傾国の九尾と不死王の謁見

※眠らずの国・城堀※
※ラーモ視点※


「彼女達は王の謁見に来たのだ、全員持ち場へ戻りたまえ」
「皆の者退散するぞ」

デュラハンの衛兵達は持ち場へ戻りました。

私はリッチ改めフィリアさんの姿に注目します。
生気の無い灰色の肌、胸が隠れる位のローブから見えるほっそりとしたくびれ、細い足の間は何も履いておらずーー

「ローブを羽織っただけですぅ、裸ローブですぅ、エッチな格好ですぅ」

トビラちゃん興奮中

「これはリッチの正装だ」

対して裸ローブのリッチは胸を張って語ります。

「裸だからガチガチンポに即ハメ出来るですぅ!」

「感謝、衛兵とのいざこざは避けられた」
「む、リッチでありながら何故服を着ている?」

フィリアさんはリーチさんの服装を指摘します。

「規律、パール様は外出時の格好には厳しい御方」
「リッチに服を着せるとは、世界の損失だ」

フィリアさんは魔術師
リーチさんは研究者

同じリッチでもキャラの違いがあるようです。肌の色等リッチを象徴する部分は共通していますが。

「ねーねーおねーさん。早く王様に会わせてよー」
「そうだったな、まずは我が王の謁見を……ん?あの馬車は……」

一台の馬車が此方へ向かってきます。

「どうも、フィリア…様」

馬車から顔を出したのはデュラハンの衛兵と同じ鎧を装着したヴァルキリー。

「丁度良いタイミングで戻ってきてくれた。この者らを馬車に乗せてくれぬか?」
「どうして魔物なんかを……」

「あれれー?あの白ヴァルさんおかしなこと言ってるー自分も魔物なのにー」
「ぎくっ!別に好きで魔物化したわけではありません、元はと言えば国王が「過ぎた事をグチグチ言う暇があるなら扉を開けたらどうだ、それに他国の魔物から魔物の善悪を聞くいい機会であろう」
「すみません、フィリア様……どうぞお乗りください」

フィリアさんに説教された白ヴァルさんが馬車の扉を開け、私達は乗車、馬車が動きだし城へと向かいます。



「美味しそうですね」
「ラーモちゃんは白ヴァルさんの身体が美味しそうに見えるのですか?」
「白ヴァルが食べる蒸し芋が美味しそうと言ったのです!」

「魔界の作物の安全性を確認するためです」ハムッモグモグ…

「美味しそうに睦びの野菜を頬張ってるわね、ウチのヴァルキリーと大違い」
「貴女達の仲間にもヴァルキリーがいるのですか?」
「名はヴァラ。使命の為ならあたしにも聖剣を向ける娘よ」
「あの、詳しく聞かせてもらえませんか?」

白ヴァルさん興味津々。

「そうね、まずはこの娘がうっかり立ち入り禁止の場所に入り込んだ時の事を話してあげる」
「ちょっとメシャスさん、嫌な思い出を」
「本人の意見は無視しまーすヴァラちゃんの白い聖剣がラーモちゃんの喉元に突き付けられてーー」


※魔王城・ハーレム部屋・黒カーテン内側※
※リーゼ視点※


その白い聖剣はわたしの喉元を正確に狙っていました。

「下がれ」

わたしは彼女の言葉に従い、ゆっくりと、後退します。

「覚えておけ、カーテンから先は立入禁止だ」

わたしは白い聖剣の持ち主の全体像を把握します。

絵画に描かれし天界からの使者

真面目かつ冷静な視線、清楚な青い鎧を纏いし白き戦乙女、ヴァルキリー。

「どうしてヴァルキリーがここに?」
「前に侵入してきたキキーモラと同じ質問だな」

堪に触ったのか剣先が胸元へ接近。

「私は自らの意志で天界へ離反した。妹とは違う」



「ヴァラちゃん、その剣を下ろしてくれないかしら?」
「……パール様の命令ならば」

ヴァラと呼ばれたヴァルキリーが剣を下ろします。

「ヴァラちゃん、こっちの番人の務め、果たしてるみたいね」
「主の命令なので」
「その主の分身が向こうへ迷い込んだのよ」
「存じております」
「悪いけどこちらに連れ戻してくれないかしら」
「了解しました」

まるで闇に溶け込むようにヴァラさんがカーテンの中へと戻ります。

「大丈夫?リーゼちゃん」
「いきなり剣を突き付けられて驚いただけです。それにしてもあのヴァルキリーは一体?」
「あの娘はハーレムの国の境界を守る白き番人よ」
「白き、番人?」
「そして彼女はハーレムの国の境界を守る黒き番人よ」
「黒き、番人?」

カーテンから人影。
あのヴァルキリーが柴様を連れてきてくれたのかと思いました。

黒き戦乙女が現れるまでは。

絵画に描かれし万魔殿からの使者

真面目でありながら好色的な視線、背徳的な鎧を纏いし黒き戦乙女、ダークヴァルキリー。

ただ、顔立ちは先程のヴァルキリーに似ていたので

「ヴァラ、さん?」
「姉のような堅物と一緒にするな」

黒き刃がわたしの下腹部へと突き付けられます。

「私は己の内に眠る欲望に気付き、より
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