Μ不思議の国・漂着の砂浜Μ
Μマドラ視点Μ
「初太、落ち着いた?」
ぼくは初太の背中を擦る。
「……すまない」
本来なら「そんなの当然だよ」と言いながら初太とキスしたりズボンの上から股間を擦るのだが、長旅で疲れきった顔の初太を見てそんなことは出来ない。
一方、サバトの面々はと言うと
「これより漂着の砂浜での黒ミサ三次会を行うのデス、開放的になるのデス」
『はいっ』
ファミリアのウィリアの言葉を合図に、エッチなことを始めるサバトメンバーたち。
「……あいつら元気だな……サバトの奴等は……みんな……ああなのか」
「その通り、サバトとは快楽に忠実であれがモットーなのさ」
「初太、あまり喋っちゃ駄目よ。まどっちが心配してるわよ」
初太の友人、平也とまちたんこと満知子が声をかける。
「悪い…平也…満知子…本当なら……黒ミサ……やるところを」
「気にしなくていいさ、俺達ずーっと同じ屋根の下で育った仲じゃねーか。この国に来てもそれは変わらねーよ」
「あんたの乗り物酔いは今に始まったことじゃないからね」
「……この国にも……海があったんだな……海に沈む夕日が綺麗だ……つい夕日を見ながら眠りたくなる……」
「もぅ、初太ったら、そんなことしたら元いた世界に戻っちゃうよ」
「そうなのか……?」
「正確にはチケットを持っていればだけどね」
「チケット?」
ドーン
「何?」
まちたんが爆発が起こった方向を見る。
ドーンッ
突然の爆音に流石のサバト会員も腰の動きを止める。
ズドーン
奥から桃色の噴煙が登り、二人分の影がこちらに向かって飛来する。
ほんの十メートル先に落ちたそれは
「あんっ♪あはんっ♪」
「ハァハァ!ハァハァ!」
情欲に任せて交じり合う男女だった。
「何だ……あれ?」
「ジャバウォックのブレスだ」
ぼく達は初太を抱えながら現場へと向かった。
Μセバスの戦いΜ
「あん、あん」
「あんっあはん♪」
「にゃんにゃあん」
「いいわ、四つん這いって凄く気持ちいいー」
「最高♪最高♪もう脱出なんてどうでもいい♪」
交わる男女の道取りを辿っていると
執事服を着たジャバウォックが数名の兵士と戦っていた。
「セバスさんだ」
「セバス…?」
「フォーカードの一人だよ」
セバスさんが放つブレスをかわす兵士達。
ドゴォォーン
ブレスは交わる男女達に命中。
「うぉぉぉ!」「ああん曹ん♪」「ハァハァハァ」「イクッイクウッ」
男女は怪我どころか、より情欲を焦がし、より激しく交わる。
「なんという威力だ……反撃する隙がない」
「あれが手加減を一切しないジャバウォックの本気なのか?」
「やっと効果が現れましたか」
セバスさんは口を開く。
「何?」「隊長代理さん♪」「おい、どうした?」「隊長代理、兵士達が武器を捨てて次々と抱き合っています、うわっ」「ね〜ね〜セックスしよ〜」
「ん〜チュッチュ」「何故だ、我々はブレスを喰らってないはず」
「あなた達もとっくにブレスの餌食になってますよ」
「どういうことだ?」
「兵士達を吹き飛ばしたブレスに加えて、少しずつ貴方達の周囲にブレスを散布していました。それが空気中の魔力を取り込むように体内に少しずつ蓄積されていったのです」
「にゃぁんっ」「ぴょーん」「ふにゅ〜」
「女性達の頭から動物の耳や角が生えてきただと……」
「どうやら不思議の国を旅するうちに体内に蓄積した魔力が開花したようですね」
「くそぉ、まだ脱出チケットはむぐぅ」「れろれろ〜じゅるるっ」
あかなめに負けないくらい激しいディープキスをされる隊長代理。
「残念ですが、脱出チケットはお預けです」
セバスさんは内ポケットから光る紙を取り出す。
「初太、あれがさっき言ってたチケットだよ」
「そうか……あのチケットがあれば……元いた世界に……帰れるのか」
「初太もなのか?俺も見ただけで「あのチケットを使えば不思議の国から脱出できんじゃね?」と思ったぞ」
「まるでアタシが人間から魔物になると同時に、男を誘惑する方法とエッチのやり方が自然と理解できた時と同じ感覚だわ……」
「四人ともわかったようだね、あれが数少ない不思議の国からの脱出方法の一つ、脱出チケットだよ」
黒の燕尾服に二角帽を被ったマッドハッター、コルヌが声をかけてきた。
「コルヌ」
「迎えにきたよ、マドラ」
Μタマゴの里西側Μ
「到着♪」
「すげぇ、砂浜からあっという間にタマゴの里にたどり着くなんて」
「つい最近女王様が設置したワープポイントだからね。知らないのは無理ないか」
「コルヌ、どうしてセバスさんはあそこにいたの?しかも脱出チケットを持って」
「簡単に言えば撒き餌だよ」
「撒き餌?」
「詳しいことは刑
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