Μ不思議の国・純水の井戸Μ
Μ初太視点Μ
S-72とコルヌの一騎討ちが続く。
「瞬間移動をしている、転送魔術という奴を使ってるのか?」
「ううん、彼女は高速魔術を用いてコルヌを翻弄しているんだ」
「参ったわ、瞬間移動と錯覚するほど速い訳?」
「それより恐るべきはあの女がまだ本気を出してないことだ」
「へーくん、どういうことなの!?」
「何故……をやらない」
「え?」
「何故服を切り刻むお色気バトルをやらないんだぁ!」
「コルヌすゎんのワイシャツがはだけて、さらしとおへそが見えたときからずっとワクワクしてるんだぞ!」
俺達は平也をスルーして、コルヌさんの戦いを見守る。
コルヌさんは彼女に勝てるのだろうか……
「大丈夫だよ」
「マドラ、ブレないんだな」
「うん、だってコルヌの真骨頂は、戦闘よりも会話だから」
俺はコルヌさんの戦いを見守る。
「馬乗り、馬乗り」ガタンガタン
「腰の動きと遊具の揺れが合わさって、激しく出るぅ!」ビュウウウ
見守る
ゴロゴロ「シックス!」ジュポッジュポッ
ゴロゴロ「ナイーン!」ペロペロペロペロ
見守……る
「四つん這いギプス〜」
ガッシャーン「ああん、強制的に四つん這いにされちゃう♪」
見守れ……ない
ダメだ、さっきから兵士達のプレイが気になって、気になって。
流石不思議の国。
ロデオの感覚でいつもより激しい腰の動きが楽しめる馬の遊具
転がることで男女の配置が変わるシックスナインカプセル
四つん這いの体勢になるギプス
食べ物以外にも様々な仕掛けがあるんだな。
ブロロロロ…プシャアア…
今度はラジコンヘリが現れ何かを散布し始めた。井戸の周囲に撒くのは薬か、種か、あるいは――
▲コルヌ視点▲
どうやら討伐隊の中には思わぬ伏兵がいたようだ。
シュッ「おっと」
シャッ「くっ」
元マント娘ことS-72がボクの懐へ入ろうとする。
それにしても彼女の速さは驚異的だ。
魔術で高速と動体視力の両方を強化している。身に纏う服も最小限の物に抑えてるのは少しでも身体を軽くするためだろう。
それにキノコの騙し討ちを警戒しているのか、ワイシャツを縦に引き裂いただけで、それ以降は服を切り刻む事はしない。
どちらにしてもD-06とは違い、彼女はボクの服を切り刻むつもりは無かった筈だ。
チケットも一緒に切り刻んでしまうことを避けるために。
かといって油断は出来ない。
サッ
S-72は刹那のうちに、ボクの右ポケットを探る
シュン
次にボクの左ポケットを探る
スリのごとく服の中に隠した脱出チケットを探している。
プロロロロロロ……プシャアアアアアア…
「あんっ曹ムやく窓C持ちいい」ズボズボズボズボ
「液体!浴びる!体液!浴びさせる!」ビュッビュッビュッビュッ
しかも井戸の周辺を飛んでいるらじこんへりによる媚薬が散布されている最中に。
S-72の肌は桃色の水滴でしっとりしているにも関わらず速度を緩めない。
このままじゃチケットが奪われるのも時間の問題だな。
例え彼女が快楽に呑まれる一匹のメスに成り下がろうとも。
「このまま君に身体のあちこちを触られるのも悪くはないけど」
ボクはS-72から離れ、井戸の周りを走り出す。
ピチャピチャッ
媚薬の霧で柔らかくなった地面を踏みしめながら
パチャパチャッ
当然、彼女も高速でボクの跡を追うわけで
「濡れた所でも速さを維持できるなんて、君、バランス感覚すごいね」
「……」
「ところでさっきからずっと媚薬の霧を浴びてるけど平気なの?」
「……」
「このままじゃ発情して本能のまま未婚の男を犯して、魔物化一直線だよ?」
「……」
「言ってる意味わかる?仮にボクからチケットを奪って井戸へ飛び込んでも身体の疼きは収まらないよ?」
「……」
返答無しか。
だったらカマをかけてみよう。
「それにしても、貨兵を失ったから気絶させるなんて酷い娘だね、エリートの君と下っ端の彼との関係はその程度なのかい?」
「違う」
S-72の口が開く。
「彼は上流家庭の息子、私は彼の護衛兵」
「つまり彼は金貨兵に刻んだだけで、実際に捕らえたのは君か」
「彼はいずれ跡取りとなる存在、それに相応しい部下が必要」
「そうなの?あの様子からしてとても跡取りには見えないけど。まるで権力に酔いしれた末っ子みたいな「黙れ!」
「彼はこんな所で終わる器じゃない、いや私が終わらせない!」
さっきよりも食い付きがいい
だんだん見えてきたぞ
S-72の真の狙いは――
「君はひょっとして、自分を犠牲にして、主人だけでも帰還させるつもりでしょ?」
「いや、こ
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