱらから、何『陵辱』タグが付きそうな妄想垂れ流してんだ!!」
朝、机に向っていた妻が何かにたにたしていると思ったら、いきなり妄想を垂れ流し始めた。
きっと、妄想していた事が溢れてしまったんだろう。
「うう・・・、ロイ、痛いよ・・・」
叩かれた所に手を当てながら、潤んだ目でこちらを見上げてくるのは、頭に角、背中から白いコウモリのような翼、そして、同じ色の先がハート型になっている人外だった。
彼女は、魔王の娘の「リリム」と呼ばれる魔物であり、私の妻でもある。
彼女の名前は『ヘカテー』。魔王第2皇女とかなりのお嬢様である。
しかし、兄弟又は姉妹のどちらかがしっかりしていたら、もう片方は残念な事になるのは世の心理である。
このヘカテーも例外なくそれに当てはまる。
こいつの姉であるリリムはとてもしっかりした性格で、今の魔王に変わって、魔王城の城下街を治めている。
旦那も見つけ、快楽の日々を送ってはいるが、政には一切手を抜かない凄い人物で、次期魔王として城下の魔物娘とその夫、教会の人間に一目置かれているほどの実力者である。
それなのに、その1つ下の妹のヘカテーは、そんな姉の正反対。
普通の魔物娘や人間達に比べると、知識や魔力、筋力は強いが他の姉妹に比べると全然敵わない。
そのため、当の本人も『政みたいな難しい事は、お姉様や妹達にお任せ!』とか宣言した始末。
そんな彼女の夫をしている私は、『ロイ』と呼ばれている。
この魔王城でヘカテーの夫に城に勤める魔物娘(メイド)達を纏める『執事長』をやっている。
俺とヘカテーの出会いについてはまた次回にいう事にしよう。
「いつものハリセンだから、大丈夫だ」
これは、ドリアードにお願いをして作ってもらった特製の厚紙で作られたツッコミ用のハリセンである。
強度は高く、水や炎にも強い特殊な紙なので、どんな場所でも突っ込みを入れる事が出来る。
突っ込みの行き先の大半がヘカテーなのだがな・・・。
「それじゃあ、ヘカテー。俺は魔王様の所に行ってくるから、片付け位はしておけよ」
「は〜い。行ってらっしゃい」
そういうと、ヘカテーは俺に近づき、俺の頬に触れるだけの口付けをする。
「行ってくるよ」
それに答えるように、俺もヘカテーの頬に触れるだけの口付けをした。
これが、俺が魔王様に朝の挨拶に行く時に行う儀式のようなものだ。
深いのをしてしまうと、我慢できなくなるので、触れるだけのキスで我慢している。
朝の儀式を終えた俺は、笑顔で送ってくれるヘカテーに見送られながら魔王様の部屋に向った。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「魔王様、旦那様。おはようございます」
私は、今、魔王様の部屋の前でノックをした後朝の挨拶をした。
なぜ、こんな行為をしたのかと言うと、中から、喘ぎ声やベッドのきしむ音が聞こえるからだ。
恐らく一晩中交わっていたのだろう。
「あら、もうそんな時間?」
「少し、休憩にするか」
良かった。今日はちゃんと聞こえたようだ。
たまに、周りの音が聞こえないくらい激しい交わりをしている時があるからな。
今日は、別に謁見の予定は無いが、いつも今日のように反応してくれると、助かるな・・・。
「失礼します」
そういって、中に入ると、体にシーツを巻いただけの魔王様に、何もまかず全裸のままの旦那様がベッドに腰掛けていた。
その所為で、旦那様の股間の肉棒が天に向ってそり立っているのが良く見える。
部屋の中に篭る淫気をみる限り、月が出ている間は相当激しく燃えていたようだ。
この淫気は、取り除いておくか・・・。
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録