※トリックストリート・ジュリー宅※
※シャンプ視点※
「ヴァンパイアハンターの安否確認?」
「何でオレ達にそんな頼みごとを?」
あたしとリンスの問いにワイトのジュリーさんが口を開く。
「事の発端は町外れの丘に古城が出現したの」
「ハートの女王様が吸血鬼の一族ごと持ってきた城らしくてね」
ジュリーさんの夫であるロミオさんが続ける。
「来訪者だからパーティーに誘おうと思ったけど、その城の主は「もうワイトとは関わりたくない」と籠城を始めて」
「さらに女王様が気まぐれで銀貨兵百体を一族に譲渡したことで事態は悪化」
「城主が銀貨兵全てトリックストリートの住人を追い払うように改造したの。特にワイトやゾンビを重点的に追い払い、ワイトの魔力を感知するだけでも城中の銀貨兵が一斉に集まり門前払いするの」
「子供達も言ってたな、城の兵士が住人達を門前払いしてるって」
「ですが、尚更あたし達に頼む意味は無いと思いますが?確実に追いだされますし」
「理論上はね。でも外部から来た君達なら入城が可能なんだ」
「何故あたし達なら可能なのですか?」
「一見入城は不可能にみえるが、実の所案内役のチェシャ猫や来訪者、そして他の町から来た住人に対しては銀貨兵は無反応らしく、すんなりと城へ入れた報告が多いんだ」
「成る程、そういうことなのね」
「どういうこと?」
リンスだけ理解できていない。
「城の警備兵はゾンビ属の魔力にしか反応しないのよ」
「だからどういうこと?」
「リンス、問題よ。あたしの種族は?」
「マッドハッターだろ?」
「よく出来ました、えらいえらい♪」
「おぅ」
あたしにオチンポを撫でられて喜ぶリンス。
「次の問題よ。あたしとリンスが住んでる街はトリックストリートである。マルかバツか?」
「バツ、オレとシャンプはタマゴの里に住んでる」
「正解よ、あたしはワイトでもなければトリックストリートの住人じゃない。城の兵士によって追い出されることなく城への侵入が可能なの」
「成る程、だからシャンプは城へ入れるのか」
「そうよスリスリ、それはマッドハッターの夫であるリンスにも言えるの♪シコシコ」
「そうか〜そうかぁ〜」
あたしのさり気ない動作でリンスのオチンポが膨張、ズボン越しに立派なキノコが育っているのが解る。
このまま刺激を与えればズボンから香ばしい香りが放つだろう。
だが、お楽しみは後。今はジュリーさんとの話を優先。
「本題よ。そんなある日、一人の男がトリックストリートにやってきた」
「彼は討伐隊の一員で、子供達のイタズラを全て回避する実力を持っていた」
「さらに子供達にイタズラは時と場合を考えてと優しく諭していたわ」
「へぇーそれなりの実力者でかつ紳士的なのね」
「私達も最初はそう思っていたわ」
「だが町外れにある城と吸血鬼の一族のことを伝えると真剣な顔つきで「ヴァンパイアか、面白い。ハンターの血が騒ぐ」といって城へ向かった」
「それ以降、戻ることはなかった」
「戻らなかった……救助はしなかったのですか?」
「他の討伐隊や知人のヴァンパイアに救助及び調査を頼んでみたわ」
「そしたら意外なことに城に潜入した者全員が、そのハンターに追い返されたらしい」
「追い返された!?何で?」
「わからない、だが彼はヴァンパイアハンターだ。返り討ちに合い、洗脳に近いことをされたのかもしれない」
「カミラも相当悔しがってたわ」
「だから彼が無事かどうかを確かめたいのですね」
「以上がこれまでの経緯だ。本来なら僕達トリックストリートの住人が解決しなければならない問題だ。君たちに頼むのは図々しいことかもしれない。だけどこのまま何もしない訳にはいけないんだ」
「お気持ちはわかります。ですが闇雲に侵入しても意味はないですし」
「大丈夫、作戦は考えてある」
「作戦?」
「みんな、入ってきていいわよ」
ジュリーさんの呼び掛けで部屋の扉がゆっくり開く
幼いゾンビと少年の四人組が入ってきた。
「さっき城の事を教えてくれた子供達だよね?」
「お姉ちゃん達、城に行くんだよね」
「コレ」
「手紙?」
「パーティーの招待状。それをロザリーに渡して」
「いっしょにぱーてぃをしたいの」
少年達がアタシとリンスに向かって頭を下げる。
「「お願いします」」
ゾンビ少女も遅れて頭を下げる。
「お願いシマス」
「おねがいします」
あたしは子供達の手紙を手に取り
「わかったわ、お姉さんがその娘に渡してあげる」
約束を交わした。
「報酬はちゃんと受け取るからな」
リンスは町長夫妻に釘を刺す。
「ありがとう、ちゃんと精補給剤は用意するわ」
ジュリーさんは机の引き出しを開け、何かを取り出
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