Μ不思議の国・メロメロビーチΜ
Μ満知子視点Μ
「ずっとこの島に暮らさなきゃいけないってどういうことよ!」
「言い換えれば、この島から脱出不可能ということデス」
「ウィリア様、具体的な説明をお願いします」
「へーくんまで何真面目になってるのよ」
「あの真珠貝をオープンさせるのデス」
ウィリアが指差した先を見ると、上に座れそうなほど巨大な二枚貝が佇んでいた。
「恋人達の精や魔力を取り込み、真珠が作られるのデス、真珠が出来上がるとお迎えのクジラがやってくるのデス」
「だから俺と満知子が交わらなきゃいけないのですね」
「イエス、旦那様は賢いデスね」
「人前で堂々とセックスなんて恥ずかしいわよ」
「大丈夫デス、ウィリア特製の結界のおかげで、サバト会員以外から覗き見されることはないのデス」
「結局はサバト会員に見られてるじゃない!」
「お二人の愛を信じていますよ。ウィリアは新薬披露の再開デス」
「重要な任務をアタシ達に押し付けて、そっちは黒ミサを続けるのかよ!」
参ったわ、へーくんと性交しなきゃこの島から脱出出来ないなんて〜しかもこんなにデカイ貝だと、一回や二回の性交じゃ終わりそうにないし、十回?二十回?下手したら百回もへーくんと性交を……
「満知子」
「何、へーくんもアタシと百回交わるつもりなの?」
「何だ、ひょっとして満知子、オレと百回ヤりたいのか?」
「そ、そんな訳ないじゃない」
「まぁ百回にしろ千回にしろ、性交にはそれなりの準備が必要だよ」
「準備?」
「新薬を試し身体を暖める、暖まった身体で交わりを行う。黒ミサの醍醐味」
「つまりは新薬の発表を聞けってことなのね」
「イエス!!」
「わかったわ、心の準備をしましょう」
アタシはへーくんとの交わりの準備として、黒ミサに参加する。
Μ新薬披露第二部Μ
「どんなネガティブな人も前向きな気持ちになれる『前向き薬』今日一日どんなに嫌な事があっても、前向きな気持ちで愛する妻や夫とエッチが出来るのデス」
アタシは新薬の説明を耳にいれながら、その薬で効率よく交われるかを妄想(イメージ)する。
「ウィリア様、それをブルーグさんに飲ませるつもりですか?」
へーくんがウィリアに質問する。
「いや、アイツに飲ませるつもりはないのデス、ブルーグが苦労性のほうがウィリアも好き勝手に行動出来るのデス」
使い魔のくせにえげつないわね。そういえば、ウィリアは自分の使い魔じゃないって、ブルーグさんが言ってたような……
違う違う、今はどうやってへーくんと効率よく性交するかを妄想(イメージ)するのよ。
「お次は『一時薬』相手の時間を一秒だけ停止させるのデス」
「一秒って微妙だよね」「うん」
「たかが一秒と甘くみてはいけないのデス、一秒に笑うものは一秒に泣くのデス」
相手の時間を一秒停止か、へーくんとの交わりには使えそうに無いわね。射精が一秒遅れるだけだし。
「四つ目は『精髪料』髪の毛の薬デス」
『薬』とつかないのかよ。
「髪の毛に艶と触り心地を与え、毛娼妓のような美しい髪が得られるのデス。因みにこの薬の材料は、子宝宝樹が眠る触手の迷宮『樹増の塔』の管理人、ラプンツェルの髪の毛を使ってるのデス」
子宝宝樹、確実に夫との子供が身籠る、伝説の樹。
アタシもいつかへーくんの子供を……
「ケジョウロウか〜娼妓だけに凄く美人なんだろうな〜」
参ったわ、まずは旦那様を更正させるのが先のようね。
「ラプンツェルって」「塔の最上階に住む」「髪長姫が」「自らの毛を提供したのか」
「無事、髪の毛を持ちかえる任務を果たしたゴーセル夫妻に拍手するのデス」
ワーパチパチパチパチパチパチパチパチ
「ま、まぁ、重要な任務だったから、ウィリア様の信頼に応えるために、頑張った……」
ゴーセルさんは返答する。
自信を持ちなさいよ、自信満々のスタイルをしてる癖に。
って、また考えが脱線しちやったじゃないの!
参ったわ、どうして肝心な時に限って、マーチヘア特有の妄想が浮かばないというか、ツッコミ路線に曲解するのよ!
Μ魔物化の儀式Μ
「次に魔物化の儀式デス」
アタシは改めて効率の良い交わりを考えていると、魔法陣から拘束された女性が召喚された。
彼女もこの島の影響で赤いビキニを着用しているが、ボディービルダーのような筋肉質のせいで色気を感じない。
「T-63デス」
名前が英字と数字の組み合わせ、彼女も討伐隊のようね。それにしても鍛えすぎて胸も筋肉化するとは皮肉なものね。
アタシは勝ち誇った表情をしていると
ウィリアが牛乳瓶一式を取り出した。
「特濃ホルスタウロスミルクデス」
あれは通常のホルスタウロスより強力で、人間の男が飲めばホルスタウロスフラグが立ち、
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