闇の花嫁と腐敗の王者

※魔王城・ハーレム部屋・カーテン内※
※リーゼ視点※


「ヴァラちゃん、三名通るよ」
「お気をつけて」

黒いカーテンをくぐる抜ける柴様とパール様、そしてわたし。



「キリカちゃん、三名通るよ」
「お気をつけて」

白いカーテンをくぐり抜ける柴様とパール様、そしてわたし。

※闇の部屋※

「内装はわたし達がいる部屋と殆ど変わりませんね。ただ、灯りは魔灯花から蝋燭の火に変わってますが」
「ただの火じゃないわ。闇精霊の魔性の業火よ」
「闇精霊って魔界を形作るものと言われるーー」

ベチャ

足下に粘液の感触

「液体の、海?」



『おかえりなさいませ柴様』



液体の海から現れたのは

女給仕
女兵士
女魔法使い
女商人

女神官熟女女騎士少女女魔導士幼女筋肉娘美女海女前髪っ娘女医者幼なじみ女性店員細身娘看護婦聖女女戦士女児女狩人老女麗人女学者妹巫女肥満娘女料理人姉女剣士メイド女友達農女母娼婦侍女女性聖職者女子女闘士眼鏡娘女忍者村娘女山賊貴婦人男装少女

全員が女性の姿をしたスライム

『闇の花嫁達が参られます』

彼女達が壁添いに縦一列で並ぶと、引潮のように余剰部分が道を作り

道を通るように全身黒いローブの魔物娘達が現れました。

見えない闇を象徴するかのように。

「柴様ぁ」

その内の一人がローブよりも暗い闇色の蛇の身体を柴様に巻き付けます。

「アポロは相変わらず独占欲が強いな〜」
「柴様に褒めてもらえて光栄ですわぁ」

「拘束を解きなさい、アポロ」

パール様は威圧感のあるトーンで、アポロと呼ばれるラミア属に言います。

「何その態度ぉ、もう一度毒を注いであげましょうかぁ?パールちゃん♪」
「その時はまた三人で交じり合いましょ。あの時のように」
「……止めておくわぁ。今は夫一筋よぉ」

アポロさんは拘束を解きます。


「やっとディナールームへ移動か」
「もうすぐしばさまとエッチできるぞ」
「あははーせっくすだー」
「待ちくたびれて柴様を襲おうと思ったわ」
「でも報酬として一人ずつ柴様とたっぷり交われるなら、王様の警護ぐらい安いものよ」

黒いローブの妻たちが際どい発言をしています。

「パール様、彼女達に任せるのはかえって危険なのでは?」
「彼女達だからこそ警備を任せるのよ。何せ相手は旧時代から生き続ける腐敗の王者、威圧感に押し潰されることなく任務をこなせる実力と精神が必要よ」
「それだけ今回の依頼主は大物なのですね」
「後は当の本人が出席してくれるかどうかだけど……」


※眠らずの国・王の間※
※ラーモ視点※


「すみませんでした!」

私はベルフィード様に向かって深々と頭を下げます。
ベルフィード様をオスと見間違えるなんて……もし機嫌を損ねて出席拒否されたら皆に合わせる顔がありません。

「構わぬ、余も昔はオスだった」
「え?」

ベルフィード様は語ってくれました。
みすぼらしい老人として人間の生涯を終え、骸骨の容姿を持つ不死の王として甦ったこと。今の魔王の代替わりにより肉体を得て今の姿へと生まれ変わったことを

「余の身体は細身であるが故に男物の服を着ているのだ。そなたが余をオスと見間違えても何ら不思議ではない」
「骸骨から美少女になるなんてびっくりです。一国の王子様が生前の姿のままワイトになったのかと思いました」

「面白いことを言うキキーモラだな。確かに我々のように旧時代から仕える者達は陛下を『女王』ではなく『王』と呼ぶ。その方がしっくりくるからな」

と、側近であるデュラハンが言います。

「因みに国王は旧時代の骸骨の姿へ戻れるのよ」
「そうなの!」

「白ヴァル、余計な事を吹き込むな!」
「ナディア様、私は事実を言ったまでです。事実ドラゴンだって旧時代の竜の姿に変われますし」

「旧時代の姿になれるなんて……まるで心のどこかで魔物娘への変化を拒んでいるのかな……」

「キキーモラ、さっきから一言多いぞ!それだけ陛下の魔力は強大だということだ!」
「構わぬ」

鶴の一声でナディアさんを止めます。

「……失礼しました陛下」

王様の威圧感より、側近達の視線が痛いです。
本当にベルフィード様を連れ出すことは出来るのかな?


※ハーレム部屋※
※リーゼ視点※


「いってらっしゃいませ、皆様」

ヴァラさんに見送られ、パール様と柴様は黒いカーテンをくぐり抜けます。


闇妻こと闇の花嫁達を率いて


「誰?」
「闇の花嫁よ」
「ひいっ!」
「お疲れさまです」
「チッ」
「ああ…お姉様ぁ」
「黒尽くしの変な人達だ」
「逃げろー」
「お久しぶりです女王様」
「視姦されちゃう!」ビクンビクン

闇妻達の行進に、妻達の様々な視線が集まります。

「きゃっ」コケッ

その一人が転び

ドバ
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